こんにちは、tasanです。

 

今回はGDP統計もとい国民経済計算についてです。

内閣府のホームページにある統計ですね。

 

自分で開く人はここを見るまでもなく、いくらでも確かめ算をしてください。

 

経済と言えばGDPです。ではGDPが何か?と言われると横文字の時点で説明が面倒になりますよね。

 

というわけで、今回は図示になります。

 

 

以上です。というのも味気ないので、説明していきます。

 

1.最上段は所得なんですね。つまり、以下の構成要素はすべて所得の意味を持っているということです。

2.構成要素=内訳=足し算というわけで、上位要素はすべてただの合計値であり、実態はありません。

3.例 会社の売上も合計値です。A事業部とB事業部があったら、ABの合計値です。だから、売上を伸ばしたいなら、Aの売上とBの売上を伸ばせとなります。「合計の売上が上がった」から「B事業部の売上が上がった」という話にはなりません。しかし、「GDPが増えたから、政府支出が増えたんだ」という人が結構います。

 

4.そんな所得をGNIと言います。昔はGNPとか。

5.所得を国内と国外に分けます。国内がGDPです。

6.今度は国内だけに注目して、GDPを需要と呼びます。

7.需要を国内と国外に分けます。国内需要を内需、国外需要を外需と略します。

8.内需を民間と政府に分けます。民間需要と公的需要です。

 

9.次に需要を支出に変換します。誰かの支出は誰かの所得だからです。コンビニでアイスを買ったら、コンビニの所得ですね。簿記の話そのものでもありますし、需要そのものでもあります。これだけの支出があった=これだけの需要があった、という過去形で作られているのがGDP統計です。

 

10.需要=支出

11.支出=消費+投資

12.30万円以下なら消費、それ以上なら投資(固定資産扱い)だろう、という簿記の基本的な分類です。

13.民間需要=民間消費+民間投資

14.公的需要=公的消費+公的投資

 

15.GDP=消費+投資+政府支出(+純輸出)

16.有名な15.式の形の消費と投資は、民間消費と民間投資です。政府支出はもちろん公的支出です。

17.民間と政府の分け方を民間部門と公的部門に分ける言い方から来ているようです。

18.それにしては、政府支出という言い方の方が有名です。

 

余談

19.公的投資=公的資本形成

20.民間投資+公的投資=一般固定資本形成

21.資本形成=固定資産になりそうだから、そのように呼称しているようですね。

22.投資はさらに在庫などに分解できますが、今回はここまで。

 

GDP統計は自分で確かめ算をしろと、結構不親切なので、構成図でありました。ちなみに、

 

 

以前、国際収支統計の記事で触れましたが、金融収支はこの部分になります。所得の内需以外ですね。

 

>> 応用

 

では、わかりやすく一覧にしたということで、最近の話との応用になります。

 

さて、格差を示すジニ係数の話で、ただ所得を並べただけの図を用意しました。

 

 

1.税金100%で再分配したとき、みな平均所得になるので、所得の面積は、長方形になる、という図ですね。

2.所得を再分配しただけなので、最初の大きな三角形と長方形に面積は同じです。

3.当たり前ですが、これを実現するためには、大きな三角形の上の方、平均所得以上の高所得者から、平均所得以下の低所得者に、所得を移動しています。

 

100%再分配しなくてもいいですけど、ようは所得の再分配ってこういうことですよね、という概念図です。これを並べる、ではなく、累積したのがジニ係数ですが、それよりも、こちらの方が、直感的でわかりやすいかなと。

 

それで、これで何が言いたいかというと、2.です。大きな三角形の総所得と、再分配したあとの長方形の総所得は、面積が同じなんですね。

 

つまり、税金が0%だろうが100%だろうが、総所得の面積は変わらない、という話です。

 

そして、総所得とはGNIでした。税金があってもなくても、GNIは変わらない、ということです。

 

もちろん、外需や純輸出の影響の話は除外して、という話になるので、国内需要に限ります。

 

とはいえ、もともと国内需要≒GNIやGDPの99%みたいなもの。税金があってもなくても、普通にGNIやGDPは変わらない、と言ってしまって、差し支えないでしょう。

 

つまるところ、税金があってもなくても、GDPは変わらないのです。

 

99%GNI=民間需要+政府支出

99%GNI=民間需要+国債+税金

99%GNI=民間需要+国債

 

600=500+30+70

600=570+30+0
 

1.原理的にはこうなる、って話ですね。税金は関係ないのです。

2.総所得GNI=600は不変、変わらない、ということで、税金の金額はどこにいったか?

3.国債の発行量は任意なので、消去法で民需が増えます。

 

民需が増える=税金に取られる分がなくなったので、買い物に使えるわけですね。これが総所得が不変の状況です。

 

ただ、税金がなくなると、国家予算が大幅に減少してしまうので、実際には国債で補填することになるかとは思います。

 

改めて

99%GNI=民間需要+国債

 

つまるところ、総所得GNIは、民間の買い物と国債で決まるとわかります。

 

4.さらに言ってしまえば、民需は政府支出(国債)なしには増えません。

 

 

・ここ30年、政府支出はずっと底辺でキープしていました。

・民間需要だけ上に行くことはありませんでした。

・まだ民需に期待しますか?逆に、民需が増えないと国策やらないんですか???

 

そもそも任意増加できるのは国債で、政府支出~民需の連動も見えているのだから、国債発行しましょうよと。教科書通りですよと。

 

さらに、税金がない状態で、国債がなければ、国家予算=0

 

国家予算=税金+国債

国家予算=国債

国家予算=0

99%GNI=民間需要+政府支出

99%GNI=民間需要

 

5.これは政府の財政出動が全くない状態です。誰かの支出は誰かの所得、といった簿記状態そのものを表します。

 

ただし「国家予算ゼロ=国家の放棄」ですね。加えて、世界最安国、途上国、無法地帯の完成です。公務員を雇ったり、インフラ整備も国防も何もしません。

 

要するに、国債ゼロは考えるのもアホな状況です。減らすのも論外です。でも、減らす主張をする人たち、いつまでにゼロにするとか、目標を立てるのも、見たことありませんね ←何も考えていないのでしょう。

 

6.また、国家予算ゼロで、民間人が買い物して生活しているとて、そのとき、お金は誰が作るのでしょう?

 

・国内で回すお金自体がありませんね。

・それで、民間で作ったら偽造です。

 

・民間が通貨を作る話になって、その通貨発行団体は無限の大金持ちですか?って話になります。

・結局、国家が作りましょうよ、という話になるでしょう。

 

というわけで、国債NOというのはまず一番有り得ないアホな話なわけで、どこの国も国家予算の拡大=国債=政府負債の拡大というわけです。

 

というわけで、

 

・税金があってもなくても、総所得は変わらないし、

・税金がなくても、国家予算=国債が残る

 

という話でした。