■■無賃乗車 こどもの罪 | taroozaの不思議の謎解き 邯鄲(かんたん)の夢

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☆BLOGの話題は、精神世界とリアルな現実世界の話題です。
巡礼の旅で、危機に瀕する日本を感じました。
未来の孫たちへ、「日本人の霊的遺伝子」を繋げる責務が、今の世代にあります。

ある寒い冬の夜半のことでした。

まだ結婚したての頃です。


近所の二階屋が、出火して燃え尽きてしまいました。

古い木造屋でした。

犠牲者は、寝た切りの老婦人と、息子の知恵遅れの中年男性でした。


私が子供の頃、その知恵遅れの男性に遊んでもらつた記憶があります。

身体は、随分と大きな人でしたが、心はこどものままで成長が止まっていました。 


電車が好きで、一緒に乗せてもらいました。音譜

切符は持っていません。

改札の駅員さんは、笑って何も言いませんでした。

ただ、「こんにちはー」で改札口を通してくれました。

他の駅では降りないで、くるりと電車に乗る、楽しい小旅行でした。

(母親が、頭を下げているのを見掛けたことがあります)



ある日、
近所の悪ガキたちが、彼を からかいました。


悪ガキたちは、いつも彼を見掛けると、からかっています。

調子に乗って、その中の一人が石を投げたのが、私の胸に当たりました。


彼は、「ウオー」と叫び、その子供を捕まえると、どぶに顔を浸けてしまいました。叫び

泣いていても許しません。

近所の大人たちが駆けつけて、引き離すまで子供を どぶに押し込んでいました。


それ以後、
彼は、一人では表に出されませんでした。


こどものからかいから、悲しい生涯を過ごす息子を、母親は面倒を見ていました。

息子が、子供たちと遊びたかったことを知りつつ・・・



長い間、彼のことを忘れていました。

力の尽きた母親は、不憫な息子を一緒に連れて逝ったのでしょうか。


電車に乗った時の嬉しそうな顔を思い出しました。



夜半の火事、

偶然、帰った時のことでした。


短稿でした。ニコニコ