さて、今回は基礎的財政収支ことPBバランスについて3回目の投稿です。これまではPBバランスを気にせず政府支出を増やしてもいいのではないか、という傾向が見られました。3度目の正直で突き詰めてみます。

その前に、今回は相関についてのお話です。

まず、前回までのデータの前年比を並べて、相関一覧表を作成しました。

↓こんな風に前年比のデータを並べておいて

PB0

↓エクセルの データ分析>相関分析 でポン

相関一覧表

PB1

相関一覧表というのは、2組のデータが、どのくらい一致しているか、数字で一気に教えてくれます。

今回23列のデータがあったので、全部グラフを作成して~、ひとつひとつ数字はいくらで~、とやるとすぐーく大変だったので。

例えば、
1列目×2列~23列目の組み合わせ=22通り
2列目×3列~23列目の組み合わせ=21通り
3列目×・・・

膨大な数になりますよね^^;

とはいえあくまで簡易的なので、正確にはひとつひとつ見ていく必要があります。ざっくり検討をつけるには便利なんです。

で具体的にやってることは、2つの前年比をタテヨコに取り、その2つがどれだけ直線の関係に近いのか、を一気に表した表になります。

この時点で数字が大きければ、それだけでも、その2つのデータが強力な関係がある、とわかります。

とりあえず見ていきましょう。

あ、なお、エクセルのデータ分析、相関分析とかは、エクセルに初期設定で組み込まれていなかったりもするので、追加で機能をダウンロードする必要がありますのでご注意ください。ちなみに無料です。

ではさっそく。前回の話の続き。基礎的財政収支「PBバランスの赤字が膨大ダー」の累積赤字と関係ありそうなものを見ていきましょう。

相関一覧表 PB累計/GDP

PB2

はい。数字が並んでいますが、相関係数は70%以上あると強い関係と言われています。本当かどうか、合ってるかどうか、妥当かどうかなどの確認は必要なんですけど、ざっくりこれがないと話をする意味合いがまずないです^;

20%以下は誤差の範囲内でぜんぜん関係ないよ、ってことになります。このへんも簡単に反論とかで使えるやつですかね。

20-45%くらいがかなり微妙な関係・・45-60%がぼちぼち影響あるんかな?ってところですね。相関係数で検索するといろいろ出てきますよん。

マイナスはその反対。-70%が強い反比例の関係と考えれば。そんな感じです。つまり-20%~20%はどちらにせよ誤差範囲ってことになります。

で、表を見ると単年度で発生したPBバランスの額、それをその年のGDP割ることの、GDP比が60%ですね。このへんは費用が増えれば累積増えてるってので当たり前の結果なのでスルー。

MBが49%・・・ちょっとマクロの指標も入れ込んでありましたのでMBも入ってます。

これ、比例関係なので素直に信じると、お金刷りまくってMBが増えると借金の累積額が増えるよ、ってダメな関係ですねー。

まぁ関係弱いですし、多分中身見るとMBってことで怪しい・・素直なグラフになっていないと思うので、多分(経験上)どうでもいいやつです。スルー。

で、他を眺めるとすべて微弱ですよね。しかし、累積赤字が減るといいので、注目すべきは一番下です。

公的需要 過去3年移動平均 -42%

公的需要、つまり政府支出が増えると累積赤字が減る、という関係です。弱いですが。そしてこれ、前回の最後のグラフのことでもありますね。一番下なので、ドンピシャで累積赤字と一番反比例の関係が抜き出せていたことがわかりました^^

前回のグラフ

公的需要とPBバランス/GDPの関係

PB3

ちょっと線を引いてしまっててわかりにくいのですが、線を外すと以下の通り。

PB4

これに直線(近似)を引くと (点を右クリですぐ引ける)
PB5

R2ってのが、相関係数の2乗なので、Rに戻すと42%です。表と一致してますよね。あ、右肩下がりの関係だから-42%ですね。R2は2乗だからマイナスが消えてしまっていました。

これが2つをタテヨコにとって直線でどのくらいトレースできてるか、ってことですね。

見ての通り、直線だと正確にトレースし切れてないです。
今回の場合、このグラフは関係を見るよりも動きを追うのには、使えそうですね。

相関係数、相関一覧表というのはこんな感じです。

では、ここからが相関一覧表の真価発揮です。

公的需要の過去3年移動平均が一番関連ありそうだってことで、今度はそれの相関一覧表の列を見ていったりすればいいわけですね。

と、けっこう長くなったのであとは次回に回したいと思います。
今回は説明回でした^;

マクロ(GDPや物価、民間平均給与やら失業率、人口の前年比など)を相関一覧取ると90%や80%のデータがざらに出てきて面白いですよ。あっちゃこっちゃ連動しまくっているのがよくわかりますよ。

ではでは