ギャンブル小説外伝「思い出の映画」--タクシードライバー-- |         きんぱこ(^^)v  

        きんぱこ(^^)v  

  きんぱこ教室、事件簿、小説、評論そして備忘録
      砂坂を這う蟻  たそがれきんのすけ


たx


ベトナム戦争の海兵隊を退役したトラヴィス・ビックル


(ロバート・デ・ニーロ)と13歳の売春婦アイリス


(ジョディー・フォスター)の出世作。



海兵隊を体液した孤独な青年が、荒廃したニューヨーク


の夜の街に、心を病み、怒りを覚えて、過激な行動に


走ってしまう。


1976年当時としては、衝撃的だった映画。


ロバート・デ・ニーロ扮するトラヴィスが部屋の鏡に向けて


「俺に用か?」と喋るシーンが流行ったらしい。


27歳の一人の孤独で不器用な青年がニューヨークに住む。


海兵隊を退役して、イエローキャブの運転手をしながら、


世の中の醜い部分に怒りを覚えながら、自分なりに出来る


行動を取ってゆく。


純粋な心が世の中により曲げられて、次第に歪んだ行動


となって現れてゆくところを描いている。


イエローキャブ。


ご存知だとは思うが、ニューヨークの黄色いタクシーの事。


アメリカに来る日本の女性の代名詞にもなった。


どこへでも行く、誰でも乗せるタクシーのこと。


日本人女性のことをイエローキャブと呼ばれるように


なったのは、もう少し後のこと。


人間にとって孤独は危険なのかもしれない。


【ストーリー】


トラヴィスは孤独なタクシー青年。


客をどこへでも乗せてゆく。


マンハッタン、ブロンクス・・・・。


オフの時は、映画を見る程度。


それもポルノ映画を見るともなしに見る。


たった、それだけの毎日。


お金は溜まってゆく。


面倒くさいと、勝手に乗ったことにして


自分で金を払う。それでもお金は溜まる。


そして、車に乗りながら、ニューヨークの


夜を見て走る。


通りに並ぶ売春婦。


酒に酔って喧嘩する男。


ホームレスや、麻薬売買。


トラヴィスでも恋はする。


選挙事務所にいたベッツィー(シビル・シェパード)に


アタックする。


口説いてデートに誘い出す。


デートの場所は、映画館。


なぜかポルノ映画館。当然・・振られた。


その後無視されたトラヴィスは事務所に来て


罵声を突く。


純粋な男そのままの、気持ちと行動。


そんなある日、逃げようとする売春婦を


乗せ掛けたが、乗る直前に男に捕まえられて


連れ去られてゆく。


その男は、クシャクシャになった1ドルを


トラヴィスに放り投げて立ち去った。


トラヴィスはその汚らわしい1ドルを別ポケットに


しまい込んだ。


そして、一台決心をする。


溜まったお金で、拳銃を買う。


ワルサー、コルト・・・・そしてマグナム38口径。


体を鍛え直して、拳銃を身に着けて、


モヒカンにして、・・・大統領を狙おうとする。


しかし、失敗して逃げ去る。


その後、先日逃げようとしていた売春婦を買って


部屋に行く。


その時に、以前もらったクシャクシャの


1ドル札を、「チップだ!」と門番の


男に渡す。


彼女は13歳だった。


そして、彼女を抱きもせず


「こんなことをやめて家に帰れ」


と説得する。


ある日、トラヴィスは、13歳の


少女がいる売春組織に殴り込む。


自らも首を打たれながら、


コルトで撃つ、仕掛け持ったワルサー


でも撃つ。


マグナムは使えなかった。


そして、1組織を撲滅する。


瀕死の重傷から生き返ったトラヴィスは


一躍有名となる。


少女の親からは感謝の手紙が来る。


感謝の意を伝えた手紙だが、ニューヨーク


には挨拶に行けないという微妙な文面もある。


奇跡的に助かったトラヴィスは、


何事も無かったように、イエローキャブで


夜の街を走ってゆく。



でに ・・・若い!


【キャスト等】


監督 マーティン・スコセッシ
製作 マイケル・フィリップス
ジュリア・フィリップス
脚本 ポール・シュレイダー
出演者 ロバート・デ・ニーロ
シビル・シェパード
ハーヴェイ・カイテル
ジョディ・フォスター
音楽 バーナード・ハーマン
撮影 マイケル・チャップマン
配給 コロムビア映画
公開 1976年2月8日
1976年9月