もう何度かブログで嘆いてきましたが、今シーズンは私の20年弱の原木椎茸栽培の経験の中で飛び抜けて<不作のシーズン>でした。気象が相手では如何ともしがたく、ぼやくよりほかはありません。
夏の高温と雨不足(夕立がほとんどなかった)が原因で、椎茸菌も熱中症・水分不足にやられたと言うことでしょう。
私が植菌している椎茸菌は、従来ならば10月末から11月はじめにかけて発生し始め1月から3月末にかけてがピークで、5月初旬頃に休眠状態になるのですが、今シーズンは10月末にわずかに発生はしたものの後が続かず11・12・1・2月と悲しいほどに発生してくれませんでした。
夏の高温にやられて椎茸菌が死滅したかと諦め始めていましたが、2月末からぽつりぽつりと発生し始めて、今3月中旬になって約7割のホダ木(植菌した原木)に発生が見られるところまで回復しました。保有ホダ木は約2,000本ですから約1,400本に発生しているということで、残りの未発生ホダ木600本が少しでも多く復活してくれることを祈るばかりです。
従来は12・1・2月は鍋物の時期なので道の駅などに主に生椎茸として出荷して残りを干し椎茸としていましたが、今シーズンは上記のような状況だったので2月末までは商品になりませんでした。晩酌代程度の小遣いになってくれていたのですが、今シーズンは干し椎茸も減産ですから大赤字で楽しみの晩酌も半減となりそうです。
痛いなあ~(;。;)。
来シーズンに向けて200本の原木に植菌しましたが、来シーズンは椎茸菌に優しい穏やかな夏であってほしいものです。
私の場合は、ホダ木を林間に設置して全くの自然任せの栽培方法ですから、水分は雨や雪に頼るほかありません。椎茸は「浸水打木」と言われますようにホダ木を水につけて刺激を与えると発生するのですが、資金力がないもので浸水させる設備も夏に高温でやられないように散水する設備もありません。また、雨や雪に当たりすぎると劣化が進むのでビニールハウス等の設備もあればよいのですが、それもありません。
零細経営だと上記のような設備がなく気候条件などに左右されるのですが、反面、全くの自然栽培のため傘が美しく味も食感も良い良品が少量ですが収穫できるのが良いところでもあります。
済んでしまったことは仕方ないので、これから4月末までに気候に恵まれて良質の椎茸が多く成長してくれることを願って頑張りましょう。自然相手の仕事をしていると、人間なんてたかがしれていて、大自然の中で「生かされて」ようやく生きることができているのだということをしみじみと感じます。弱さの実感と感謝でしょうか。………… では、ごきげんよう。