こんにちは。

「木曽殿最期」は今回で完成です。

前回は木曽殿をお見せしたので、他の2騎をお見せします。


まずは今井四郎兼平。

紺地錦の直垂に赤糸威の鎧きて、鍬形うつたる甲の緒をしめ、黄金つくりの太刀をはき、鹿毛の馬にぞのつたりける。

朝からの戦で、馬もさすがに疲れているのでしょう、頭が重そうです。しかし、最後の力を振り絞って今井四郎の期待に応えようとしています。


そして、巴。

平家物語(八坂本)より、「練貫に、梅のたち枝縫ひたる直垂に、萌黄匂の鎧をき、鍬形の甲の緒をしめ、足白の太刀をはき、十八さいたる染羽の矢負ひ、二所籐の弓持て、月毛なる馬の、太く、逞しきに、金覆輪の鞍おいて乗つたりける」



そして、3騎を並べます。

ここまで討たれずに従ってきた巴(上図・手前)に対して、義仲(上図・右)が「いづちへもゆけ(どこへでも逃れて行け)」と命じる場面です。

「最期まで女を連れていたと言われてしまう」というのがその理由ですが、その実、巴をここで死なせるのが忍びず、なんとかして生き延びさせようとしたのでしょう。


しかし、巴はどこまでも義仲と共にいたいと、そばを離れたがりません。

弓に矢をつがえて、義仲の背後を警戒していた今井四郎兼平(上図・左)は、義仲と巴のやりとりを心配そうに見守っています。

巴は今井四郎の妹とも言われています。義仲と添い遂げたいという妹の想いをかなえさせたいと思う一方で、妹に生きながらえて欲しいという気持ちもあります。


やがて巴は義仲の命令に従い、一人落ちのびていきます。


残るは主従二騎のみ。


この後、木曽殿と今井四郎は最期を遂げます。


「木曽殿最期」はここまでです。

やっぱり鎧武者いいですね〜