昨日は1日雨降りでした

2時間ほどお昼頃にはあがっていたものの
その後もかなり強く降っていました


そんな中
用事を2件ほど済ませた帰り道の出来事です


新東名側道を走っていると
歩道に人が立っていました


この雨の中傘もささず
両手に杖かステッキなものをついて
黄色いニット帽にマスクをし
立ち尽くしていました

私の目にはかなり違和感があったのですが
車を止めて話しかけようにも
少し怖いなという気持ちと
自身も傘を持っていなかった為

家も車ではそんなに遠くなかったので
一旦帰り爺さんに声をかけ爺さんを乗せ傘を3本持ちまたその場に向かいました

すると先ほどいた所から位置が変わっていたものの
方向が更に山へ行く道路にいました
この辺りに住宅はなく
しばらく歩けはいくつかの住宅地になるので
そこを目指して自宅に帰るのかな?

とも話ししながら
でも傘を余分に持ってきたから一本傘を渡して声をかけた方がいいという私と爺さんで話になり

車を近くに止めて爺さんが話しかけました

すると声をかけた瞬間に道路沿いの植木垣根に
その人は倒れこんでしまいました

爺さんが支え立たせて話しを聞くと

「田んぼの中に車を落としたから
歩いてきた」


ここは山で田んぼが近くにないから
どこから来たのか尋ねると

隣市の沼津からと言うので

どこに行くか聞くと
コンビニというので

え?沼津からこの雨の中歩いて?
コンビニも全然ない山へきてるし💦

私はこの人は認知症なのか行方不明届が出ているのではないかと思い
110番して警察を呼んだ方が良いと私は言いました

でも爺さんは民生委員を長年やっており
駐在所の人とも付き合いがあるようなので
とりあえず寒いしずぶ濡れだから車に乗せてあげて駐在所まで連れて行こうと
爺さんが言いました

その人は段差や歩くにも
もうフラフラで爺さんが支えなければ
車にも乗れない程弱りきっていましたが

正直
不安や怖い気持ちが私にはありました

とても顔色が悪くずぶ濡れで足元はクロックスで
とても清潔感がある様にも見えずに
やはり素性が分からない方を私の運転する車の後に乗せるというのは…

ですが爺さんが横に乗っているし
爺さんの言われるがまま駐在所まで行きました

お巡りさんと爺さんで
ダウンジャケットを脱がせると中も全部びしょびしょで椅子に座らせ温かいお茶を出すも、ほぼ無反応。
ただ明るい駐在所内でみたその人の顔色はとても悪くかなり痩せ細っているのが分かりました

細々とした声で質問にポツポツ答えるその人は
お巡りさんがお財布の中を見ると免許証はなく
レシートは沼津のものばかり
クレジットカードや診察券そして何万円かの現金も持ち合わせていました

携帯電話は充電は切れているようで電源落ちしたものを所持していて

一緒に誰か家族がいるのかと聞かれると
母親がいるという
この人はいったいいくつなんだ💦
どうやら生年月日からするとまだ60代前半のようでした

そして応援のパトカーの人たちが来るまでの数十分間、駐在所のお巡りさんのサポートを爺さんがしているのを、私はただただ見守っていました

タオルや温かいお茶もお巡りさんの奥さんが持ってきてくれたのですが
自分でお茶を持って飲むこともできず
爺さんが飲ませていました

ショルダーバッグの中には御朱印帳も入っており
がんセンターの診察券もあり
顔色ややせ細りが病気からかなと思えました

母親の名前や年齢も言えたり
自宅の電話番号も言えたりして…
認知症ではないのか…昔からの事は良く覚えてるのか分かりませんが

とりあえず
田んぼに車が落ちたのか定かではないし
いつから歩いているのかも不明なところは
多々ありましたが

応援のパトカーと警察官がきて
状況を聞いて本署に連れて行く話をしているところで私たちは帰宅しました




爺さんが
「よく気づいたね」と私に言いましたが
この雨の中、傘もささずに両手の杖で支え立ちしている人を見かけたら私からしたら皆気になるでしょーって思いました

でも中々声をかける勇気ってなくて
でも気になったから爺さんを連れて行っただけなのですが

あのままなら時間の問題で
雨で体力もなくあの人倒れて
垣根で道路から見えずに亡くなっていたかもしれないから良かったと爺さんは言っていました

数年前から孤独死という言葉を耳にしたり
認知症の人がホームや自宅から行方不明で
そのまま数日後、何週間後に亡くなって発見されてしまうケースとか実際に周りで聞いたりして


今回こういう事があり

私は改めて思いました



人生の最期が
(最期かもしれなくなる状態とか)
雨にうたれ身内もいないとか
病気だか入院も出来ないとか
ご飯も作れず食事はコンビニでしか買えないとか
満足に食べれないとか

何か本当にショックに思えて…

そういう人もいるんだって


例え家族内であまり会話がなかったりとか
よく喧嘩をしたりとかでも
それでも家族が一つ屋根の下にいて子供の騒ぐ声がしていて
今日も温かい食事を皆で食べれて…

当たり前のようで当たり前ではないんだなと



思いました



そのショックを爺さんに話すと
民生委員で地域のお年寄りを見守り定期的に訪れてると孤独の人は大勢いるよ、と

身なりも清潔感あるようには出来ない
あんなもんだよ、みんな。
と言っていました

実際を見慣れていない私からすると
ショックですが

誰にでも、いつかは自分にも起こりうる事なのかもしれないなと思いました


ましてや長引くコロナ禍で
職を失う人、お金がない人、住まいを失う人が
増えて生活自体が大変な人が年配でなくても
沢山いるんだから

“生きていればなんとかなる”みたいな
聞き慣れた名セリフも
生きているのが本当に苦しくて辛い
どうにもならない事って
やっぱりあるんだと思いました


でも
お金がなく家族がなく
それでも他人であっても暖かい言葉をかけられたり
優しさに触れたら
その方の心は少し違うんじゃないかな
と思う


私は今回
戸惑いから優しい言葉や接し方は出来ていなかったと思う


また一つ
勉強をしたんだ





そして夕方姑が帰宅したら爺さんがこちらへ来て
「車、消毒した?一応こういう時期だから」
と言いにきました


あぁ姑が言ったのね、とすぐ分かりました


「そうだね、消毒しときます」
と返し

分かるよ、消毒した方がいいと思う

でも先に
「良かったね、心配だね、大変だったね、
でも時期が時期だし消毒もしといた方がいいね」
って直接聞きたいわな


悪気なく姑はそういう発言をする方なんで
保護犬の時期もそういう言葉で
私は傷ついた事も多々ありましたが

今は割きり慣れました
そういう人

みんな違ってみんないい
ただ私の感覚と違うだけ


というオマケつきニヤリ


夫には夜話すと
親父(爺さん)の判断は良くないな
その場で警察を呼ぶべき
自分の車に乗せる判断は違うと思う

ナイフでも持ってて切りつけられたら
どうするの、と


それは私も同感

やはりどういう人か分からないなら
自分の身の安全も考えながら動く事は大事だとおもうので

ただ今回は過ぎた事だから仕方ないね、と



それが

昨日の出来事でした








昨日のあの人が
無事に家に帰れて
今日は寒い思いをせず
あたたかな食事をとっていてほしいと
思いながら


あ散歩で富士山を見た朝でした