映画「プリティ・イン・ピンク」とタロットカードの奥深い世界 前編 | さざ波スワン ~タロットと旅する~

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1986年公開の「プリティ・イン・ピンク 恋人たちの街角」という映画をご存じですか。
主人公が常にピンクを基調としたファッションを身にまとい、アメリカ映画にもかかわらず、劇中でイギリスのバンドの楽曲がいくつも使われているおしゃれな作品です。
まずは簡単なあらすじをご紹介します。

主人公のアンディは失業中の父親と二人暮らし。
お金はないけれど、古着やセルフメイドの洋服でファッションを楽しむ、個性的な女の子。
卒業ダンスパーティーを間近に控えたアンディは、パーティーに参加するかどうかを迷っています。
そんな折、アンディは金持ちの御曹司ブレーンからデートを申し込まれます。
アンディとブレーンは、育ってきた環境や経済観念の違いに戸惑いながらも、互いに惹かれ合っていきます。
そして、ついにアンディはブレーンから卒業ダンスパーティーへの誘いを受けます。
しかし、そんな幸せな二人を周囲が放っておいてはくれませんでした。
セレブ仲間からアンディとの交際を否定されたブレーンに迷いが生じ始めたのです。
アンディは自分を避け始めたブレーンに真っ向から問いただします。
「私と付き合うことが恥ずかしいんでしょ? はっきり言ったらどうなのよ!」
アンディの激しい訴えに何も応えることのできないブレーン。
アンディは傷心のまま、自分で縫ったピンクのドレスを着て、一人卒業ダンスパーティーの会場へ向かいます。
そこで待ってくれていたのは、普段からアンディに好意を寄せていたダッキーでした。
アンディは勇気を出して、ダッキーとともに会場へ足を踏み入れます。
すると、パートナーを伴わずたった一人で来ていたブレーンがアンディの元へ歩み寄ってきます。
そして、いつまでもアンディのことを愛しているとだけ告げて立ち去っていきます。
ダッキーは、アンディにブレーンを追いかけるよう促します。
OMDの「If you leave」が流れるなか、アンディとブレーンのキスシーンで映画は幕を閉じます。


バックグラウンドの違う二人が惹かれ合い、周りの反対を押し切って結ばれる、というのは恋愛映画の定番かもしれません。
現実にもこういった話はたくさんありますよね。
今なら、英国王室のヘンリー王子とメーガン妃の結婚なんか分かりやすい例ではないでしょうか。
育ってきた環境や自分と関わる人々が複雑に絡まり合って、なかなか一筋縄でいかないことも多いように思います。

しかし、考えてみれば、そもそも、私たちはなぜそんな風にそれぞれ異なった環境に異なった形で生まれ落ちてくるのでしょうか。
生まれ落ちてくる国や地域に始まり、身につける言語や文化、家庭環境、さらには身体的特徴、体質、能力、気質など、自分という人間に関するあらゆる項目が生まれた時点で既に設定済みの状態にあります。
これがもし、自分で好きに設定を組めるとしたら、「プリティ・イン・ピンク」のような映画は永遠に生まれてこないでしょう。
タロットカードには、自分では変えることのできない設定の下に生まれてくる私たちというものにフォーカスした一枚があります。
今回の記事はちょっと長くなりそうなので、続きは後編として投稿させてください。

 

 

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