前回はGDPの長期グラフを作るところまで行きました。

今回はやっと

 

「だから、GDPと私の生活に何が関係あるのよ?」

 

という部分になります。そのひとつとして、民間給与との関係を取り上げます。ニュースで大学で経済学!と話しは耳にすれど、多くの人が本当に知りたいのはこういうことではないでしょうか?

 

ではさっそく本題です。

 

まず今回は給与の長期グラフをゲットしていきます。

 

「給与 データ」で検索するとさっそくヒット。

 

これ以外にも給与の統計はいろいろありますが、結果からいえば、どれもこれも似たような結果になりますので問題ありません。今回はこれで進めていきます。さっそくクリックすると

 

 

はい、いろいろありますが、総括表のエクセルにいろいろ入っています。他の気になる人はちゃっちゃか開けてみるのもいいと思います。ではダウンロードして開くと

 

 

こんな感じ。色つけましたが、今回使う列です。A列とI列ですね。それ以外削除しましょう。するとこんな感じでキレイに。

 

 

しかし、データの間が飛んでいるので、削除してつなげてください。そうすればもう完成です。

 

 

さらに整理整頓をして、実額のグラフ、そして前年比の列も作成して、グラフにしたところです。データさえ手元にあって、慣れるとかなり早くなります。似たような形になりましたでしょうか?

 

さて、ここで終わりではありません。今回の目的はGDPと給与の関係を見てみることです。

 

CTRL+Nで新しいファイルを用意しましょう。

そこに、今回作成した給与と、前回作成したGDPのデータをコピーして貼り付けましょう。

コピーはCTRL+C

貼り付けはCTRL+V

 

貼り付けしたら、「数式のせいで、値がおかしくなった」という人は、右クリックからの「形式を選択して貼り付け」にて「」を貼り付けて数式を潰しましょう。ちなみに書式を写すためにわざとこうして間違う?手順を増やすこともあります。

 

 

さて、こうしてみると、まず年代がずれているし、GDPは年度で、表示が違いますね。直します。1955年度は、1955年4月1日~1956年3月31日なので、1956年3月31日としておきます。

 

 

そして、年数を合わせます。

 

 

 

つまり、3月に「GDPこんだけあったよ」

その結果、12月に「給与はこうなったね」

として見たいので、同年度で合わせます。

 

1年後の給与は?2年後の給与は?とあえてずらしてみる方法もありますが、

まずにシンプルに塩で、、じゃない、同年で。

 

まぁ正確には同時期を見たいなら、年度の給与データを探してくるか、GDPの暦年データを持ってくるかすればいいですね^^;

 

ということで整理整頓するとこうなります。なりましたか?

 

 

さてさっそくグラフ化してみましょう。するとこちら

 

 

いやはや、前年比とは変化量なので、ランダム性があれば普通はジグザグになるので、一致するわけがないわけですが、GDPと民間平均給与はまったく別々の統計ながら、もう見た目で連動してるなー、とわかりますね。

 

で、見た目でわかるのもいいですが、数字ではっきりこのくらい!って言えたらいいですよね。というわけで、この両者の関係を見たいと思います。

 

いま、年数で推移してますが、今度は年数を使わず、給与をタテ、GDPをヨコにしたグラフを作成してみます。グラフ的には散布図ってやつですね。中学校で習ったY=AX+Bの形です。Yを給与、XをGDPに見立てます。それが以下。

 

するとこんな感じ。なんかキレイに直線描けそうですね。GDPが増えるほど、給与が増える的な。逆もしかりですけど。GDPが少ないと、給与も減ってるという。

 

点を右クリックして「近似曲線の追加」みたいな項目で「線形近似」をやってみましょう。そのときのオプション設定で「数式を表示」だの「切片を表示」だの「R2を表示」だの盛り込んだのがこちら。

 

高校で「最小二乗法」やったの覚えていますでしょうか?それを自動計算して、機械的に直線を勝手に引いてくれます。ありがたいですね。

 

なんか細かい数字の羅列ができてますが、よく見ればこれがY=AX+Bの式です。

Y=0.7774X-0.0051 適当に四捨五入すれば

ほぼ Y=0.8X

 

民間平均給与 = 0.8 × 名目GDP

ってことですね(両者前年比、ただし暦年と年度)

 

ちなみに2016年3月の名目GDPは 0.285%

0285% × 0.8 = 0.228%

 

まぁ過去の統計からの推測(赤い線)ですから、

その赤い線の上必ずに青い点(実測値)が重なっているわけではありません。

実際に2016の民間平均給与は2.97%ですし。

 

そして、赤い予測線が参考になるため、GDPが低いのは困り者です。

(赤い線に沿うのが基本なのに、右に行ってくれない。

右に行かないと上に行かない=給与が上がらない。)

 

で、どのくらい参考になるのかを示すがR2の値になります。

 

 

R2が何かといえばただ「Rの2乗」という意味です。

エクセルの表示上のため・・・^^;

 

で、Rが何かといえば「相関係数」と言います。

 

Rを計算すると約0.8866になります。

0.8866^2=0.7860

グラフでは0.7862となっているのでだいたい合ってますね。

 

%で表示すると88.66%

約89%と言えます。

 

相関係数とは単純にいえば

「70%以上であれば強い相関(比例関係)がある」

というものです。

 

今回89%なので「GDPと給与には強い相関がある」

と言えるわけですね。

 

だから?ニュースではGDPについて報道するわけです。

内閣府のホームページでも発表しているわけですね。多分。

 

多分、ちゃんと、わかっているから、報道している、はず、、。

 

なお、今回はあくまで「両者に連動がある」ということを見てみただけです。どちらが原因とは言えません。まぁ、今回は時系列で言って、GDPが先、給与が後と明確ですが。一見。

 

というわけで次回は今回出てきた相関の説明をしたいと思います。

 

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----編集後記----

 

今回の手法にて、いろいろ試してみることができます。

 

「財政出動(政府支出)とGDPの関係」

「国債とGDPの関係」

「GDPと物価の関係」

「物価と給与の関係」

「物価と失業率の関係」 これフィリップス曲線

「GDPと人口の関係」

 

今回見たようにデータさえあればすぐです。

そして、こういう長期データがあることはありがたいことですね~。

 

ただし、次回でもうちょっと詳しい判定方法を説明したいと思います。