山崎豊子と華麗なる一族【2/3鉄鋼】 |         きんぱこ(^^)v  

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さn


「華麗なる一族」のモチーフとなったと思われる企業は、実は姫路にあるのです


現存する阪神特殊鋼とは関係がありません。(阪神特殊製鋼ではないことに注意)


モデルは山陽特殊製鋼と言われているようです。


山陽特殊製鋼は神戸姫路間の人々にはサントクと呼ばれて有名な企業のひとつです。

サントク創業者の荻野一は、確かに「世界のサントク」を謡って、高炉建設に着手しています。


この会社は、設備投資過剰で1965年に70億の粉飾決算を行って発覚し、倒産している。


しかし、当時常務だった上杉年一氏だけが(技術者ということで)残され、再建を行った。


再建は見事に成功して現在に至るが、ドラマでは市ノ瀬工場長(常務)にあたるのでしょうか。


木村拓也が演じた鉄平は本来なら粉飾決算責任者ですがドラマでは悪者ではありません。


いや、世間では悪者でも経営者の信念と銀行との関りは鉄平と同じだったのかもしれません。


山崎さん自身が鉄平のモデルは住友金属工業会長・日向さん、山陽特殊製鋼上杉年一氏ということを言われていましたが、わたしには、荻野一を美化して本当のモチーフにしているような感じを受けました。


しかし、サントクは当時評論家の竹村健一さんが調査部長をやっていて、直ぐにやめたところをみると、結構放漫経営だったのではないでしょうか。


鉄平が専務をやっていた会社は、粗鋼が不足して、帝国製鉄(八幡製鉄)に頼るしかなかった。


1950年までは日本製鉄。元々国営だったので政官のパイプはかなり太い。


新日鉄は1970年から創業なので合併前の八幡製鉄がモデルになっているのだろう。


私はサントクには行ったことはない。(会社の前までならあるけど・・・)


八幡製鉄と富士製鉄が合併した新日鉄には、何度も仕事で常駐した。


とても大きな敷地で、入り口を入ると構内に電車が走り、バスが走っている。


ショベルにしてもなににしても、一つ一つの機材がビル一棟もあるような巨大な機材ばかりで、まるで自分が小人になった印象すら受けます。


入り口は主に4箇所あり、東の入り口から入れない場合は西の入り口に回るのだが、車で移動するだけでも10分15分ほどかかってしまう。


それでも新日鉄の工場のなかでは最大ではない。


そんな会社に鉄平は果敢に挑んだ。(地図参照)


サントクの大株主はいまでも新日鉄。




山崎豊子と華麗なる一族【1/3家系】
山崎豊子と華麗なる一族【2/3鉄鋼】

山崎豊子と華麗なる一族【3/3銀行合併】