7月になりました。まず熱中症にならないように気をつけたいものですね。


今年もあと半年ですが、その前に6月に発表された物価と失業率でフィリップス曲線を見ていきましょう。まずいつもながらの長期推移の確認です。

なお、各グラフはクリックすると拡大します。それを前提に作成しています。拡大して張り付けるとぼやけるんです汗

物価と失業率の推移 前年比の累積

物価と失業率の推移201506

なんとなく連動しているのかな、くらいしかわからないです。物価は停滞しているように見えますが、それはつまり、前年比で見ると以下の通りです。

物価と失業率の推移 前年比の累積

物価と失業率の推移2015061

停滞しているということは、前年比(前年から)見たら、まったく増えていない、ということですから。さて、このグラフの物価をヨコ軸、失業率をタテ軸にとってみます。

物価と失業率の関係 フィリップス曲線

物価と失業率の関係2015062

わかりやすくなりました。赤い点が今回の5月。緑の点が2014年5月です。綺麗な近似曲線が引けました。各年5月だけにしてますが、すべての月を前年同月比で入れると

物価と失業率の関係 前年同月比

物価と失業率の推移2015063

さらに精度が上がりました。これらを見る限り、失業率は物価を上げることで、まだまだ下げることが可能ですね。2014年の緑の点は、増税の強制的な物価上昇で近似曲線から離れただけでした。物価が上がった割には、近似曲線に沿って失業率を下げることもなく情けないですね。そして一年後には何もならず、元の位置に戻る。

わかりやすく近年をクローズアップします。

物価と失業率の関係 近年

物価と失業率の関係2015064


毎月を追ってみていくと、見事に増税されたら右にいって、一年経ったら、前年比に見破られるので、もとに戻ります。今月もほぼ変化なしでした。まぁ、改善する要因になりそうなニュースは聞きませんから当然ですが@@

自動調整される目盛りも0.5刻みでちょっと情けない感じです。

失業率はグラフを見る限り、物価が5%上昇くらいに保てれば、2%近くまで低下するのですから、意味のない増税に頼らず、普通に財政出動・・・政府が支出を増やしてあげてほしいです。

三面等価のちょっと組み替え
GDP=民間支出+政府支出=A+B
ですから、政府支出が増えればGDP増えるのは当たり前です。
政府が節約するほど景気は悪化します。
これがわからないならちょっと小学校やり直すレベルです。

政府支出とGDPの連動

名目GDPと政府支出

当たり前ですが、連動していました。

GDPと物価の連動

名目GDPと消費者物価指数

政府支出が増える → GDPが増える → 物価が増える、の関係が見て取れます。

そして政府支出の財源は気にしなくても大丈夫。てか増税も要らなかったほど。

政府はお金を刷っている。増刷総額の圧倒的な増加。

マネタリーベースの残高推移

政府支出はおよそ毎年100兆円。110兆円になれば10%アップ。それだけ。現在月に4-8兆円刷っている。2012年までに100兆円しかなかったお金を300兆円に増やした。年100兆増やしたことに。10兆円など余裕。

また、消費税8%にしたことで増えた消費税の税収は5兆円。増税をなぜしたのか意味がわかりません。まぁ、このお金で株や国債を買っているだけで、国民に予算にお金を回さないのですが。

まとめると景気が悪いのは政府の怠慢です。

さて、いつもの説明を一応置いたところで、ニュースを見たらめずらしく朗報がありました。

財務省が“安倍官邸”に完敗 骨太方針への歳出削減額盛り込みに失敗
http://www.sankei.com/politics/news/150630/plt1506300045-n1.html

政府が支出を増やさないと、物価も増えない、失業率も改善しない、今回は載せていませんが給料も物価以上に増えない、、、のに、財務省が、歳出額に制限を設けようとしていました。それがなしになったようです。よかったよかた!

ちなみに毎月勤労統計調査で5月の実質賃金の速報が出ましたが、やっぱりマイナスでした。4月の確報も減りました。ニュースの報道では、まだ物価の上昇に賃金の上昇が追いついてないと、、はいはい、いつになったら追いつくんでしょうね。言うだけはタダです。一瞬プラスに見えたというのも0.1%とゼロとあんまり変わらないですしね。

毎月賃金統計調査
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/30-1a.html

実質賃金は25カ月連続減 5月、物価上昇に追いつかず
http://www.asahi.com/articles/ASH6Y6Q7CH6YULFA031.html

4月の実質賃金、確報は0.1%減 速報から下方修正
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS18H0E_Y5A610C1EAF000/


◆ よかったらシェアやツイートお願いします ◆
ランキングはクリックいただけると多くの人に読んでいただけるようになります。

人気ブログランキングへ


今回使ったデータは以下のとおりです。


平成22年基準 消費者物価指数 
http://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.htm

労働力調査(基本集計) 
http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/

国民経済計算(GDP統計) GDPと政府支出はここから
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html

時系列統計データ検索サイト マネタリーベースはここから
http://www.stat-search.boj.or.jp/index.html#