その日は、朝から
勝てる気がしなかった。
疲れからか、集中力が無い。
新聞を適当に見て、
なかば直感だけで賭けていた。
疲れているので、
早く決着を着けたかった。
冷静に考えると、
そこまでしなくとも、
帰ればいいのだ。
しかし、それが
自分で許せなかった。
馬鹿に付ける薬はない
とは、まさにこのこと。
すがに、私のなかにいる
例の神の声の主すら
出て来ない。
しかし、結果は
2,3万負けては
また取り返す。
の繰り返しが
延々と続いた。
しかし、午後からは、連続して負けた。
そしてレースも後半になった。
疲れで立っていられなくなり
しゃがみこんだ。
再び立ち上がると
貧血を起こして
目の前が真っ暗になった
それでも踏ん張りながら
馬券を買った。
(馬鹿につける薬は無いな・・・)
一人で苦笑した。
持ち金は、わずか6万になっていた。
疲れていて、新聞を見る気も
考える気もなかった。
週中の新聞を読んでいたこともあり
いつも追い込んでくる2番の牝馬と
いつも逃げる1番の馬が思い浮かんだ。
1番の調教は、時計は良かったが
最後がバテたような調教だった。
しかし、疲れていた私は
ファーストインスピレーションで良いと思った。
(よし、1着は2番、2着は1番。1番が逃げバテたら終わり!)
3着はどうしようか・・・・。
4歳の昇り馬。3番。
7歳の実力馬。10番
それとも、どうせ当たらないから大穴みつけようか・・・。
もう一度新聞を眺めた。
9番の逃げ馬が目に付いた。
頭の中で誰も声はしなかったが、新聞で妙に目が止まった。
9番か1番かの逃げ馬が残るということかな・・・。
1着 2番3番
2着 1番9番2番3番
3着 1番9番2番3番10番
で1800円か・・・・三連単フォーメーション200円で3600円
三連複をBOXで 1,2,3,9,10で300円の3000円。
保険でワイドで 1,2,9,10で 500円の3000円。
もうこれで当たらなかったら帰ろう・・・・・。
【フォーメーション】とは
着順と記載が全く同じでなければ当たりではない賭け方のもの。
バリエーションが沢山出てくるので購入金額もかさむ。
馬券は100円単位で買える。
(京都祇園の馬券売り場は500円単位なので注意)
これはフォーメーションの三連単の買い方。
着順そのままなら当たりである。
フォーメーションの三連複でも買える。
三連複の場合は着順が狂っても当たりである。
今回の例では、1,9,10ときた場合、
三連複が当たっているように思うが外れである。
1,2,3着に上手くばらけていなければだめだ。
【BOX】とは
賭けた馬番が何着でもいいから、1~3着まで全て
含まれていると当たりのもの。
馬券を購入して、もう立っていられなくなった。
屋外のベンチにへたり込んで、
レースのスタートを待った。
