今日は、僕の中にある第二の「烙印」に

ついてお話致します。

 

僕にはかつて結婚まで本気で考えていた

彼女がおりました(家計簿の彼女とは別

です)。

 

かつて魔王と呼ばれていた僕を、真っ当

な人間に戻してくれた彼女でした。

 

彼女と付き合いをスタートした頃から

彼女はリスカを繰り返しておりました。

 

その理由は、僕と出逢う以前に、彼女

が、性犯罪に巻き込まれており、その

自分の身がけがれているというもので

した。

 

僕は当然のことながら、君はけがれて

などいない。けがれているのは加害者

達の方であると言い続けておりました。

 

ただ、彼女のリスカは止まらず、最後

に僕がリスカを止めたい一心で「今度、

お前がリスカをしたら、俺が手首を切る」

と言ったところ、次の日から彼女は、

僕の目の前からいなくなりました。

いわゆる蒸発です。

 

僕は自分の器が小さかったから彼女が

いなくなったと思い、彼女がいつ戻って

来てもいいように色々な経験を積んで

おりました。そうして過ごした数年後に、

実は彼女が蒸発した2年後に自殺している

ことを偶然知ることになりました。

 

僕はその事実を知った直後に彼女の

実家を訪れ、仏壇に手をあわさせて

ほしい、お墓参りをしたいと、彼女

の一家に頼み込みました。

 

しかし彼女の一家からは「うちの娘が

お前みたいなバケモノを好きになる

はずがない。」と言われ、僕は無言

で彼女の実家を後にしました。

 

その数年後のことです。その一家が

ある地域が、壊滅的な大災害に見舞

われました。

 

咄嗟に助けに行こうとした僕を、

強く引き留めるもうひとりの僕が

そこにはおりました。

 

どうせ、オレはバケモノ。駆けつけた

ところでバケモノの片手なんて借りたく

ないだろうと・・・。

 

結果的に僕は動きませんでした。

そして動かないと判断した僕自身が

本当のバケモノであると認識しました。

 

僕の中の「正義」に反して、「バケ

モノ」になった・・・これが僕の第二の

「烙印」です。

 

今でもその災害があった日の近辺

ではうなされて目覚めることがあり

ます。

 

僕は、人は自分の中の「正義」を

曲げてはいけないのだと、とても

強く感じます。

 

またこの彼女のことは、僕にとって

違った意味で、大きな傷跡を残して

おります。

 

どういう意味でかと言いますと、

物心ついた頃から生き抜くことしか

教え込まれていなかった僕にとって

自殺は許されないことなのです。

 

例え、近くで苦しんでいる彼女を

見ていて、彼女が救われる道の

一つとして自殺という選択肢が

あることは頭では理解できても・・・

 

本当は選択肢としてあっては

いけないのですが・・・

 

(つづく)

 

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