子宮体がんの術後化学療法がはじまった
ヒト女性型宇宙人たるさん。
手術までに
卵管経由で経血と共に
何度か出て行ったと見られる
子宮内膜のがん。
今後の腹膜とか腹腔の
播種が気になります。
ハイパーサーミアは
適切な段階で
お金に余裕があるなら
受けてみたい治療です。
ハイパーサーミアは“電子レンジ”のような原理を用いてラジオ波で細胞内部を温める。
温度上昇の得やすい臓器・部位である
直腸・膀胱・子宮などの
消化管や生殖器で
効果が得られやすいそう。
実施可能施設の少なさ、
専門的な知識や経験を有する
ハイパーサーミア治療医が限れている
などの点から
認知度がまだまだ低い治療法。
「治療内容、適応などに関して認知度が低く、時に民間療法との区別がつきにくいイメージがあり、ハイパーサーミアの定義ならびに各がん種に対するエビデンスをガイドラインで示す必要があった。欧州では標準治療として組み込まれているものの、2000年代をピークに臨床研究の数がなかなか増えず、最新のエビデンスが少ない」らしい。
そこで日本ハイパーサーミア学会では
2017年にガイドライン作成委員会が発足し、約7年の時を経てガイドラインの発刊に至ったそう。
ハイパーサーミア、欧米では標準治療
ハイパーサーミアとは39~45℃の熱を用いた温熱療法のことで、主に放射線治療や化学療法の治療効果を高める目的で用いられている。その歴史は意外にも古く、1980年代に放射線治療の補助療法として導入、1990年代には電磁波温熱療法として保険収載され、その臨床実績は30年以上に及ぶ。本治療は、生体では腫瘍のほうが正常組織よりも温度上昇しやすい点を応用した“43℃以上での直接的な殺細胞効果”が報告されているほか、抗がん剤の細胞膜の透過性亢進、熱ショックタンパク質を介した免疫賦活などの生物学的なメリットなどが示されている。
公開日:2023/08/21の記事です。
ハイパーサーミア(高周波温熱治療)のしくみ
「がん細胞は熱に弱い」という原理を利用してがんを死滅させようと考案された治療法。
42~44℃の加温による「がん組織の直接的な壊死効果」とともに、周辺組織も39~41℃に加温されることにより「宿主免疫の活性化効果」も期待される。
▶正常な組織に加温した場合
正常な組織は
血流の増加によって熱を逃がすので
温度が上昇しにくい。
▶がん組織に加温した場合
がん組織は血流が増えないため
熱を逃がすことができず、
その結果、
血流 が減少して温度が上昇し
栄養が行き渡らず死滅に向かう。
ハイパーサーミアは抗がん剤の効果も高める
癌細胞と皮膚・筋肉との差が歴然。
癌に効くという根拠、血流量の違いを示したグラフがとてもわかりやすい。
図2 種々の温度に加温した場合の正常組織(皮膚・筋肉)とがん組織の血流の変化
それと、抗がん剤の効果が高まるという点は気になります。
温熱によって効果が高まる抗がん薬としては、白金製剤(シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン)、アルキル化剤(シクロフォスファミド、ニトロソウレア)、代謝拮抗剤(5-FU、ゲムシタビン)、抵がん性抗生物質(ブレオマイシン、マイトマイシンC)などが確認されている。とくに、白金製剤や抵がん性抗生物質は、がんを死滅させるのに必要な温度より低い40℃前後から、増感作用が認められている。
発行:2019年5月/更新:2019年11月の記事。
ハイパーサーミアを行っている施設
一般社団法人日本ハイパーサーミア学会 認定制度による認定施設の一覧です。
ハイパーサーミアの実施状況
2020年10月28日〜2023年10月30日までに
千葉がんセンターで治療した疾患とその症例数。
内訳は膵がん91例、大腸がん24例、乳がん17例、婦人科がん17例、胆道がん13例、軟部肉腫9例、胃がん6例、食道がん5例、肝がん5例、泌尿器がん3例、肺がん3例とのこと。