忘れもしない、高校一年生の夏休み。1989年。
同級生のモリタ君から勧められた3枚の「洋楽」のアルバムがオレの人生を変えた。
ガンズ&ローゼズの「アペタイト・フォー・ディストラクション」。
1曲めのイントロ、ボーカルのアクセル・ローズの雄叫びを聞いた時、オレの中の何かが変わったんだ。
スイッチの入る音が聞こえた。
ギターを始めろ、と。
ポップな魅力にあふれた、捨て曲なしのベスト盤のような名盤。
このアルバムの1曲目"women"が、オレが人生で初めてギターで弾いた曲。
一番分かりにくかった。
でもカッコイイ。
カサカサに乾いた、荒れた音。
ディストーションて言うらしい。
これがメタルなのか。
ギターをアンプに繋いでも、どうしてもこの音が出ない。
まだ、エフェクターを知らなかった。
エフェクターを繋ぐとあんな音が出るよと教えられて楽器屋さんへ。
店員さんの試奏で、始めて生で聞いたディストーションの音に、ひっくり返るくらい驚いた。
その場で買った。
ギターを買ったのが1989年の7月だったのを覚えてる。
買ってと母親に頼んだら、成績が落ちるからダメと言われて
泣いて暴れた。
3日目に見兼ねた父が、買ってやれよ、、、と。
やっと手に入れたヤマハのエレキギター。
その日に、オレは絶対プロになるって思った。
一緒に始めた仲間もみんなそう思ってるみたいだったな。
それから暑い夏が始まった。