今回は204ページ中の95ページの途中から96ページの途中までです。
これで第四節は終わりです。

 

――ここから――

 

次は、バテシバについて調べてみよう。バテシバには、ウリヤという夫がいた。ダビデ王は、家来であるウリヤ、即ち、バテシバの夫を戦場の最前線に送って死なせ、バテシバをウリヤから奪った。こうして、バテシバはダビデ王の妻となり、ソロモンの母親となった。つまり、バテシバは、自分の夫を殺した者と結婚したのである。これは、この世では許されない非行であると言える。

しかし、何故それが許され、バテシバが、栄光の王であるソロモンの母親となり、イエスの先祖となったのか。その理由はこうである。エバには、夫となるアダムがいた。サタンは、それを知りながら、エバを奪ったのである。原理としては、そのエバを奪い返さなければならない。つまり、ダビデ王はアダムを象徴し、バテシバはエバを象徴し、ウリヤは天使長ルーシェル(サタン)を象徴していた。それゆえ、イエスが神様と共に成すべき使命は、ダビデ王がウリヤの妻バテシバを奪ったように、サタンの妻のような女性をエバとして、サタンから取り戻すことであった。このような神様み旨が示されていたのである。また、ダビデ王は、み旨の通りにウリヤを死なせ、サタンがウリヤのような立場に置かれることを示したため、神様は、ダビデ王を愛し、その息子ソロモンを栄光の王とされた。このようにして、み旨を成就させることによって、イエスに栄光を享受させようという目的があったために、バテシバのような女性が、イエスの先祖となったのである。

イエスは、未婚の処女であるマリアから生まれたが、これは、未婚の処女であるエバが、サタンに奪われ、堕落させられたため、神様も、マリアがヨセフと結婚する前に、マリアをヨセフから奪って、第二アダムであるイエスが誕生するようにされたのである。

このようにして、神様は、霊的にマリアを奪ったが、イエスは、肉的にマリアをエバとして復帰しなければならなかった。しかし、マリアは、それに従うことができなかったため、み旨は成就されず、イエスの前に苦難の路程、即ち、三年の公生涯の路程が展開されることになったのである。そのため、マリアは、イエスにとって、怨讐的な存在となった。それゆえ、イエスは、母親に、「婦人よ、あなたは、わたしと、なんの係わりがありますか」(ヨハネによる福音書2章4節)と言われたのである。神様とイエスは、人間的には理解できない原理を立てようとされていたが、サタンが一番恐れていた、この根本的な歴史の基盤を立てることができなかったのである。これは、サタンが、いつでもイエスと対立できることを、再び認識せざるを得ない事実であった。このような、想像もできない路程があったのである。こうして、イエスには、貴い命に代えてでも完成させなければならない課題が残されてしまった。

人間的に考えることで、神様のみ旨を成就させることができなかったヨセフとマリアは、イエスとは関係の無い生活を送った。このとき、イエスの弟子となるべきであった洗礼ヨハネと、その一派も、イエスには、何の助けにもならなかった。こうして、イエスは、荒野生活を始めたのである。

 

――ここまで――

 

2019.6.9 更新:原理原本の直筆版と比較して修正し、更に、分かりやすい表現に変更しました。

 

2020.11.26 更新:さらに分かりやすく変更しました。