7月9日に日本銀行から、6月のマネタリーベースとマネーストック(月中平均残高)が発表されました。そして今一行目を書いたのが7月15日です(遅

言い訳すればグラフは11日にはできてました(データを取得した初日
いつものデータのエクセルに6月分を貼り付けるだけのカンタンなお仕事?です。
ついでに次回記事分予定のグラフも既にあるにはあります(笑

ブログに載せるに当たって、エクセルのグラフをプリントスクリーンでコピーして、ペイントに貼り付け。画像ファイルで保存。名前は適当。アメブロに画像を上げるときに、また名前の入力欄が出てくるからです。それでぺいぺいコピペ、保存、アップロード、名前入力、、、と記事の画像を集めたところで、記事を書き始めています。

途中で文章書くのが止まるとリズム悪くなりますからね!あとは文章書きつつ、グラフ画像を貼り付け、また文章書いてー、と終わりです。途中で「あ、こんなグラフあったらいいなー」とか思ったら、突っ込むこともありますが。

まぁ、今回遅れたのは、忙しかったからです。暑いのと笑

と、書いてる側のことなんかどうでもいいとして、本題です(長くなってすいません

まず、何度も見て、数字とかグラフの形まで大体覚えてきた方も多いでしょうが、長期の推移から見て行きます。

マネタリーベースとマネーストックの推移(実額)

マネタリーベースとマネーストックの推移2


マネタリーベースというのは、日本政府が今までに刷ってきたお金の総額です。マネーストックが、それが民間に出回った金額です。刷った総額であるマネタリーベースより、マネーストックの方が多いのは、信用創造による結果です。乗数効果もありますでしょうかー。


私はマネーストックはM2(+CD)という区分までにしてます。数える範囲を拡大したM3やその上もありますが、M3は新しいので古くたどれないからです。まぁ相関は充分なのでM2使ってます。まぁM2範囲でもう既にマネタリーベースより多いですよ、と言いたかっただけです。


グラフをみると、マネタリーベースが急に、2012年に自民党になってから2年で100兆から300兆の大台に。さて、もう少し見やすくみていきましょう。


マネタリーベースとマネーストックの推移(実額両軸)

マネタリーベースとマネーストックの推移


長期の両軸にすると、連動性があればわかるんですが、離れているのでないのがわかります。お金は刷ってるけど、それだけじゃ民間にお金が必ず回るわけじゃないよ、ということですね。最近が顕著に証明してますよね>2012-2014の激増


それでは経済ですので前年同月比で見てみると

マネタリーベースとマネーストックの推移3


こんな感じです。毎年、去年から見たら何%増えてるの、というグラフです。1990年くらいまでは一致してそうでしたが、それ以後のバブル崩壊以後は、刷ったお金だけが増えていて、民間のお金が増えているわけではない、ということがわかります。


他の経済指標、GDPとか消費者物価指数、民間平均給与とかは、バブル崩壊があってもきちっと連動しているんですけどね。もちろんマネーストックも。この場合の仲間はずれはマネタリーベースです。


ちなみに次回の記事では、逆にマネタリーベースと連動している指標をお見せするつもりです。グラフはもうできてます(しつこい


と、次のグラフにいきます。今ほどのグラフは前年同月比でしたが、マネタリーベースをヨコ軸、マネーストックをタテ軸にして、両者の関係を見てみます。


マネタリーベースとマネーストックの関係

マネタリーベースとマネーストックの関係


さっきのグラフで、1990年の以前と以後で分かれていたとおり、こちらも分かれています。1990年以後、いかにマネーストックが地を這っているかがわかります。マネタリーベースだけが右往左往してますが、マネーストックはぜんぜん上に行ってくれない、と。


青い点が固まってますが、あのうちのどれかが6月データです。つまり6月も変わりなし。お金はすごーく(35%くらい)刷って、日本円の総額というか存在量(金額)は増えてますが、民間のお金は増えてませんよ、と。つまり、政府サイドにたくさんがん積みされているだけ、ということです。ちょっと詳しくはそれを次回の記事で、ってことです。


で、具体的に6月はいくら刷ったかも見てみます。


マネタリーベースの推移(前月差)

マネタリーベース前月差の推移


前月と比べて、平均残高がどんだけ減った、増えたか、というグラフです。6月は4兆円増えたみたいです。一月で、ですね。安倍政権が始まり、2013年あたりから平均を目算でみると、月々6兆円ペースで増やしてる感じですねー。年に直すと72兆円。うん、はい、目算で平均とかやるとやっぱずれますね。2年で200兆だから、1年で100兆くらい増やしてるはずなんですが。


それでも、この刷ったお金を、たった10兆円でいいので、予算に突っ込んでくれて、政府の支出ってことで使ってくれれば、景気回復でした。


三面等価の原則
GDP=消費+投資政府支出
   =民間支出政府支出
   =A+B


見ての通り、景気は、GDPは足し算だからです。不景気でAが増えないなら、消去法でBを増やすしかなく、Bが増えないなら、翌年はもっと節約でAは減りますよね、、、というのが1990年から、まぁ実はもっと昔からなんですが続いている不景気の原因です。ただの足し算。


なお、輸出-輸入=純輸出も本当は上記の式に入りますが1%くらいなので無視です。日本は輸出大国じゃありません。99%内需国です。あ、いま純輸出が赤字なので、100%以上ですね。


GDPは500兆円。消費は300、投資は100、政府支出が100兆円あるので、政府支出が10兆円増えて110兆円になると、前年比で10%アップです。そのときGDPは510兆円になり、前年比でいえば2%の経済成長です。少なくとも。


少なくとも、というのは乗数効果があるからです。グラフで見るとわかります。


名目GDPと政府支出の関係

名目GDPと政府支出


赤い近似直線をみると、タテ軸の政府支出が10%伸びたら、ヨコ軸のGDPも10%近く伸びそうです。2%どころじゃありません。つまり、政府支出に刺激されて、民間支出も伸びるってことです。


入札で高額な受注を連発してもらえたら、その会社は儲かり、その会社の人たちがお金を使う。それが飲み屋だったら、その飲み屋さんも繁盛しますよね。車屋さんなら車屋さんが儲かります。乗数効果というのはそういうことです。


で、恐ろしいことに、いまはそんな政府支出が、前年比でほぼゼロかマイナスを連発している、ということです。震災があれど「復興でお金たくさn使った年だったんじゃないの?」というときであれど、使ってませんでした。被災地予算は増やして、他の地域の予算を減らした、ってことですね。ちょっと古いですがこんな感じ。

政府支出と名目GDPの推移

政府支出とGDPの推移


あ、2011年はプラスにはなってましたね、政府支出。嘘つきました。すいません。1%あるかないかくらいですね。あと特徴、、特徴ありまくりですが、1990年のバブル崩壊以後、民間支出Aが下がるのを追いかけるように、B政府支出も減らして節約に励んでますね。


あー、えーと、はい。時の政権が、本ブログのタイトルにもあるような、A+B+C またはA+Bの足し算がわかってなかった、ってことですね。まぁ今の政治家もですけど。そして25年デフレの日本の出来上がり、と。


また、もうひとつの特徴、、つまり以前を見ると、日本列島大改造、高度経済成長期というのは、政府が支出をしてくれていたこと。それに尽きます。毎年15%キープ!100兆円が115兆円、132兆円と増えていく感じです、今なら。


最後に、貨幣乗数を少し見てみます。貨幣乗数というのは、マネーストック÷マネタリーベースです。数字でいえば現在はおよそ900兆÷300兆=3くらいです。


貨幣乗数を使って何か言いたい人は「お金を刷れば!3倍は民間に行くんだ!だからお金を刷るのは正しい!絶対的に効果がある!」ということを言いたいんだと思います。高橋洋一氏とかですね。


こういう人、2年前は「貨幣乗数は12から低下したけれども、まだ6もあるんです!だから!お金の刷ればOK!」と言ってました。あ、答えを言ったようなものですね。グラフをどうぞ。


貨幣乗数(信用乗数)の推移

貨幣乗数(信用乗数)の推移


まぁ、見てきたとおり、マネーストックがさっぱり増えない中、マネタリーベースが激増しているのでこうなりますよねー。悲しいかな、見てきたとおり、安直な文系の発想といわざるを得ません。


さて、蛇足を話したところで今日の流れをまとめると、政府が支出すればいいよと。そしてお金は多量に刷ってるよ、という、いつもの皆さんにはいつもの話でした。最新データにアクセントは少しつけてますが。。


それにしても代わり映えしなくてつまらないですね笑
これが、安倍政権が目覚めて、政府支出にお金を突っ込みまくったら、毎月の更新が非常に楽しみになるんですが^^


まぁ人間、そうそう変わると思えないので、ないかと思います。話し聞きそうにない年とったおじさんたちですので(自分は棚上げ、まだおじさんではないです、おっさん30代)。そんな人の変化は、私なんかより年配の方がお詳しいかと思います。人が豹変したらしたでそれも何か怖いですし(落ち着いて、と


ということで「変えよう」というより「え、足し算ですよ?」「政府が節約したらダメですよ?」と当たり前のことを伝えて、すんなり飲み込んでもらいたいと思う日々です。


オリンピックの会場も、たった2500億円(GDP500兆円としてGDP比0.05%=GDPの0.0005分の1)でもめてますが、都のお金だけでやろうとするから足りないとか問題なわけであって、政府で助成すればいいわけです。

支出は、お金の使い道があってできるわけですから、目の前にやることがあり、不景気という状況ですから、お金が使えるなら使えばいいんです。構造や工期、継続利用の問題はもちろんさておきですが。


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今回使ったデータは以下のとおりです。


日本銀行 マネーストック、マネタリーベースはここから
http://www.stat-search.boj.or.jp/index.html#


内閣府 国民経済計算 GDP、政府支出はここから
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html