人工膝関節 全部変えるか、選べたのかな  わからない | ゆったりと空を見上げながら・・

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50代で両膝を人工膝関節にしたけれど、スポーツがしたい!!!水泳、バレエ、ボクササイズ、走らないテニスに挑戦中!!!

私のバレエの先生は、体の骨格・筋肉・しくみ等体に関する事のプロだ。大学でその勉強をしてきたからでもあるけれど。生徒の体の不調に良く気が付く。私の場合だと、よくストレッチを一緒にやって下さる。辛さを軽減しようとしてくれるのだ。本当に優しい先生だ。人工膝関節にしてから、時折その先生に言われる言葉がある。先生は私の足をじっと見たあと、「yuhoriさんの足じゃなくなったね。それがいいのかわかならいけど・・」と言う。

 

私の足はX脚だったらしい。術後の説明で知った。人工膝関節置換術と共に、X脚を治す手術もしたとの事。私は単純にX脚だったのにまっすぐにしてもらえてよかったと、全く深く考えずに思った。でも、色々大変だった。理学療法士によるリハビリがうまく進まなかった理由も多分それが原因の一つかもしれない。理学療法士から聞いたのは、X脚からまっすぐな足に変わったから、X脚の時はあまり使わなかった筋肉を使い始めたりするから、足全体に違和感があるのは仕方ない事だと。

 

骨切り術で左足の膝のすぐ下からは外側に出ていた。まっすぐ立っても、膝はつくけれど足は揃わない。左足が外側に開いているから。寝ても左足は宙に浮いてしまう感覚。骨切り術後、左足の感覚に慣れるのに時間がすごくかかった。25年近くその足で生活してきて、数時間の手術で全く違う足になった。担当医の説明を聞くといい事ばかりだ。でもそうなるまでの困難さを説明してはくれなかった。

 

「手術する前までは左足が外に出ていたけれど、今は右足が外に出ている感覚がして立った時に不安定になる。」これは術後1か月たった時にメモしていた言葉だ。感覚が違うのだ。感覚が違うと筋肉の動かし方もおかしくなる。左右の筋肉のバランスも違う。まっすぐな足用の筋肉になるのも、感覚になるのも、バランスとがとれるのもすごく時間がかかると理解していなかった。術前同様に術後も歩けると思っていたのだ。

 

今も左膝がそり足になっている感覚だ。リハビリでは理学療法士にそり足を治す練習をしてもらったけれど、担当医からは、yuhoriさんがそり足の感覚がすると思っているけれど、それは手術で変わったからそう思うだけで、そり足ではないんですよと言われた。

 

足の外側の筋肉が強すぎて、膝蓋骨が外側にずれてしまっていて、それが術後も痛みの原因となっているのも、X脚であった事の名残のようだ。担当医の話では右足の人工関節は膝蓋骨のずれを補正できるタイプだそうだが、骨切り術をした左側の人工関節はそれができないタイプとの事。だから左膝は膝蓋骨外側の筋を切って緊張を減らす手術もしてある。それでもまだ膝蓋骨は正面にこない。内転筋等足の内側の筋肉を強くして、膝蓋骨を内側にひっぱるようにしないと痛みはなくならないらしい。

 

そんな話を聞いたバレエの先生は、生まれた時のままのX脚ではだめだったのかな、そんなに全部変える必要があったのかなとつぶやく。術前の私の足を知っているから、yuhoriさんの足じゃなくなったねと複雑そうに言う。

 

もっとインフォームドコンセントをすべきだったのだと思う。担当医にとって良いと思った事がイコール患者のいい事とは限らない事もあると思う。きちんとX脚も治す事を聞いていれば、色んな準備・・心も含めて・・ができたのではと心の底では思っている。人工関節置換術で全国的に有名な病院で、日本全国から患者さんがきている。初診は1年待ちは当たり前で、病院の待合室は激混みだ。受診の時間も限られていると気を回さずに、もっと先生に手術内容を聞くんだった。肝心のところでミスをした。だから何の準備もなかった私は術後、周りの人とは違った回復になる事を知らなかったし、不安でいっぱいの1年を過ごす事になった。