07年3月9日、民主党の蓮舫参議院議員ら四人は、松岡利勝農水相の議員会館事務所をアポなしで突撃訪問した。目的は事務所経費で購入したとされる「なんとか還元水」をその目で確かめるためだ。 当然、テレビカメラを引き連れている。流し場に立った蓮舫議員が「水道はここしかないですね」と指差す。閣議のため不在の松岡農水相に代り秘書が対応するも、カメラの前だと燃える女には太刀打ちできない。 押し問答の末、窮した秘書が「今日はご勘弁ください」と答えてようやく「中継」は終わった。

 

蓮舫氏は五日後の参議院予算委員会でも激しくこの問題を追及した。「水道水は飲み水ではないという意味でしょうか?」こうやって始まった蓮舫議員の追及。松岡農水相は防戦一方になる。 さらに蓮舫議員が追い込む。「安倍内閣の閣僚に求められるのはまさにお金の部分のクリーンさだと思います。大臣はこれまでの答弁で自分はクリーンだということを120%自信を持っていますか?」

 

その後、松岡大臣は自殺した。その三年後、「クリーンでオープン」な菅内閣が発足し、蓮舫議員は行政刷新大臣に就任した。ところがである。皮肉なことに11月、クリーンの代表格である 蓮舫大臣を事務所費問題が直撃したのだ。議員会館のコピー機のリース代など約40万円を、目黒区の自宅兼事務所の経費に計上するという不手際が発覚した。 これは政治資金収支報告書の記載に関する国会の申し合わせ事項に反する。「法的には問題ないと思っています」こう述べた蓮舫大臣だが「誤解のないよう、これからは資金管理団体で支出していきます」 と延べ、政治資金収支報告書の修正を示唆している。

 

これによって蓮舫大臣も、「120%自信でクリーン」と言い続けることが難しくなった。仮に松岡氏が生きていたら、いつたい何と言ったのだろうか。
(週刊文春、上杉隆、2010/12/2より要約)

https://samurai20.jp/2017/07/multiple-nationality-19/

 

 

[蓮舫辞任]

自民・二階俊博幹事長「影響が微塵もないといえば失礼に当たるので言わない

 

◆自殺は他殺