エリックが旅立った


飼い主のお婆さんが亡くなり何年経ったのか

その後のエリックの過ごしてきた日々の環境を思うと本当に辛かった。 


私自身が見守りはじめた4,5年前

最初は3ヶ月に1回ぐらい行った

最近は半年に1回になり

ここ1年くらいは会いに行かなかった


飼い主はお婆さんの娘である彼女であり

飼い方の強制はできないし、飼い方の基準もないんだけど。私の価値観とはかけ離れているから。

関わると私自身にも犬とは関係のないところで連絡がきて負担となってしまうため、自分の生活の為距離を置いた


飼い主は彼女なんだから仕方ないという風に思うようにして


何よりやれる事はやった


旅立ったエリックは相変わらず太り過ぎていた


旅立ちを聞いた昼から悔しくて切なくて涙が止まらなかった


お婆さんが亡くなり、散歩にも行けず、ただ朝晩と与えられる時に開く扉を待ち、1日中、1年中、5年以上もずっと待っていたかと思うと

寂しい思いをしていたかと思うと

助けてあげられなくて、何もしてあげられなくてごめんね。と私は何度もエリックに謝った


私の思い上がりだったかもしれないが、

里親に出す提案を何度もしたり、

保健所にも連絡して見にきてもらったり

病院にも連れて行ったり

ご飯の量の貼り紙も、軽量カップも

何よりエリックの環境に対する話しを

何度もしたけど、


結局変わらなかった


ずっと寂しかったよね。

ごめんね。


会いに行けなくて

連れ出してあげれなくて

本当にごめん



彼女は環境クリーンセンター、ごみ処理場に持ち込むというので、ペット霊園のあるペット火葬もあると伝えた。


タダだからゴミ処理場に持っていくということが、

どうしても無責任に感じて。


ずっとこんなに寂しい想いをしてたのに、最後まで。


それではあんまりじゃないかと。腹さえ立った。


彼女も考えたらしく、ペット霊園で合同火葬が一番費用が抑えられるものを選択した

と同時に火葬費用を貸してくれませんか?と


エリックの前で

そのことを言われ、虚しくて涙が出た。


もし火葬費用が借りれないのなら

環境クリーンセンターに行くから3000円貸してくれと。


虚しすぎた


私とはあまりにも感覚が違いすぎて。

私の思う犬への対応や愛ではない。


お金は返ってこないかもしれないが

もういい


私がお婆さんとエリックにしてやれる最後のことは

これぐらいしかないのか


火葬費用を渡した



最初に言っていた金額が心配になり、直接問い合わせると、やはり体重的に50キロオーバーは超大型犬扱いになるため、最初に渡した費用ではとても火葬できなかった。


何とか理由を説明し、大型犬の合同費用で体重はオーバーしてるが、良心的な対応をしてもらえて良かった


運ぶのも手伝った

ボロボロの汚い毛だらけの毛布にくるんで行こうとするので、

最後ぐらい綺麗なタオルで連れて行ってあげませんか、体も綺麗にしてあげませんか、と促し

固く絞ったタオルで2人でエリックを拭いた。


あちこちに脂肪腫や変な膨らみがあった

長い爪


生きてるうちから綺麗にしてあげてほしかった

適切な食事や環境ならきっとまだ生きていたかもしれない


エリックは11〜12才の犬生を終えた



 

彼女の言葉一つ一つはエリックに想いを寄せているが、私には響かない


なぜそういう言葉を発するならもっと見てあげなかったのか、という気持ちにしかならなかった。


大好きな○○さんが来たよ。

と彼女は亡骸に向かって言っていたが、


私はエリックに何もできなかった。

今日も謝ることしかできなかった。


謝る私に何で謝るのか彼女は理解していなかったが


私はエリックが不憫だったからです。

いつも寂しくて、散歩してほしくて、かまってほしくて、あんなに太ってしまって体が辛くなってしまって、本当に不憫だった。だから携わってきたんです。

一言そう言って私はエリックに別れをして帰った。



どうかお願いします。


飼い方に基準はないけれど、

つながれっぱなし、一生檻に入れっぱなし、

寒空の下、灼熱地獄、ガリガリに激太り、不衛生。


飼わないでほしい。


安易に買わないでほしい。


見れないなら

こんな思いをするような子が大勢いるのなら

いると思うと辛すぎます


そして、ペットビジネスで沢山産ませないでほしい  


もう私にはそれしか言えない 



エリック、ごめんね。


あなたを最後まで助けられなかった。

私の力不足。


どうかおばあさんの元に行けますように。


エリックの笑顔、愛くるしさ、忘れないよ