Introduction et Allegro
Introduction et Allegro · Megan Meisenbach
Debussy / Ravel / Bax
℗ 2012 Centaur Records, Inc.
Released on: 2012-01-01
Artist: Megan Meisenbach
Artist: Mary Golden
Artist: Richard MacDowell
Artist: Ronald Neal
Artist: Delmar Pettys
Artist: David Hermann
Artist: Gayane Manasjan
Composer: Maurice Ravel
日本で言えは、例えば「チャッキリ節」、イタリアで言えば例えば「フニクリ・フニクラ」はコマーシャル・ソングとしてしられていますが、今日聴くラヴェルの「Introduction et Allegro」つまり序奏とアレグロ、後に登場するドビュッシーの「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」Danse sacrée et Danse profaneもまたコマーシャル・ミュージックだと言うことを先ずはお伝えしておきましょう。
「序奏とアレグロ」はラヴェルが1905年に作曲した、ハープとフルート、クラリネットおよび弦楽四重奏のための七重奏曲ですが、これはエラール社のダブル・アクション方式のペダルつきハープの普及のために、同社より依嘱された室内楽曲なのです。初演は1907年2月22日に、フランス写真協会主催の演奏会においてパリで行われています。
一方、ドビュッシーの「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」は、プレイエル社が開発した半音階ハープ（クロマティック・ハープ）のために作曲されたものです。従来のハープが全音階に調律され、半音階にペダル操作を必要としたのに対し、半音階ハープは弦の数を増やして半音階の演奏を容易にしようとしたものです。プレイエル社と言えば、ピアノで有名でショパンが愛用していたことで知られています。
発明当時、この半音階ハープは注目を集め、1900年にはブリュッセル王立音楽院でこの楽器の講座が開かれました。プレイエル社はこの楽器の普及のため、1904年に音楽院でのコンクールのための楽曲をドビュッシーに依頼し、それを受けてドビュッシーは、同年4月から5月にかけてこの作品を作曲しました。
ドビュッシー自身は半音階ハープを特に気に入っていたわけでなく、むしろペダル・ハープの方が優れていると考えていたようです。ドビュッシーの読み通り、結局この楽器は普及に至らず、エラール社の開発したダブル・アクション方式のペダル・ハープが、改良を重ねて今日用いられるハープになっているようです。
ドビュッシーの作品はフルートがらみではありませんが、話題として面白そうなので並べてみました。話をよく確認すると、最初にプレイエル社の半音階ハープの方が宣伝のためにドビュッシーに作品を依頼し、それに対抗するためにラヴェルに作品依頼が来たという訳です。
その「序奏とアレグロ」は変ト長調、単一楽章のソナタ形式的な作品で、美しい2つの旋律主題を軸に曲が進行していきます。序奏は4/4拍子、主部はワルツ風の曲調となり3/4拍子になります。ハープの印象的なカデンツァが入るなど、形態としては室内楽編成によるハープ協奏曲という趣になっています。演奏は約11分前後です。
Danse sacrée et danse profane / Claude Debussy / Birgitte Volan Håvik / Klaus Mäkelä / Oslo Phil.
The Oslo Philharmonic with harp soloist Birgitte Volan Håvik and chief conductor Klaus Mäkelä perform Claude Debussy's Danse sacrée et danse profane in Oslo Concert Hall on 16th October 2020.
Video production: Trippel-M Levende Bilder
Multicamera director: Robin Richardsen
Sound production: LAWO
Music Producer: Vegard Landaas
Lighting design: Petter Dahl Nielsen
Ravel, Maurice INTRODUCTION ET ALLEGRO, P.SCORE
Rampal Plays Schubert, Schumann, Debussy, Ravel (1951-58)