白鳥の湖はどんな物語 ブラックスワンとナタリー・ポートマン |         きんぱこ(^^)v  

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      砂坂を這う蟻  たそがれきんのすけ

 純粋に恋をした相手が、邪悪な心を抱いた女性に誘惑されていったことはありますか?


 純真な女性を好きになったのに、その女性と同じ心を持っていたであろう、妖艶な女性の誘惑に落ちて行った事がありますか?


        きんぱこ(^^)v  -portman

「女の子が白鳥の姿にさせられてしまって

 真実の愛だけがその呪いを解けるの

 けれど、王子が別の女の子に恋をしてしまい

 女の子は自殺するの」


 白鳥の湖とはそんなそんな物語だったのですね。

 初めて知りました(汗)あせる


 バレエはストラヴィンスキーの「ペトリューシュカ」しか見たことありません。

 それで、さっそく調べてみました(^^;)

 白鳥の湖というのはチャイコフスキーが初めてバレエ音楽として作曲した曲で、ワーグナーの「ローエングリーン」がベースになっているそうです。

 

 悪魔の名はロットバルト。そして白鳥にさせられたオデット姫、そして純真な彼女を好きになるのがジークフリード王子。そしてロットバルトが連れてきたオデット姫とそっくりな女性オディール


        きんぱこ(^^)v  -blackswan


 オデット姫はロットバルトの魔法にかかった白鳥。しかし夜だけは人間の姿に戻れた。

 『まだ誰も愛したことのない男性に愛されること』それだけが魔法を解く鍵になっていた。

 ある日、湖畔に向かったジークフリード王子は月明かりの夜にオデット姫を見つけて好きになってしまう。

 オデットは自分の事情を王子に話す。それを理解した王子はオデットに明日の舞踏会に必ず来るように伝える。

 この舞踏会は王子の成人の祝いで、この場で妻となる相手を決めなければいけなかった。

 舞踏会は始まり、花嫁候補が次々と踊りはじめる。オデットは白鳥のままなので中には入れない。

 そこへ、騎士に扮したロットバルトがオディールを連れてくる。ブラックスワンのオディール。

 オディールの妖艶な踊りが始まった。そして王子を誘う。

 『その女性は私ではありません、気づいて!私じゃないの』

 窓の外から必死で伝えようとするオデット。しかしその声は届かない。

 王子はとうとうオディールに永遠の誓いをして嫁に選んでしまう。

 『はっはっはっは』

 その途端に、ロットバルトとオディールは笑いながら去って行く。

 ジークフリード王子はあわててオデットを探しに行く。

 そして、オデットに自分の愛が変わらないことを伝え、、ロットバルトを撃退する。

 しかしオデットにかかった呪いは解けなかった。

『まだ誰も愛したことのない男性に愛されること』・・・それはもう叶わない・・・

 オデットは王子を許すが、自らを悲観して崖の上から身を投げる。


        きんぱこ(^^)v  -blackswan


 最後はハッピーエンドの場合もあるし、一緒に身投げをする場合もあるようです。

 「ブラックスワン」の場合はハッピーエンドではなかったみたいですね。なるほど。


 それでこの映画は、映画としての『白鳥の湖』の一作品なのかなと思いました。


 ナタリー・ポートマン扮するニナは純粋無垢なバレリーナで密かに恋していたであろう監督のルロイ(ヴァンサン・カッセル・・・オーシャンズ12でも出ていました・・・)から白鳥の湖のプリマに選ばれます。

 しかし、ニナはホワイトスワンしか踊れない。

 そこに、ブラックスワンが踊れるリリー(ミラ・キュニス)が入ってくる。ニナはブラックスワンが踊れずに悩み、リリーの存在に焦りはじめる。背中にブラックスワンの羽のタトゥーをしたリリーはルロイを誘惑してセックスをする。それを見てしまったニナの心はどんどん不安定になり壊れて行く。

 そして本番の日がやって来た。・・・・


 ナタリー・ポートマンは小さな頃からバレエの経験があるので、映画でも自ら踊っているそうです。とはいってもプロ顔負けとは行かないでしょう。

 いくら踊れるといっても付け焼刃の練習でフェッテ(片足をつま先で立ち、もう片方の膝を曲げて何度もクルクル回るやつ)なんて、うまくは踊れないって。ボディダブルだって言われていますが難しい所などはそれでもいいじゃないですか。


 けど、やっぱりこのナタリー・ポートマンという人は「レオン」の頃からその後日本のコマーシャルにも出ていて、大きくなるまでずーっと見てきた印象がありますよね。だからなんだか結構親近感があるっていうか、温かい目で見てしまいます。


        きんぱこ(^^)v  -leon

 「レオン」が演出、ストーリー、俳優の個性、カメラアングル、音楽、完成度どれをとってもよくできていたので印象が深いのですが、大きくなったナタリー・ポートマンがどんな演技をするのかというのも、楽しみの一つでした。


 絶世の美人に対する嫉妬、誰かを好きになるということは相手はそれだけの人なのだろうからその人を好きになる人が他にもいて当たり前でしょう。それぞれが同じ思いに立った時、例えば白鳥の湖のような物語になるでしょうし、この物語はそういう意味でも日常のどこにでもよくあることでもあるでしょうね。

 ホワイトスワンはブラックスワンになってゆくけれど、一度ブラックスワンになるとホワイトスワンには戻れないのだろうか・・・。私の興味はここでしょうか。

 まあしかし、どんなところでも、羨望・嫉妬・邪心・競争が入り組んでいやらしい世界になってしまいますね。

 みんな嫌なはずなのにそうなってしまうのが不思議でもあります。

 それが人間の性といわれればそれまでですけど・・・。

監督
ダーレン・アロノフスキー
脚本
マーク・ヘイマン
アンドレス・ハインツ
ジョン・J・マクローリン
原案
アンドレス・ハインツ
製作
スコット・フランクリン
マイク・メダヴォイ
アーノルド・メッサー
ブライアン・オリヴァー
製作総指揮
ジョン・アヴネット
ブラッド・フィッシャー
ピーター・フラックマン
アリ・ハンデル
ジェニファー・ロス
リック・シュウォーツ
タイラー・トンプソン
デヴィッド・スウェイツ
出演者
ナタリー・ポートマン
ヴァンサン・カッセル
ミラ・キュニス
音楽
クリント・マンセル
撮影
マシュー・リバティーク
編集
アンドリュー・ワイスブラム
製作会社
フェニックス・ピクチャーズ