とりあえず政府支出のゼロ成長やめましょう、ホント、って話です。結論から言うと。

財政ガー、ヤバイノダー、つまり?基礎的財政収支(PBバランス)がヤバイノダーの第3弾です。ホントかいなと。

前回はGDPとPBバランスを比較して終わりました。関係なさそうってことでしたね。ただ、PBバランスを減らすために、政府支出を減らされると、GDPはもろに足を引っ張られるということは述べました。

そして今回はGDPの源泉たる政府支出とPBバランスを比較してみました。GDP=民間支出+政府支出=A+Bですからね。で、B政府支出にGDPも民間支出も連動していると。

GDPは民間平均給与やら物価やら失業率、人口などと連動しているわけですが、GDPの良いところはさらに分解できるってところですね。ではさっそくグラフを見ましょう。

1.公的需要とPBバランスGDP比の推移
PB1

公的需要というのはよーするに政府支出のことです。「これだけの需要があった」=「これだけ売れた」ってことで。微妙に差異はありますが前年比にもしてますし充分です。

これだけじゃちょっとわかりにくいですね。公的需要をヨコ軸、PBバランスGDP比をタテ軸にしてみましょう。

あ、ちなみにPBバランスGDP比はマイナスをかけてますので、上にいくほど赤字が重なってる、と見ればよいグラフにしています。

赤いグラフの右の方が山になってますが、あのへん全部マイナスばかりってことですね。

では次のグラフ。

2.公的需要とPBバランスGDP比の関係
PB11

見事にばらばらです。PBバランスと政府支出に直接的な関係はないようです。だから政府支出を減らそうと、PBバランスを減らせるわけじゃないのです。安直に「PBバランスを減らしたいから政府予算を削減ジャー!」ってのはやめてほしいですね。

政府予算削ったら、ダイレクトにGDPが削られ、その分税収も減りますからねー。全部連動しているわけです。

では前回やったように、PBバランスの累積を取ってみます。わかりやすい形になると思います。

3.公的需要とPBバランス累計/GDP比の推移

これも前回GDPだったのが公的需要に置き換わっただけですねー。では同じく公的需要をヨコ軸、累計の方をタテ軸にしてみましょう。

4.公的需要とPBバランス累計/GDP比の関係


こんなんなりました。見てのとおりですが、公的需要の前年比が低いほど、PBバランスの累積はどんどん上に。赤字が積み重なっています。なんとなく関係性があぶりだせてきたような。

線でつなぐと次のようになります。

ちょっとわかりにくいので、3.のグラフ、公的需要の青い線がギザギザしてましたよね。なめらかにして傾向を掴む意味で、平均を取って均してみます。

5.公的需要とPBバランス累計/GDP比の推移
ただし公的需要は過去3年移動平均 ※ あとで説明

なめらかになりました。では公的需要をヨコ軸、累積をタテ軸にしてみましょう。

6.公的需要とPBバランス累計/GDP比の関係と推移
ただし公的需要は過去3年移動平均 ※ あとで説明

そしてもう線がつないであります。右下が1974年3月31日から始まり、左上が2016年3月31日で終わってます。わかりやすくなりましたね。

政府支出の高い時代はPBバランスが低かったですが、低下するにつれて、PBバランスが上昇・・つまりは悪化しているのがわかります。

そして増やし始めたらまた低下していきました。

そしてバブル崩壊あたりから、徐々に政府支出が削減されていき、前年比がほぼゼロになるのと、消費税が5%になった2,3年後あたりから、毎年毎年、ぐんぐんPBバランスの赤字が上昇して行っているのがはっきりと見て取れます。

とりあえず政府支出が増えている時期はPBバランスの改善が見られます。前年比ゼロパーセント維持を、そして消費税をやめたらいいんじゃないですかね。ホントにPBバランスを改善したいのであれば!

ちょっとそれ以外の経済的インパクトが見当たりませんよー。いやホント。
それなのに

「PBバランスの赤字が重なっているから、増税ダー、政府の支出も削減で節約ダー」なんてやるのは、ちょっとどころじゃなく違うんじゃないかなーと思うわけですはい。

さて、これで経済財政諮問会議の内容を見ていく下地ができたんじゃないかなー、と思います。彼らはPBPB連呼しているので。どうでもいいですけど。

彼らに合わせてPBを見てきましたが、日本は独自通貨国なので、日銀にお金刷らせて政府は財源確保できるので、PBがどうであろうと別にいいわけですので(実際それで日銀に国債や株を大量に買わせていますしね)。

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※ 過去3年移動平均というのは、3年のデータの平均を取るだけなんですけど、過去に向かって3年間のデータで平均を取るってことです。
2011 5
2012 7
2013 8
2014 6
2015 9
というデータがあったら、 
2013年は5+7+8=20 20÷3=6.7
2014年は7+8+6=21 21÷3=7
2015年は8+6+9=23 23÷3=7.06