忙しかったのでしばらくぶりの更新です。更新しようかと思うことはいくつかあるのですが^^;
まずはこれ、最近のニュースから
実体経済と金融経済 三橋貴明 新世紀のビックブラザーへ
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12044419878.html
「ギリシャが債務不履行(デフォルト)状態になる可能性は極めて濃厚です。」
寅の威を借りるわけではないですが、ノーベル経済学賞を取ったクルーグマンも同じことを言っています。
“ギリシャは犠牲者”英紙、クルーグマンから擁護の声 ユーロの構造的問題を指摘
http://newsphere.jp/world-report/20150629-2/
いつも日本のことばかりですが、たまには外国のことを、ニュースを取り上げてみることにしました。あまり取り上げないのは、経済の構造はどこの国も同じなのですが、他国が絡むとその話の延長になって少し面倒だからです。でもタイムリーなので。
なるべくさくっと説明すると、ギリシャに限らず、ユーロ圏の国々の本質的に問題なのは、共通通貨であるユーロを使っていることそのものです。
三面等価の原則 を少し変形
GDP=民間支出+政府支出
=A+B
デフレでAが減っているなら、Bを増やすしかない。Bを増やせないなら景気悪化。
そうすると翌年はさらにみんな節約するので、余計にAは減ります。民間の景気悪化に合わせて「我々政府も節約だー」とBを減らすと余計に悪化。負のスパイラルのデフレですね。
だから答えは、デフレ脱却には、Aが増える(減らない)ようになるまで、Bを増やすしかない、とわかります。消去法で、です。
名目GDPと政府支出の関係は比例。政府支出は名目GDPの20%、100兆円しかないのに。これは日本の場合。しかしギリシャでも足し算なのは同じ。
そこで、お金を刷って財源として、政府が支出してBを増やせばいいわけですが、ユーロは共通通貨なので、ギリシャ国単体の意志のみでは刷れないのが問題なんです。
これが日本なら通貨は円で、日本政府の意思のみで刷ることが可能なわけです。だから日本のお金の総額(マネタリーベース)は増大し続けています。
日本政府の刷ったお金の総額マネタリーベースの推移
まぁ国民には使ってないわけで日本のデフレはずっと続いているんですけどね。いきなり2年で200兆増大したお金、予算として政府支出に突っ込んでれば、政府支出は文字通り倍増でしたから。
1年で100兆加算したらば、もともと100兆の政府支出は200兆。もしやってたら過剰すぎて、上の政府支出と名目GDPのグラフの欄外に突き抜けます笑
が、実際には100兆のうち10%の10兆すら回さないわけですが。
閑話休題。
だから正しくは、そのようにして調達したお金を、日本政府が北海道に予算を降ろす様に、ユーロ各国がユーロの増刷を認めて、ギリシャに支援しないと、ギリシャに限らず、経済の脆弱な国からどんどん破綻していくのは自明の理です。
そうしないと、日本の弱い地方自治体から崩壊していくのと一緒です。夕張市のように。そうしていないから、ユーロ圏では、いつもいろんな国で破綻騒ぎが起こっています。
だから、ユーロを使用しているままでも、もし、ユーロ全体で日本政府が日本の各自治体に予算を卸すように、ユーロ各国が支援し合えば、ユーロでも実はやっていけます。
しかし、日本が韓国、中国、北朝鮮と通貨を共通にした状況を考えてください。通貨は円に統一したとします。
さて、北朝鮮は実質全国破綻中。韓国は物価は日本と同じ。所得は3分の1、TPPならぬFTAで壮絶なデフレ中。中国も絶賛国ぐるみの粉飾バブルが崩壊中です。そして日本も政府支出がずっと足りないままで25年デフレ中です。
どの国も、政府支出の増大が必要です。お金を刷る話になりました。現在共通通貨なので、お金を刷るには、4国の許可が必要です。
しかし、韓国、中国、北朝鮮が、日本がお金が刷って、それを得ることを許可するでしょうか?
「は?日本のためになんか金出せる(刷れる)かよ、反対!」と言ってくるのが目に見える気がします。
しかもあの3国なんかは自国のインフラを整える、産業を整備するつもりがありませんから、どこまでも「金を寄越せ」と言ってくるはずです。
↑これがユーロの現状です。ギリシャを韓国、ドイツを日本と考えるとわかりやすいです。自分たちで通貨発行に首輪つけて足の引っ張り合いしてる感じです。
これだけで、共通通貨にすることが、政府支出を増やす、王道の景気回復手段を潰すことがわかるかと思います。あくまで「違う国」の人たちなんですよ。
だから、本質的な解決はギリシャがユーロをやめてドラクマを取り戻すことです。ドラクマはユーロに比べて暴落した低い価値で、輸入が数年はしばらく大変になるでしょうが、輸出ではがんがん稼げます。観光業もすごく儲かるはずです。そうするとギリシャも借金をがんがん返していけるはずです。
まぁ、ユーロに加入してしまった手前、今度は「またドラクマは破綻して紙くずになるんじゃないか」「ドラクマは信用できないからユーロ持ってた方がいいな」という国民の信用不安が問題になるでしょうが、信用してもらえるように、誠心誠意やっていくしかないかと思います。
・・・あの国の政治家ではそれも相当難しそうですけど。。
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