眠れない夜には・・・

 

どうしても考えてしまう・・・

 

君がこの世からさよならをしたことが悪いのか・・・

 

僕が君の手をしっかり握りしめていなかったことが

悪いのか・・・

 

いや、僕は片手で精一杯握りしめていたつもりだった

けれども・・・

 

もし両手で握りしめていたら違っていたのだろうか・・・

 

僕にはできないことだけど僕ではない誰かだったら・・・

君に違う未来があったのだろうか・・・と・・・。

 

でもそれは君と僕がめぐり逢った事実を否定して

しまう・・・それだけは僕にはできない・・・。

 

どんな残酷な結果にたどり着こうとも・・・

 

君が僕のために涙してくれたことを・・・

 

君の笑顔が僕の目の前で咲いたことを・・・

 

僕がひきつりながら告白した時に君が微笑みながら

受け入れてくれた日のことを・・・

 

そして君の存在が僕の日常になったことを・・・

 

僕には否定できない・・・

 

君がこの世からさよならをした事実と同じくらい

 

僕にとっては大切な事実だから・・・。

 

分かっているよ・・・自分が言っていることに

矛盾があることを・・・

 

本音は君を失いたくなかった・・・でも・・・

 

君の選択を分かるとはいわない・・・

 

ただ良し悪しではなく大切な存在だった君の選択を

感情だけで否定したくない・・・

 

少なくとも僕は君の苦しみを取り除けなかった・・・

 

それは誰の役目でもなく僕の役目だったはずなのに・・・

 

僕はその役目を果たすことができなかった・・・

 

僕が無力だったというただ唯一の真実・・・

 

それだけははっきりと分かっている・・・。

 

だから僕はこの先も流れゆく時の中で・・・

 

眠れない夜には・・・

 

君の苦しみを取り除けずに君を失った事実と

僕が無力だった真実の間で苦悩し続けるだろう・・・

 

きっと・・・。

 

Tarot