残酷すぎる戦争中の話は大人はしませんでしたが、幼い子供の私には、静かに語りだします。
帝国陸軍には、語ることのない「秘密の約束」がありました。
その大人はすごい眼差しで「おじさんの後ろにどんな人たちがいるの?」と。
「後ろから歩いているよ。おじさんのお父さん見たいな人たち。たくさんだよ。」
その若い男性は、『生き残り兵』に指名されたそうです。
大隊が全滅しても生き残るように、いつも後方に下げさせられていた。
旧軍の編成は、将校将官の任地は命令で移動する。
しかし郷土部隊の兵隊は、同じ戸籍地の者たちで、共通の文化環境で育った幼な馴染みでもあった。わっしょいわっしょい・・と一緒に最後の突撃をした。郷里では一斉に葬式が行われることになります。
その男性は、寺の跡継ぎでお経が唱えられる。
涙が滂沱として落ちていました。
還ってきた『生き残り兵』が約束を果たすため、死者の伝言を遺族の元に伝え歩いたのです。
出征兵士を送る歌