"Течет река Волга" - Людмила Зыкина
https://youtu.be/gTU3dPAm0Ow
遠くなったある夜のこと、「こちらモスクワ放送局です・・」のアナンスから日本向け放送が始まります。
流れくるロシア語の歌声が叔父の部屋から聞えた。
シベリア還りの叔父は、背中を丸めて物静かに聞いている。
満洲警察官の職務で学んだ満語、ロシア語が理解できたので、ラーゲリ(捕虜収容所)では通訳にさせられた。そのためか、ダモイ(帰還)が遅くなったのです。
ソビエト軍の理屈では、満洲警察官は「公務員でなく準憲兵」だ、として抑留したのです。
旧日本軍の軍隊組織の一員でない叔父は、孤立して困難だったのでしょう、栄養失調で、幽鬼ような姿になって玄関に立った。
母は、一生懸命食べ物を集めて叔父に給仕しました。
遠慮する弟に自分の分も食べさせた・・
音楽は、時を癒します。
追伸
言い忘れていました・・厳しい監視兵に隠れて黒パンをくれたのは、ロシアの女性たちでした。