さて、今回タイトルに書いたように紹介するのはナショナルエコノミーというカードゲームです。ナショナルエコノミーとは国民経済ということで、経済を扱ったゲームになります。

 

 

こういうの待ってました!

 

発売されて1年ちょっとですが、ボドゲーマという、ボードゲームのサイトで、ランキング20位に位置しています。ゲーム的にも面白いと評価されているようです。

 

経済を謳い文句にしたゲームは数多くあれど、結局はもも鉄やモノポリーみたいな、ただのお金稼ぎゲームしか今まではありませんでした。経済じゃなくてそれ商売ゲームじゃん、と。

 

で、これはどんなゲームなのかと言いますと

 

・カードゲームで、労働者配置ゲーム。労働者を配置していくだけのゲームです。

・労働者は最初は2人だけ。つまり最初は2手行動できる。

・労働者を建物に置いて、効果を実行します。カード引いたり、お金稼いだり。

・手札をコストとして消費することもあります。つまり手札もあなたの財産ってことですね。

・手札は最初は3枚です。

 

ここまではよくありそうな感じです。ルール続きいきます。

 

・労働者には給料を払わないといけません。ターン終了時に支払います。

・全部で9ターン行います。

・お金が足りなければ自社の建物を売ってでもお金を作らないといけません。

・払うお金が足りない場合は未払い給料になります。ゲーム終了時に3倍ペナルティです。

 

世知辛い話です笑 次いきます。

 

<勝利条件> 一番稼いだ人の勝ち

・9ターン終了時に得点計算。

・自社の建物の価値の合計

・建物の効力による得点

・手持ち現金の合計

・未払い給料カードの枚数×マイナス3ポイント

 

というわけで、社員を派遣して稼ぐゲームですが、稼ぐにも、消費者の財布にお金がないと稼げません。だって、買ってもらえないですから。

 

では、消費者はどこから財布にお金を補充しているのか?って、それがお給料ですね。プレイヤーの支払ったお給料が、消費者の財布にストックされます。

 

だから、みんなで未払いしていると、稼げないはめになります笑

 

だから、プレイヤーからしてみれば、みんなで給料を出し合って、消費者の財布にお金を補充し、そのプール金を巡って、お金を奪い合うゲームになります^^;

 

4人でプレイして、4番目の人とか悲惨かもしれません。先行の人たちに先に稼がれて、消費者の財布が空っぽ!なんてことになるかも。

 

そこで「よし、だったら次は先行権を取っておいて、順番替えしてやる!」みたいな(このへんはゲーム要素です)。

 

そんな風に、民間経済の中のお金を奪い合う構造がよくわかるゲームです。やってみるとよくわかります(わかりました)笑 しかも2000-3000円で買えるので安くていいですね。発売されて一年ちょっとでランキング20位以内ってのもすごいですよね。しかも日本人が作ってます。

 

以上が、基本的な説明なんですが、もうひとつ重要なルールがあります。それは、民間経済のお金の総額を増やし、経済のパイを拡大させる、建物の売却です。

 

手持ちの現金がないけど、自社ビルがあるとき、それを売るって話はしました。売ったとき、お金はどこから来るのか?これ、ゲーム外からお金を入れます。

 

現実だったら、建物を買う人がいて、その人は銀行からお金を借りて、買い物をします。つまり、ゲームの中の建物の売却は、銀行サイドから、民間経済へお金を投入することを表しています。

 

2人プレイをすると、プレイヤーの初期資金は5ドルと6ドルです。消費者のお財布にプール金はありません。つまり、最初の民間経済の合計金額は11ドルです。

 

現実で言えば、これをマネーストックと言います。昔の言い方をすればマネーサプライですね。

 

つまり、建物の売却を抜きにすると、お金は増えないので、この11ドルが、民間経済の中をあっちに行って、こっちに行ってを繰り返すだけです。給料を払ったり、売上を確保したりで。

 

当然、ただお金を奪い合いだけのゲームになります。だから、みんなが潤うために、この民間経済の輪の中に、外からお金を投入しないと行けません。

 

現実には建物が100%すぐに売れるってことはないですが、それはゲームですね^^

また、売却した建物は、誰かの所有ではなく、公共の建物になりまして、どのプレイヤーもその建物を利用可能になります。これもゲームですねー。

 

というわけで、ゲーム内も現実も、民間経済の外からお金を入れて、みんなが潤っていくわけです。外・・・例えば、銀行からもそうですし、政府の入札もそうです。あと輸出もそうですね。

 

・・・って、そうしないと、ゲームではターンが進むごとに、社員の給料が増えていきますから、誰かが民間経済のお金の総額を増やしていかないと、消費者の側にお金が吸い取られて、経営者(プレイヤー)が大変なことになります笑

 

「お金はあるんだよ!早く仕事しろよ!いい商品発売しろよ!」みたいな笑 「いや、売上稼ぐカードが引けないんですよ!」みたいな^^;

 

なお、本ゲームは強制的なインフレ状態のゲームです笑(給料が強制的に上昇) でも売上はカードに書いてある文字のまんまだから、物価(商品価格)は上がらないんですよね(泣

 

まぁ、高い売上を確保できるカードはターン経過で自動的に出現するので、つまり、ゲームだから商材はすぐ変えられるので問題ないですが(それもまたプレイヤーの商材の奪い合い)。

 

では、そろそろまとめ。

 

現実には、入札を通して民間経済にお金が投入され、お金の量、すなわちマネーストックが増えていくのが、経済拡大の一番の要素です。このゲームは政府の概念が出て来ないので、そこはちょっと残念ですね。

 

また、現実だと消費税によって、売上が引かれたりしますが、それもないです。あったら悲鳴が聞こえてきそうな・・?

 

「社員の給料を払わないと・・よっし、稼いだぞ」「消費税です。今稼いだのが10ドルなので1ドルゲーム外(政府サイド)に出してください」「Oh...」

 

しかしお金がなくても、建物を売ってしのげ、しかも、盤外から、土建屋さんのおかげで、お金が入って来るので、それで私達の経済は潤っているんだ、ってことがわかるゲームです笑

 

実際の入札で公共事業やってくれてるのも、地元の土建屋さんですしね。もちろん入札こなすのは土建屋さんだけじゃありませんが。

 

目立つのは目立つので、公共事業悪玉論などで、現実には叩かれまくり、入札予算を削減され、多くの企業が倒産しました。そうして同時に日本の景気も悪化してきたわけです。

 

1990年のバブル崩壊ってのは、そのとどめの時期だったに過ぎず、1980年代から不況は始まっていましたから。

 

何にせよ、政府の要素が加わったらこのゲームはもっと進化すると思います。

 

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<余談>

 

久しぶりの投稿になります。特に何があったというわけではありませんが、ブログから離れておりました。何をしていたってゲームしたり@@ 地元商工・・・商工会はあんまり行ってないので青年会議所の活動で時間取られていたり、、、ですね汗

 

さて、それはいいとして、また、選挙の話も目立ってきましたが、あくまで経済の論理というか原理原則をおさらいするように、不定期にでも記載していこうかと思います。

 

そうして、正しい経済常識を持つ大人が増えていけばいいなと。今からでもやっていかないと、いつまでもそうならないですから。

 

既に1990年から数えて30年。2020年もデフレなのは目前です。30年前に、20歳以上だった人たちが、ずっと止められないで、本日までデフレが来ています。ちなみに、該当する世代は現在50歳以上の人たちです。

 

何かの記事で見ましたが、50歳以下の人ではもう6割がテレビ新聞を信用しないとのこと。40歳以下、さらに男性になるほど7割まで。逆に言えば、50歳以上だとマスコミを信用してしまう人である可能性が高い、と言えそうです。

 

これはインターネットの発展のおかげで、今の若い人はマスコミの裏も知れるようになったおかげなのかな、と思います。

 

10年経てば若者が若者が20-60、60-80歳が高齢者になりますから、時間は味方ですね。それを加速するために、あとはインターネットを見る人の経済常識をさらに向上させていくことも有効ではないかと言えそうです。