私が幼児の頃のことです。
いつも一緒に遊んでいた男の子がいましたが、彼が小学生になり、帰って来るまでひとりで遊んでいました。
いつも私の家にやってきます。静かな子でした。
ある日、いつもの様にやつてきた彼と外で遊びましたが、
ふと、気がつくと彼が居ません。
彼は黙っていなくなる子ではありませんでした。
また、私が別れの挨拶を交わさないと、うるさく言い続ける子供だと彼は知っていました。
待っていましたが、外は薄暗くなってきます。
なにか淋しい気持ちになり、意を決して彼の家に向かいました。
彼の家では、なにやら大人たちが忙しく動き回っていますが、
彼はいません。
その日は、疲れて早く寝たと思います。
夢を見ました。
彼と一緒に遊んでいます。
だんだん暗くなります。
真っ暗になりました。
遠くに、ぽっんと温かい明かりが見えました。
男の子は、何時ものように片手をあげて、さようならの合図をしてくれました。
そして、その明りに向かって彼は行ってしまうのが分かると・・
その明りのもとへ行きたくなりました。
私は切なくなり、一緒に付いて行こうとした瞬間、明かりは消えました。
そこで目が覚めました。
朝、彼の家に駆けて行きます。
お葬式でした。
幸せな、
時を過ごしていたと思います。
ご訪問ありがとうございました。