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頭(心)を整理しましょうって。
書評ですな。
結論から言おう、ここでいうリーダーシップとマネジメントを混在して認知している私のような向きこそ読むべき、悩める自我に捧げる書だこれは。
本書では、個人における2次的情動を機械的に認識した上で基本的情動を観察し、自分自身の心の声に耳を傾ける(「マインドフルネスの状態」)ことが人生を送る上で最も前向きで積極的な生き方であり、さらには外部環境の変化から生き残る為の手段であると説く。
自分自身の価値観とは先に触れた基本的情動の集合であり、それが「価値観のピラミッド」における上位であればあるほど個人はリーダーシップを発揮した状態となる。
さすれば自分自身の価値観をより上位にある様に、悩み考え行動すべきであるという点は、やはり最も大切な事であろう。
繰り返しになるが、驚くべき事にこれが現代を生きる上での生き残る為の手段であるのだ。
恐らく、我が人生の進むべき道に悩んだ事がある多くの人間が、これらを内包した混沌とした悩みの中で、よくわからないが苦渋の決断を行い今に至りながらも、さらに悩める状態にあることは日本国がそのGDPの割りに幸福度調査における芳しくない順位(24位/57;World Values Survey HP(2011.1))をキープし続ける理由と関係がないとは言えないのかもしれない。
本書を読み終えて感じる事は、まず混沌とした自分や人生に関する悩みが一つの大きな明確化された大きな悩みとして整理されることである。
しかしながら、Amazon等の本書に関する書評を見ている限りは、残念ながら「価値観のピラミッド」がレイヤーとして存在している事からもわかる様に、読者の「何か」がある程度の水準に至らぬ限りは本書の真の恩恵を得る事は難しいのかもしれない。
この「何か」というのは、今はうまく説明できない。
最後にただ一つ、欲張りな希望を述べるのであれば、「リーダー探訪」に登場する超人達の事だ。この登場人物達が超人すぎて距離感を覚えるということだ。
松浦貴昌氏くらいだろうか、どうしようもない(どうしようもないと言いながらも、かなりのものだが)ところからの飛躍をとげたのは。
重い!
熱い!
ドクドク