昨日発表された福島原発2号機格納容器内の放射線量は最大72.9シーベルトでしたね。
もちろん、この値は『即死』です。
何を基準に言えるかと言うと、以前に起きた茨城県東海村の原発事故です。
昔東海村の原発が事故を起こした時に、3人の作業員がホウ酸を手に抱えて炉心に入り、ホウ酸を注入したことによって日本の一大事を救ったという事件があったのをご存知でしょうか。この時の勇敢な3人によって、人の命と被ばく量の限界がわかりました。
35歳の作業員は16~20シーベルトも被ばくして、染色体破壊が激しく血液をすべて交換しましたがそれでも症状が再発して、とうとう事故から3か月弱で多臓器不全で亡くなりました。
40歳の作業員は6.0~10シーベルトの被ばくで、同じく染色体破壊がひどくつまりは白血病の状態で、血液をすべて交換しました。その後人と話せるようになりましたが7カ月を過ぎて多臓器不全で亡くなりました。
1~4.5シーベルトの被ばくを受けた54歳の作業員は一時白血球がゼロになり骨髄移植を行いました。その後回復して死ぬことは免れました。
つまり、人間が生きていられる被ばく量の限界は1~4.5シーベルトということになります。
勿論、1時間での被ばくの話ですよ。
新聞では7から10シーベルトと書いてありますが、間違っていると思います。
日本人としては上の東海村の事故でしか例が無いからです。
もちろん広島、長崎での原爆による被ばく例がありますが、当時は医者ですら『ぶらぶら病』と呼んで、なぜ数日経ってからたくさんの人がバタバタと倒れて行くのかさっぱりわからなかったほど放射線被ばくについては知識が無かったので、はっきりした数字は解らなかったみたいです。
私がわからないのは、どうして1年以上も水で冷やすだけで何も出来ないのかということなんです。
もちろんアメリカのスリーマイル島やロシアのチェルノブイリ原発での事故を見るとすぐには対処できないのは解っています。
そうではなくて、
・水が漏れている個所を何らかの方法で埋めることが、日本のロボット技術などでは出来ないのか?
・ホウ酸を入れて、原子炉の周りに大きな穴をあけて地中深くにコンクリートで固めて埋めてしまえないのか(それくらいの技術はあるでしょう)
・放射線被ばくした瓦礫の処理は長い年月がかかるのは解りますが、端から見ていると冷温停止以外の手をほとんど打っていないように見えるのですが、どうなのでしょう。
東電は格納容器内の核物質(溶けた燃料棒)を取り出そうとしていますが、施設を破壊してはいけないのでしょうか。その後の研究のために出来るだけ現状を残しながら解決しようとしている気がします。
それでいいか悪いか・・・その間にかかる膨大な経費は国民の電気料金と税金。危険な状態の継続時間が長くなる。その間の人体への影響などの心配が考えられます。
逆に、数少ない今回のような原発事故で、今後の事故に対する対処を正確に出来るようにするには、今回の事故の調査がとても重要なことは明白です。
だって、仮に日本で原発がすべて撤廃されても喜んではいられません。
現在、ものすごいスピードで原発を作っているのは中国なのです。
海の近くだけではなく川のほとりにも建設しています。
中国の原発が事故を起こしても正確な情報が流れにくい。
そして汚染された大気は偏西風に乗って日本にやってくるわけです。
これだけはどうしようもないですね。
宇宙戦艦ヤマトではありませんが、冗談抜きで『放射能除去装置』出来ないですかね。
原子炉格納容器内は政府は冷温停止と言ってはいますが、核分裂が止まっているわけではなく僅かずつでしょうが核分裂が起こっているはずです。だから当然高放射線量。
それは勘違いしている人でなければわかると思います。
中国だって事故は嫌でしょうが、昔毛沢東がロシアと戦争になりかけたときに『8億人死んでも2億人も生きている』と言ったり、高速鉄道の事故後の処理を見ていても、先日起こった四川省のレイプ遺棄事件(暴漢に襲われた18歳が道端で脳挫傷になって倒れていても、当局と警官は生きているのに霊柩車を呼んで隣町に運んで遺棄した。女性は極度の凍傷にかかりながらも一命は取り留めた事件)などの話を読んでいると、日本とは明らかに『人間一人の命の価値』が低い事が明白なのですが、そのあたりから来るとんでもない発想で原発を対処されることが一番怖いでしょうか。勿論人の命を大切にする中国人だってたくさんいますが、これだけ人口が多いと変なやつの絶対数も相当いるということです。