<相関分析>

 

前回7回では、GDPの内項目について説明しました。そしてすべて足し算ですよ、という話しもちょっとだけしました。「足し算ですよ」ってだけで色々わかるものですね、と。

 

しかし今回は、GDPの内項目について連動性を調べたいと思います。

なぜかというと近年のGDPの内項目の大きさは以下の通りで

 

2016年度

GDP=国内支出+純輸出
GDP=民間支出+政府支出+純輸出
GDP=400,789+133,163+5,303

 

GDP=100% としたときには

民間支出=74%

政府支出=25%

純輸出=1%

 

金額の大きさからだけでいったら、民間支出が一番重要になってくるからです。しかし、民間支出はあまりコントロールできませんので(増税や減税、規制強化や規制緩和といった方法はあるけど問題噴出)、一番は政府予算でコントロールできる政府支出が重要になってくるはずです。

 

なお、純輸出は毎年プラスマイナス1%以内です。純輸出の輸出と輸入はいつも連動しているので、輸出だけが大きくなる、なんてことはないからです。

 

相関係数は72%です。7割あって充分に強い連動性がありますね。

 

と、横道に逸れましたが、グラフを作成して行きます。GDPのグラフのときにデータはゲットしました。そのときは面倒になるので、GDP以外のデータを削除しましたが、削除せず、全部いっぺんに前年比を作成します。

 

また、民間投資の項目だけがないかと思うので、民間需要-民間消費にて、民間投資の列を足しておきます。

 

その後、エクセルの「分析ツール」の中にある「相関」分析を行います。実行したのが以下。

 

 

%表示にすると見やすくなります。

 

 

これひとつひとつが相関係数Rです。タテとヨコの項目での相関係数Rを出してくれます。分析ツールのない表計算ソフトの人は、相関係数を計算してくれる関数を使いまして、いくらかでも楽に計算してください^^; ちなみにエクセルなら=correl(列1,列2)という関数になります。

 

あ、、、年数まで一覧に入れたために、空白行が一行できてます(上記画像の2行と2列目)。削除下さい。。

 

なお、表でも関数でも、どちらも直線近似での相関係数ですから、気になった列同士は実際にグラフを作り、見てみるといいかと思います。例えば

 

物価と失業率のグラフ

 

これは有名なフィリップス曲線と名前のついているグラフですが、赤い直線近似、、、あんまり当てはまってないですよね。この場合の相関係数は69%になってしまいます。これを曲線で近似すれば

 

 

このとおり。さっきは直線・・・1次関数でしたが、今度は曲線、6次関数に設定してみました。R2=0.8201となり、相関係数Rは91%です。見た目的にもばっちり青い点を追えていますね。ちゃんと予測に使えそうです。

 

さて、相関一覧表をもう少し改造して次のとおり。キレイに使いやすくしました。

 

 

加工内容は、

0.全体をコピーする。そのまま貼り付け(貼り付け時に行列変換+空白セルを無視)。

これで斜めのデータでしたが、すべて埋まります。

1.まず1列目に隙間空けて番号を振り、

2.次に1行目に隙間空けて、さっきの番号をコピー、貼り付け(貼り付け時に行列変換)

3.3行3列のセルの上で「ウィンドウ枠の固定」

セルの左上を中心に、上と左が固定。ずっと見えるようになる。

4.あとは3行目以下すべてを選択して「オートフィルタ」

▼のやつがつきます。何度でも並び替え可能。

 

というわけで、これで何度でも見たい組み合わせを並び替えて見ていけます。

 

これに給与や物価、失業率、人口のデータ、他にも気になる統計データを組み合わせれば、全ていっぺんに相関係数の参考表を作ることができます。ちなみに私は2003のエクセルだとヨコ256列でデータがパンクしました@@

 

まぁオリジナルの相関一覧表が作成できるという話しです。

 

ではさっそくひとつ見てみましょう。政府の話しをしていたので、政府支出と相関が高いものを項目順に並び替えしてみます。すると以下の通り。

 

 

見にくいので相関係数70%以上のみ写すと

 

公的需要    100%
2.政府最終消費支出    93%
b.公的    90%
a.国内家計最終消費支出    90%
1.民間最終消費支出    90%
(1)家計最終消費支出    90%
(c)一般政府    90%
5.国内総生産(支出側)(1+2+3+4)    85%
国民総所得    84%
(参考)国内需要    81%
(b)企業設備    80%
民間需要    73%
 

政府支出と連動するもの、たくさんありますね!

これだけ多くのものに影響を与えているわけです。

 

あとはこの中で気になったもので実際にグラフを作ったり、考えていきます。

長くなりましたのでこの分析の話しは次回にしたいと回したいと思います。

 

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----編集後記----


相関一覧表の話しだけかと思っていますが、どうしても寄り道してしまって、話しが長くなりがちです。読む側がいっぱいいっぱいにならないように、一度の情報量を落としていかないと、と考えながら、余った文章は次回に回して話しのストックにしています。

 

自然と時間をおいて文章を精査することになるので、精度が上がっていい感じです。ただ、しばらく離れていてランキング的に低いせいか、読む人が増えるかどうかは微妙(笑

 

将来的にでも参考にして学んだくれる人が1人でも2人でも自然と増えていくといいなと思います^^