指定管理者の選定は適正と判断した予定価格を下回りすぎてもダメでしょう | 田崎あきひさオフィシャルブログ「出かけたさきでちゃりんこブログ」Powered by Ameba

指定管理者の選定は適正と判断した予定価格を下回りすぎてもダメでしょう

【犬山市、指定管理者に公募外の業者採用(2009年11月27日 中日新聞朝刊)】
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2009112702000163.htmlではないですが、価格が叩かれすぎて誰も応募しなくなった…というのがことのはじまりです。


自治体によって指定管理者選定の採点表や選定基準が違いますが、
『価格の安さ』を評価点にしたり、ましてや係数にしたりして採点しちゃってるところは危険だと思います。


「市の仕事をした実績がほしい業者」が、市の予定価格をかなり大幅に下回る金額で
ダンピング的な価格設定をしかけることがあります。

自治体によりますが指定管理選定の評価に『価格の安さ』が多分なウエイトを占めてしまっている選定基準(計算方法)を持っている自治体は、結果的に指定管理者として大切な『プレゼン』や『顧客満足度』よりも『価格の安さ』で業者が決定されてしまうといった自治体があります。


『サービス』『採算』『事業計画』等がダントツなプレゼンをした現行業者が、『価格』の一点で(赤字覚悟で妥当な運営ができないであろう値段をつけた)業者に【総合評価】で負けてしまって運営を取って代わられる。なんてことが起きています。

(安さだけを求めるなら役所は仕様書を出して入札すればいいわけで、指定管理者の選定はこんな採点係数で杓子定規に評価をしては絶対おかしい ダメでしょう)

仕事を与えてしまえば、やはり次の指定管理期間中に顧客不満足&サービスの低下を生み、利用者は離れていく…。
さらには、そのダンピングまがいのせいで、次回の役所が提示する予定価格はおそらくさらに下がり、良質なサービス&プレゼンをするまっとうな業者は参入しなくなり影をひそめる…というスパイラルへ突入する。

「施設管理をしたという実績が欲しいために行われる価格競争」によるサービス低下に住民が巻き込まれては不幸です。

「良いプレゼンを活かす指定管理者制度」が、「価格ありきの入札化」されてしまう傾向が生まれては、まじめに指定管理者としての努力を体現してきた業者やサービスの利用者が悲しい思いをしているという指摘があります。


~事例検討~
【価格得点】を次の計算式により算出する。
『指定管理料見積金額÷市予定価格×100』
※小数点以下第2位四捨五入

(ただし、指定管理料見積金額が市予定価格の3分の2以下である場合は一律66.7点として得点化する。
なお、市予定価格を上回る場合には失格とする。)


として、【総合得点】を
『総合得点=サービス得点(標準点+プレゼン点)÷価格得点』

みたいな計算で算出されたら、A社がどれだけサービス得点で優位に立っていても、(A社は予定価格を上回らない経営努力をしているにも関わらず)
サービス得点で下回っているB社が、破格な価格を出してきた故に、サービスの内容的に優秀なA者が負ける可能性があるわけです。

役所が適正と認める予定価格を各社がクリアしていれば、これを点数化することが弊害を及ぼすことがあるし、逆に明らかに適正価格より低ければ、排除もしくはヒアリングの対象とすべき注意力がいるのではないでしょうか。

指定管理者の指定は、市議会の議決により確定すると思いますが、選定委員や選定基準、係数や評価算出方法まで気にすることは、指定管理期間中にそうそう見直しができないことから、大切なことだと思います。