こんにちは、tasanです。2024年も7月に、いえ、8月になりそうです。東京都知事選で小池百合子氏が勝ち、メディアの報道しない自由、選挙後の突っ込まない事由が炎上していましたね。アンチ民主主義、ここに極まれりと。

 

さて、それはさておき、本題です。長文のリハビリがてら。

 

今回は私のツイッターにコミュニティーノートがついたので調べたもの、たまに皆さん聞くもの、ということで、国際収支についてです。

 

 

さて、先にツイッターを見ていただいてもいいです。このあとすぐに投稿した国際収支についてが以下の通りです。

 

 

今回はここの証明というか、省略したグラフについてみていきたいと思います。

 

本当かいな、って思う人は、同様に先行してグラフ作成で確認すればいいわけですが、コミュニティノートを書いた人はググってチラ見した程度で書いたようです。間違い指摘した、しかも自己主張まで載せてるノートが修正もされないわけですが、どうすればいいのやら。

 

と本題です。

 

まず国際収支統計です。どんなもんか?見てみると

 

 

赤=緑です。ちょっと、誤差さんの位置よ、と思うわけですが、こうです。確かめたい人は確かめ算どうぞ。

 

これじゃ見にくいと思うので、個人的に整理したのが以下の通りです。

 

 

で、国際収支統計と言う割に、国際収支という項目はありません。全体を示すのは金融収支ですね。

 

金融収支とはなんぞや。具体的によくわかりませんね。そういうグループと思いましょう。で、直接の内訳が緑なわけですね。

 

さらに金融収支の内訳その2とも考えられるのが、赤の経常収支+資本移転収支ですが、

 

資本移転収支は極めて小さいので、ほっといていいです。見てみましょうか。

 

 

というわけで、二次収支と資本移転収支はほぼゼロです。考えたい人も後回しで。そして、このグラフを見てわかる通り、

 

・貿易・サービス収支

・第一次所得収支

 

が、大きい変動を持っています。この2つが、結論から言えば、GDP統計の

 

・純輸出

・海外からの純受取

 

とほぼ一致します。ほぼということで、定義や統計自体が違うので、完全には一致しません。では、まず一致を見てみましょう。

 

 

点々を空欄にしましたが、かなりの部分がほぼ重なるように一致してしまい、青色があまり見えません。

 

 

はい、こちらも同様でした。ほぼ一致とおわかりいただけたでしょうか。

 

では、輸出と海外からの純受取って何?ってなりますね。今度はGDPの構造を見て見ましょう。

 

上記は内閣府の国民経済計算の名目値です(物価割りしてない普通のやつ)。で、海外からの純受取、純輸出の位置はわかりましたでしょうか。逆に言ってしまえば「GNI国民総所得のうち、国内需要でないもの全て。それが国際収支統計だ」ということになります。その大きさはGNIやGDPの5%ほどです。甘く見てあげてこれ。

 

説明しますと、二次収支と、資本移転収支が数字としては役に立たなかったので、残っているのが、貿易・サービス収支と一次収支でした。それがGDP統計の国外部分とほぼ一致してるんですね。あと残ってるのは誤差くらい。

 

で、5%ほどで甘く見て、というのがこれ。全体であるGNI国民総所得で、国外需要を割り算してあげると、5%に迫ってきたのって、ごく最近なんですね。特にコロナがあってからでは。というか劇的な円安の発露から。もっとロングでグラフを見たい気がしますが、まぁ今回は手抜きで。

 

 

というわけで、GDP統計との一致の確認でした。

 

そしてそこから。では、最初の金融収支の方の、内訳その1を見ていきたいと思います。見てませんでしたからね。

 

 

はい。わかりますでしょうか。わかりませんよね。特に邪魔なのが黄色とオレンジです。証券投資とその他投資ですね。金額は大きいんですが、ノイズのようにしか見えませんね。というわけでほっときましょう。削除。すると

 

 

だいぶわかりやすくなりました。つまり、直接投資という項目が安定して大きい。外貨準備高が一瞬なぜか高くて、あと低空飛行?のように見えます。個別に見てみましょう。

 

その前にピークの例外2003年を削って全体の縮尺を拡大しました。だんだん見えてきましたね。金融派生商品はもともとほぼゼロだったとか。

 

 

さて、金融派生商品だけを拡大してみたのが以下の通りです。

 

 

いやはや、顕著ですね。2012年なので、自民党安倍政権に切り替わってからです。3年で落ちるもピクピク復活してきます。完全に投機ギャンブル路線ですね。それで10年経っても国民の所得倍増150万円アップも達成できなかったと。なるほど。

 

続いて外貨準備高です。最初のピークが残っている状態。

 

 

低空飛行に移行しているような気がしますので、3年平均を取ってみましょう。

 

 

うん、ピークを抜いた話にしても、どんどん水準が下がっていますね、これ。

 

さて、次にやることとしては、純輸出と純受取を加えて、国際収支統計の中で、関係性を見てみましょう。

 

というのも、GDP統計の外国部分と、内訳その2、さらに言えば経常収支のa+bがほぼ一致してるので、では内訳その1は、どこが該当するでしょうか?

 

おそらく、順当に考えれば、継続してプラスを積み重ねていた「直接投資」と「海外からの純受取」が強く関係しているでしょう。だってそれしか手堅いプラスの継続ってなかったですしね。

 

で、とりあえず相関一覧表。久しぶりなので使い方忘れてましたが、色をつけることを覚えました。とりあえず直線近似の数字を出しただけの状態です。

 

で、まずは実数値で相関です。

 

 

1と5,2と7は、ほぼ一致をグラフで見た通りで、100%になってますね。小数点を分けると、ちゃんと99.~~%となります。

 

で、9と2。やはり、直接投資と海外からの純受取は非常に高い相関となりました。91%です。純受取と一次収支はほぼ同じものだったので、9と7も同じく91%ですね。

 

9と1、直接投資と純輸出はむしろというか、当然というか、マイナス64%と、強い一歩手前の逆相関でした。反比例。純輸出が悪いなら、9と5、当然貿易サービス収支も悪いでしょう-65% 9と6、サービスを除いた物品だけの貿易収支を見ると、-75%とさらに強い反比例へと踏み込みました。

 

とりあえずの理解として、直接投資と純輸出、さらには貿易収支(物品のみ)は反比例の傾向ですね。

 

さて、金融派生商品は、と思ったんですが、これは動きが不自然過ぎるので、当時何があったのかとか、具体的に探った方がいいでしょうね。今回はグラフの話なんで終わり。

 

外貨準備高は、どれもこれも相関があるとは言えないような数字です。今回のデータからだけでは何ともですね。

 

さて、最後に今度は実数の3年平均を取った上で、前年比です。一番いいのは個別にグラフを見ることですが。まぁざっくり。

 

7と2はここでも99%残ってますね。一次収支と海外からの純受取。9と2、直接投資と海外からの純受取も64%残っています。

 

 

あまりミクロに細分化した上で相関取ってもアレですが、さすが60%だと近い動きをするなぁと思いますね。

 

もとはこれ

 

 

というわけで、国際収支統計でした。GDP統計との関連はいかがだったでしょうか。国民総所得の5%くらいしかないんですね。もちろん金額面の話です。物資的に重要でない、と言う話は一言もしていないのですが、どうも理解できない人がたくさんいるようです。

 

今まで用語は聞いていたけど、よくわからなかった、理解が進んだ、と思っていただけたなら幸いです。私もあれこれ単語見るくらいで、その辺の情報では何を言っているのかすぐわからなかったので、自分で調べてわかりました。終わり。

 

直接投資とか外貨準備高とか、具体的に話が増えるといいですね。あいまいな話が多いので。

 

余談

 

ツイッターの話は、ノート作成者が、円グラフが100%ではない、と勘違いしている所からスタートしているわけですが、GNIで比率を見たように、純輸出も-4%から0%の間くらいなんですよね。トータルのGNIやGDPに対して。よって、ほとんどGNIやGDPのグラフができます。見た目的にほとんど何も変わりません。

 

しかし、円グラフのインパクトの方が強いし、このくらいしかない、と視覚的にわかるので、マイナスでも私は円グラフを使うかなぁと思います。注釈で絶対値では100%にはなっていませんが、だいたいこんな感じと。

 

絶対値マイナスが含まれていても、円になる=100%の大きさに勝手に割合収縮してくれるとか、返って見やすいのでは?なぜなら、2項目のグラフだからです。これで項目が複数だったら私もやりませんけどね。

 

余談2

 

それと、貿易収支という用語は、貿易統計でも出てくるようです。これは数字的には国際収支統計に近いので、物品だけみたいですね。貿易統計は長期間のデータがすぐ見つからなかったので残念。

 

とはいえ、GDPやGNIのたった5%しかないって話で、しかもGNIやGDPが増えたら、割り算効果で、さらに低下するわけです。所得倍増は金額的な話ですから、しかも外国が絡む、外需で輸出でたくさん売りつけろ、なんて話は無理強いできないでしょう。よって、内需95%を拡大しましょうね、って話ですね。

 

余談3

 

内需外需の話について。いま思ったんですが「純輸出」と「海外からの純受取・純受取」の正確な言い表し方について。

 

総需要GDPに限ったときは、国内需要の反対は国外需要=純輸出 になります。

総所得GNIに限ったときは、国内需要の反対は国外需要=純輸出+海外からの所得・純受取 になります。

総所得GNIは所得でもあるので、国内需要とは国内所得になり、国外需要とは国外所得になりますね。

 

GNIで外2つをひっくるめたいときは国外所得と呼べばすっきりしそうです。

つまり、純輸出も国外所得のうちの1つ。

 

海外からの純受取の定義を見ると、

・受取は海外在住の日本人の給料などの活動

・支払いは日本在住の外国人の給料などの活動

 

純輸出は、まぁそりゃ海外からの稼ぎですから国外所得ですね。

 

GDPで外需と言えば1つしかないので純輸出ですね。