老女Aの手記

Ⅰ-14

 

話が次々に変わる。羅列のようだが、そうでもないのだろう。分かりにくい。

父は国語の教師だった故か、言葉がきれいで、家では標準語、外では方言という生活を続けて育った。

「育った」の主語が不明だ。「家で」の前に〈私は〉が入るのだろう。しかし、そうだとしても話が繋がらない。

「母」はどんな言葉を使ったのだろう。

A子に強いられて、タロも「家では標準語、外では方言という生活を続けて育った」のだが、学校で習う「標準語」つまり共通語は書き言葉で、話し言葉の共通語は学んでいないから、書き言葉の共通語と耳で覚えた共通語だか方言だか分からない話し言葉を混ぜて個人語を作り、家ではそれに頼って暮らしていた。

(Ⅰ-14終)