ギャンブル小説「とったらんかい!」---考えろ2--- |         きんぱこ(^^)v  

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      砂坂を這う蟻  たそがれきんのすけ

---考えろ---


私は、自分の予想以上にこの会社に踏み込みすぎていたのは解っていた。


小さい会社は資金にも余裕がないから、目先の金にしがみつかないと駄目な場合が多々ある。


お金があれば、無理な仕事など請ける必要はない。


二ヶ月や半年くらいは仕事がなくても、冷静に考えていけるのだ。


しかし、このような小さな請負仕事をやっている連中(私のことだ)に資金の余裕などあるはずが無い。


私のようなエンジニアが生きていくには、客との信頼関係の構築に尽きる。


大手なら客と距離を置いて仕事を進められる。これが一番無難だ。


しかし、私のようにフリーでやっている場合。相手の懐に飛び込んで小回りを聞かせて、商売をするか、新しいアイデアを持って、その胴元になるかパッケージ製品を製作して販売する(これとて胴元)しかない。


まして、脱サラしたての私には、飼い犬が家出をして森に住みにいくようなものである。


サラリーマンとしての厳しさと、フリーとしての厳しさは全く違う。


サラリーマンは法人という会社組織の中にいる。


客はサラリーマンの個性を見ているようで、責任自体はその法人を見ている。


良く売っている営業マンや優秀なエンジニア(そうでないのもいるが・・・)には、そこを忘れて(錯覚して)自分が法人を動かしていると思い込む。


法人に囲われた人間は、経営全体ではなく、その一部しか経験していない。


その一部だけが出来ただけで、天下をとったように自信を持ち始める。


サラリーマンのコンプレックスは、自分は雇われで、いつか独立して、思うように生きて生きたい。 


という部分である。


サラリーマンならだれでも思っているだろう。


そして脱サラを試みる。


野生の神経は全く養われていないので、甘い考えで、退職金などすぐに無くなる。


独立した人間に必要なのは、相手と対峙したときに思いめぐらせる野生の神経だ。


野生の森に入った途端、今までと違った人種が静かに歩み寄る。


傍から見ると、仕事が大変に見えるが、仕事自体はなにも辛くは無い。


もともと、自信を持っているからだ。


孤独、焦りに負けたものから潰れていく。


孤独・焦り・・・・  これが独立者には一番の試練となる。


野生の森で静かに歩み寄る人物。何らかの利を求めて歩み寄る。


商売をするに当たって、自分が自信をもって対処できる守備範囲

というものがある。


それを解らずに相手に弱みを握られたらお終いだ。


その場合、命がけで逃げるしかない。


命がけ?大げさな・・・・・・


そんなことは無い。自分以外助けてくれるものはいない。


助けてくれる者に頼ると大変なことになる。


助けてもらえるのは親くらいのものだろう。


親に頼る程度なら、最初から独立などしないほうがいい。


近頃、社長は会社にいる時間が多くなってきた。


いままでは、外に出てばかりだったが、今日も応接に閉じこもっている。


そして、相手を事務所に呼ぶようになってきた。


イギリスのブックメーカーに修行に行かせている男からの連絡が途絶えた。


「あいつ、逃げよったデ・・・」


「また代わりを捜さんとあかんやないか」


「もうイギリスにはやれんなぁ」


「佐藤さんよ・・・」


私が呼ばれた。


(なんだろう・・・)


私は不振に思いつつも明るく振舞って応接に入った。


中に社長と専務がいた。


「こんど家に遊びにおいで、あんたは「仲間」やから俺の家族も紹介しとくわ」


(なんだ・・・結婚していたのか・・・、何のために・・参ったな・・)


「ええ、寄らしてもらいます。」



「2000 X年、人類は恐怖の炎に包まれた・・・」


突如、機械から言葉が発せられた。


しばらくして


「ほう・・でかくなったな小僧・・」


サウザーが現れた。


しかしケンシロウが繰出した奥義「北斗有情猛翔破」によって、倒された。


青い7が揃い、白いオーラが出た。


1回目


ラオウの攻撃をケンシロウがかわした。


(社内にいる時間が多いと言うことは、やはり金に詰まってきたか・・・最近、私や事務員を食事に連れて行くこともなくなったしな・・)


2回目


ケンシロウが攻撃をしたが、ラオウはブロックした。


(それにしても参ったな、家族になんか会いたくないけど、今は神経がピリピリしてきているから、へたな態度はみせられないぞ、行くしかないか・・。)


3回目


ケンシロウは倒された。