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健康科学大学(山梨)、50億円の開学資金は"見せ金"か--不可解なカネの流れが浮き彫りに

■寄付金すぐに返却 開学時、9億円は違反調達
 開学に必要な50億円は「見せ金」の疑いが濃厚となった。健康科学大学(富士河口湖町)を運営する学校法人「第一藍野学院」の不正経理問題。9日に大学が開いた会見で、財源確保のため寄付金を受けたものの、すぐに返却するという不可解なカネの流れが浮き彫りとなった。


 問題の発端は、03年4月開学に向けた設置経費の財源が確保できなかったことだ。大学によると、50億円のうち41億円を企業、9億円を個人の寄付で賄うはずだった。だが、大学設置申請時には予定が変わり、企業と個人から41億円の寄付を受けたが、9億円は借入金で調達した。これは、借入金での大学設置を禁じた文部科学省告示に違反する行為であったことを、大学は9日の会見で認めた。残りの41億円についても、開学認可を通過するための「見せ金」だった疑いまで浮上した。大学は「見せ金とは断定できない」とするが、「そう思われてもやむを得ない」と不可解な金の流れであることを認めた。その後も、不正は続く。開学直前の03年3月末には、決算に6億円が不足することが判明。この帳尻を合わせるため、3月末に6億円を借り入れ、4月初旬に返済するという架空の支出を計上した。その後も同様の借り入れを続けた。さらに、実際の資金に合わせるため、都内の企業への調査、コンサルタント料として、年間2億円の支出を架空計上していた。一度狂った会計の「歯車」を合わせるため、学院は不正経理を繰り返した。


■「賠償請求、検討」大学会見 初代理事長らへ「失われた信用を取り戻す」
 理事長職務代理の折茂肇学長はこう言い、頭を下げた。しかし、文科省への資金不足の相談、初代理事長、会計責任者の不正経理の認識の有無などについては、明確な回答はなかった。文科省へ8日、調査報告書を提出したことで、一応の区切りを迎えたが、事実関係で不透明な点はなお残った。初代理事長への事情聴取がいまだ実現していないためだ。問題の全面解決に向け、折茂学長は「刑事告発は今後の課題だ」としたが、初代理事長らへの損害賠償については、理事会で検討すると断言した。同時に「これ以上、大学のイメージを下げたくない」とも語った。2時間近く続いたこの日の会見。東京の民放テレビ局を含む報道陣約20人が押し寄せ、一連の問題が世間に与えた衝撃の大きさを物語っていた。質問の答えに窮して、大学幹部同士が顔を見合わせる場面も目立った。


 そんな中、会見に出席した牧野順四郎健康科学部長は、学生から「大丈夫なのか」「頑張ってください」と言われることを明かし、こう訴えた。「経営の問題と勉学は別。より良い授業を実現し大学が良くなるよう、これからの理事会は機能していかなければならない」
朝日新聞(山梨) 2009.4.10
http://ime.nu/mytown.asahi.com/yamanashi/news.php?k_id=20000000904100004


フルキャストホールディングス、350人削減

 フルキャストホールディングスは9日、グループで従業員の約1割に当たる350人の人員削減などを柱にした経営合理化策を発表した。中核子会社で人材派遣を手がけるフルキャスト(東京・渋谷)では従業員の4割に当たる300人の早期退職を実施し、事業所数も30カ所を削減して56にする。派遣事業の落ち込みに対応し、コスト構造の改善する。

 フルキャストでは、今月27日から5月22日まで早期退職者を募集し、5月末に退社となる。事業所の統廃合も5月末までに終える。1月から実施している取締役の報酬削減に加えて、6月から一般社員から執行役員まで5―10%の基本給カットも始める。退職者への割増退職金などで合計7億円を2009年9月期の特別損失に計上する。

 同時にグループ内で他の派遣事業と相乗効果が出にくい、技術者派遣のフルキャストテクノロジー、システム構築を手がけるネットイットワークス(東京・台東)の2社の売却を検討する。

日経新聞 2009.4.9

http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20090409AT1D0906A09042009.html

ルポ:ハローワーク:「求職中」の若者に希望はあるのか

東京都千代田区にあるハローワーク飯田橋や「東京しごとセンター」には仕事を求める若者が詰めかけて
いた。5か月で30社、すべて落ちた男性、「面接まで行けば良いほう」と漏らす女性…。状況は想像以上に
厳しく、「当たらないクジを引いているみたい」と漏らす人もいた。

◆5か月で30社応募、すべて落ちた

2009年4月7日。仕事を求めてここに出入りする若者たちの「いま」を取材した。

IT系の会社で仕事をしていたという男性(26)は、「IT業界の仕事が合わなかった」こともあって退職して半年。
活動を始めて5か月で30社の企業に応募したが、就職できなかった。「最初は事務職志望だったのですが、
えり好みする場合ではないので営業職も受け始めました。ただ、厳しい状況には変わりないです。求人が2人の
ところに300人の応募があるなんて例はザラですよ」今はコンビニでアルバイトをしながら、なんとかしのいでいる。

  「我慢してます。とにかく生活を安定させたい。求職中の人はみなそう思っているんじゃないですか」

 女性も多い。派遣で一般事務をしていた女性(28)は、3か月前から就職活動中だという。当初は、前職の
経験を生かせればと思い、事務系の求人に応募していた。しかし、現状は厳しい。「面接まで行けば良いほう、
というくらい書類選考のハードルが高いです。事務職だと資格を持っているのは当たり前。その上で経理の
実務経験を求められるので」セミナーやカウンセリングを受けながら、幅広く就職先を探すことにしている。

「知り合いが勤めていた会社では、派遣の女の子は全員切られたと言っていました。セミナーを受けていても、
周りには正社員でもリストラにあった、という方も多くいます。希望は、まだ見えてこないですね…」

現在は専業主婦だという女性(27)は、以前飲食店で働いていた。この日は、母親(52)と共に初めて「東京
しごとセンター」に来ていた。

夫は結婚式場で正社員として働いているが、毎日朝8時から夜零時までの過酷な状況だ。4月から残業代も
カットされる。「それで転職活動中なんです。ただこの時代に不安なので、月2万でも3万でも家計の足しに
なれば、ということで相談にきました」

女性の周辺でも、「周囲の20代の友達をみても、今はもう職を持っている人のほうが少ないくらいです」と
明かす。母親は「いまは底。何とかジャンプしていきたい」と励ましていた。

◆就活とは「当たらないクジを引いているみたい」

 「女性はまだ『明らかに女性を求めている仕事』があるので、男性より少し楽かもしれないです」 こう話すのは
技術系や事務系の派遣社員をしていた男性(30)だ。3か月前に短期派遣契約が切れ、就職活動中という。
「応募してみたら『女性しか採る気がない』という企業は結構あります。男性としては厳しいですよね」 さらに、
募集している企業について、「今は『上か下か』、しかないんです」と表現する。

どういうことかというと、「上」というのは経験者採用。4、5年の実務経験を求める企業が多い。ただ、「そんな
人はとっくに正社員で働いているだろうと」とため息混じりにこう話す。

一方、「下」、というのはあやしげな、いわゆる「ブラック企業」からの募集。「この時代に100人単位の募集、
月給30万以上、未経験OKなどを売り物にしています。飛び込み営業とか金融会社とかが多いですね。あまり
『甘いニオイ』を出す企業は逆に怖いです」

求職中の人はそういうブラックの「ニオイ」を察知する能力がすごいそうで、変な「ニオイ」のする会社には
誰もいかない。だからまともな会社の求人には応募が殺到する。「実際の有効求人倍率はもっと全然低いんじゃ
ないですかね」それが実感だそうだ。

求職の選択肢が少ない中で、今後の見通しはどうなのだろうか。「派遣なら何とか決まるかなぁという感じです。
コツコツとやろうと思ってます。ただ、本当に条件は厳しい。努力して決まる、というよりも『運』かな、というくらい。
当たらないクジを引いてるみたいな感覚ですよね」と言い、最後にこうつぶやいた。

「希望をもたないと、やってられないです」


ソース:J-CASTニュース 2009.4.8

http://www.j-cast.com/2009/04/08039087.html