<政府支出とGDP(内訳)の分析>

 

前回、GDPの内項目同士で、相関一覧表を作成してみました。

もっと優しく言えば、どの項目同士が連動しているか、って話しです。

 

さらに、景気を政府予算でコントロールできるように、

政府支出に連動性あるものを一覧にして見ました。

 

今回はその分析をしていきます。

まず政府支出と各種項目の相関係数の一覧です。

 

 

これを見やすく70%以上のみにすると

 

 

ついでに公的需要という言葉を政府支出にしたりと、短くわかりやすい名称にしました。

これでも何がなんだかと思うので、GDPの内項目を順番に並べたやつだとこちら

 

 

これでも項目多いとは思いますのでひとつひとつ具体的に見ていきます。

 

 

では一番上から。

 

政府支出 × 政府支出 R100%

これは、同じものだから、相関係数もとい連動性は100%で当然です。

 

政府支出 × 政府消費 R93%

 

政府支出=政府消費+政府投資

A=B+C

133,163=106,206+26,957

133=106+26 (兆円)2016年

100%=80%+20%

 

政府消費は政府支出の8割を占めるようなので93%でも不思議ではないですね。

 

またちょっと見やすく短くしておきました。

 

政府支出 × 政府投資(在庫のぞく) R90%

 

先ほど政府投資は20%と書きました。そこからさらに在庫の買い物を除いた分。

とはいえ在庫の買い物は少なく

 

政府投資(在庫のぞく)26,989

政府在庫-31

 

ちょっと数字はずれているかもしれませんが、まぁ桁が違うってことです。

 

政府支出 × 民間消費 R90%

 

はい。政府支出と民間の連動来ました。しかも民間消費はGDPの6割を占める最大項目です。

R90%が、3連続で民間消費ですが、金額はほぼ同じです。似ていて当然。

 

2016年

民間消費    300,494
民間消費>家計(海外ふくむ)    292,480
民間消費>家計>国内    293,844

 

 

ところで

政府支出 133,163 に対して 民間消費 300,494 です。約2.2倍あります。

 

これが前年比の割合で90%連動しているので、

政府支出が133兆円の5%、6.65兆円増えたら

民間消費は300兆円の5%、15兆円増える

 

という乗数効果が働くのではないでしょうか。

乗数効果:買い物の連鎖で、出した以上のお金が発生すること

 

せっかく面白そうなのでグラフを作成してみると

 

 

傾きが0.75で、ヨコ軸Xが政府支出。

政府支出が前年比10%なら、

10% × 0.75 = 7.5%

民間消費Yの予想は7.5%ですね。

(切片はほぼ小さいから無視。大体だし)

 

というふうに、本年度の予算の時点で、今年の景気が予想できます。

 

 

また、表の一番下の行には民間支出があります。

 

政府支出 × 民間支出 R73%

 

民間支出=民間消費+民間投資です。

 

民間投資は単独では70%以上に出て来ないので、政府支出と連動性は高くないようです。しかし、合わせて民間支出ならば73%もあるので、これで政府支出の結果、民間支出がどのくらい増えるのか?がわかりますね。

 

グラフを作ると

 

 

連動性73%なのでちょっと精度は落ちますが、こちらも0.72掛け程度ですね。

ただし民間支出の規模は400,789    政府支出は133,163です。

 

政府支出が前年比10%なら、民間支出は10%×0.72=7.2%

政府支出の前年比10%は13.3兆円。 133 × 10% = 13.3

民間支出の前年比7.2%は28.8兆円。 400 × 7.2% = 28.8

28.8 ÷ 13.3 = 2.16

 

政府支出で出したお金の2.16倍、民間は消費が増えるんですねー。予測。

これが乗数効果ってやつですね。

 

さらに、GDP=民間支出+政府支出 なので、

GDPでみると、前年から増える金額は42.1兆円になります。

政府はたった13.3兆円出しただけで、GDPは42.1兆円増えるわけです。

 

GDP=民間支出+政府支出

GDP+42.1民間支出+28.8政府支出+13.3

 

もし、民間支出がまったく増えなくても

GDP+13.3民間支出+0政府支出+13.3

 

足し算の形なので、政府支出の13.3兆円増えた分については

GDPも必ず13.3兆円増えています。

 

というわけでこれは統計云々を抜きにしても、足し算の話しの時点で、

「政府支出が増えればGDPが増える」

「政府支出が減ればGDPが減る」

というのは、至極当たり前のことです。

 

一応グラフを見てみても

 

政府支出 × GDP R85%

 

 

85%の高い相関係数で、しっかりと連動も確認できます。

というわけで

 

「景気が悪いから、政府も節約しなければいけない」と考えて政府が支出をケチること

 

は間違っています。余計に景気が悪くなります。

景気の悪いご時勢は、むしろ政府が支出しないといけません。

これが中高生の教科書にも書いてあるはずの「財政出動」って話しですね!

 

それに、GDPの内訳が民間80%政府20%ですから、(民間支出400兆円、政府支出100兆円)

「政府が出さなければ、誰が多めに支出するの?」という話しです。

民間の人は誰しもお小遣いとか給料を減らされたら、散財しないですよね。

 

しかし

 

「政府だってこれ以上お金出せないよ!政府支出が重要だってわかっているから、現状だって、税収の不足分を、国債を販売して、お金を集めてまで、払いに回しているんだよ!」「だから、国債残高が増えて、財政が悪化してるんだよ!(国債は満期が来たら預ったお金を返済しないといけないから、政府にとっては負債なんです!)」

 

という次のお話しに進むわけですね。次回そこを解説していきます。

 

まず今回のまとめとしては「政府の予算次第で景気はコントロールできる」と判明したことですね。

 

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----編集後記----

 

なかなかマメに書いていると話が進まないものですねー。ちなみに3/22に栗原青年会議所で経済について説明する機会がありました。お呼ばれではなくてメンバーなもので、そういう役をなりましたので。はい。

 

ナショナルエコノミーのゲーム体験をしてのち、そこからゲームと現実の違い。GDP、政府支出の話し。国の借金と呼ばれる国債の話し。それをせき止める基礎的財政収支プライマリーバランスの話し。そこから地方財政と地元自治体の話し。じゃあ個人としては何ができるのってざっくりまとめ。

 

他にも歴史を振り返ったり藩札の話しに及んだりいろいろ。説明時間20分!経済なんて知らない、というメンバー相手ですがどうなるでしょうか。さてはて。なるようにしかなりません笑

 

>20分で話せることは話せましたが、30分はほしいですね。理解のためにゆっくりと話す必要あり反省。ゲームが長めな時間を説明に当てられれば@@