大丈夫、死はあなたをりっぱに殺す | タロのブログ

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 物騒なタイトルを付けましたが、これはモンテーニュの言葉から引用したものです。

 16世紀の哲学者?モンテーニュは、大変な尿管結石に苦しめられていた人物でした。彼はその病苦の中でも、病と譲歩して人間らしく生きることを説きました。その彼の言葉に、このような言葉があります。

 

 「おまえは病気だから死ぬのではない。生きているから死ぬのである。死は病気の助けを借りなくたって、りっぱにお前を殺すのである。」

 

 まさにそうだと思います。我々は、あまりにも病気を理由にしすぎている。病気は我々が生きる上に存在する血と肉の一つでしかないと思います。

 

 こないだ、飲み会でこのような話を聞きました。「寿命が決まっていたらもっと効率よく生きられるのに」と。その時に思い出したのがこの言葉でした。我々は常に、死を自分のコントロール下に置きたいのだと思います。しかし、抗えない存在として「死」を認識した我々は、「死」に対する負け惜しみに、自分の外に「病気」や「運命」などの理由を作り出しているのだと思います。

 

 わたしは、大きな「病気」を持っていますが、それは自分の生き方にとってどうでもいいことです。むしろ人生における歩みのステップとして大事な意味を持ちました。ステップを踏んだ後には、わたしの病気はいつだって、羽虫のようにうっとうしく、はたまた夕焼けに映えるような美しさを持っているのです。

 

 人間だけがもつ人生の美しさの中で、自然に、急に、ゆっくりと訪れる死を待つことを、良しとしたいのです。