塩納豆のススメ | 伊藤修二 「黄昏シンドバッド」

伊藤修二 「黄昏シンドバッド」

 ・・・仙台市在住。東北大学経済学部卒業 放送作家(日本脚本家連盟会員)  詩集「ひとり荒野」 小説集「明日。」 「セクシードラゴンの夏」などを出版。アマゾンの「伊藤修二」から購入できます。寄せられたコメントは公開していません。フォロワーも求めていません。


納豆ほど、おいしい食品はない。しかも、安価で身体にもいい。人それぞれに食べ方もあるだろうが、納豆についてくる納豆のタレだけは使わないほうがいい。良心的な納豆屋さんは、そうではないかもしれないがタンパク質加水分解物や果糖ぶどう糖液糖などほとんどが添加物だらけのタレである。せっかく身体にいい納豆を身体に害のあるタレで食べるのは納豆に失礼である。

 

どうでもいいことだが、

わたしは、納豆のタレは焼き塩単独や、すりおろしショウガやネギと醤油を合わせて作っている。

特に焼き塩かあるいは塩と組み合わせた納豆はほかほかのご飯に乗せて食べれば本来の納豆の味を楽しむことがきる。

 

生タマゴは食べない主義なので、温泉タマゴを作って納豆に入れて食べることもある。

しかし、今は無理。

全国的なニワトリの大量殺処分のおかげで、鶏卵が不足し、鶏卵業者は、しかたなく本来引退させるべきニワトリにもタマゴを産まさせ続けている。

料理好きな人は、ここ一か月、タマゴが大きくなり殻が薄くなったのを実感しているだろう。いわゆるおばあちゃんニワトリが産んだタマゴだから、味も落ちる。

 

例によって、脱線する。

25年ほど前に、花兄園という会社のビデオを作製したことがある。

添加物だらけ、農薬だらけの飼料が中心だった日本の鶏卵業界に逆らい、アメリカのカーギル社から無添加の飼料を船ごと買い付けていた会社だ。しかも横浜港でなく、港湾作業の管理費が安い鹿島港に荷を下ろすことで経費を抑え、

その分、鶏卵農家への売値を下げていた。

この花兄園のおかげで、経営難に陥った多くの鶏卵農家が救われた。

今は、代替わりしただろうが、良質な経営は続いていると思う。

タマゴの味は、与えている飼料で変わる。

花兄園傘下の鶏卵農家のタマゴを食べれば即、わかる。

 

 

タマゴから納豆に戻る。

仙台市には、宮城野納豆と言うすばらしい納豆屋さんがある。

ここも取材して15分ほどの番組を作ったことがある。

当時の納豆工場は大正ロマンの香りがする瀟洒な佇まいで、

納豆販売よりも、納豆菌の全国販売が中心だった。

今はわからないが、当時は全国の納豆屋さんの4割が宮城野納豆の納豆菌を使っていたと聞いた。

 

今も、宮城野納豆では納豆だけでなく、納豆菌も市販している。

ネットでも販売しているから、手作り納豆に興味がある人はどうぞ。

ただ、ガス代、電気代高騰の折、コトコト時間をかけて煮豆を作るには勇気が要るだろう。

しかし、子どもと一緒に作った手作り納豆の味わいは、子どもにとって一生忘れられない味になるだろう。

 

ちなみに、

宮城野納豆で販売している納豆にはタレがない。

さすがは、老舗の納豆屋さんである。

納豆本来の味を味わうには、添加物だらけのタレは邪道なのである。

 

また、つまらないことを書いた。

 

きょうの昼は、納豆パスタにした。

柔らかめのパスタに、手作りの昆布とカツオのダシに刻んだ納豆を和え、その上に焼き海苔をちぎって乗せただけの簡単な昼飯。

海苔は、石巻の内海求商店の海苔。

これがまた、旨い。