ヒナステラ「パンペアーナ」チェロとピアノのための狂詩曲2番 | 翡翠の千夜千曲

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Ginastera: Pampeana No. 2, Rhapsody for Cello & Piano Op. 21. Santiago Cañón-Valencia

Santiago Cañón-Valencia, Cello 

Naoko Sonoda, Piano

 

 

 

 聴いてお分かりの通り、ペンタトニックで書かれた作品です。「パンペアーナ」狂詩曲と言う意味ですが、技巧的にも凝った作品でありながら内的な感性を感じさせる作品となっています。アルベルト・エバリスト・ヒナステラ(Alberto Evaristo Ginastera,1916年4月11日 - 1983年6月25日)は、アルゼンチンのクラシックの作曲家です。ヒナステーラとも呼ばれます。ブラジルのヴィラ=ロボス、メキシコのチャベスやポンセらと並び、ラテンアメリカでもっとも重要なクラシック作曲家の一人とされています。

 ヒナステラとはスペイン語読みです。イタリア系アルゼンチン人である彼の苗字はジナステラと読むのが正しいそうで、本人もそう発音されることを望んでいたと言います。ブエノスアイレス生まれで、ブエノスアイレス音楽院を卒業後、1945年から1947年にかけてアメリカ合衆国を訪れ、アーロン・コープランドにタングルウッド音楽センターで学びました。その後ブエノスアイレスに帰り、そこで作曲家協会を共同で設立し、数々の指導の後、1968年からアメリカへ戻り、1970年からヨーロッパに移住。ジュネーヴで67年の生涯を終えました。

 アルゼンチン音楽の元にしながら、オスティナート語法を多用した明快な作風で知られます。その後は次第に原始主義的・無調的な作風に移行し、十二音技法や微分音も用いましたが、本人は、彼の音楽を3つの時期に分類している。1期目は「客観的愛国心」(この時期の作品はアルゼンチン民謡をじかに用いた曲が多い)、2期目は「主観的愛国心」(1948年〜、このころには、民謡を直接的には使っていないが、はっきりとアルゼンチンの個性が残っている)、そして3期目は「新表現主義」(1958年〜 、民謡の要素は連続の技法を使用し、より近代的な作風になっている)というように自分の作品を分析しています。

 私は、数年前に「エスタンシア」を演奏しましたが、非常にパワーのいる曲で演奏者も余り演奏したことのないタイプの曲でした。しかし、非常に楽しんで演奏してくれたことを覚えています。

 

※ 以前の記事

○ 南米の作曲家たち ② アルゼンチン編

○ エネルギーと静謐と / ヒナステラ「ハープ協奏曲」

 

※ 今日のミュージックダイヤリー

1888年4月11日 - アムステルダムのコンサートホール・コンセルトヘボウが開場。
1988年4月11日 - 坂本龍一が映画『ラストエンペラー』の音楽で日本人初のアカデミー賞オリジナル作曲賞を受賞。
1988年4月11日 - 美空ひばりが東京ドームで5万人を集めた「不死鳥コンサート」を開催。
1886年4月11日 - 鳥居維誕生、ヴァイオリニスト、作曲家(+ 1966年)
1908年4月11日 - カレル・アンチェル誕生、指揮者(+ 1973年)
1916年4月11日 - アルベルト・ヒナステラ誕生、作曲家(+ 1983年)
1931年4月11日 - すぎやまこういち誕生、作曲家(+ 2021年)
1853年4月11日 - ルイ・エマニュエル・ジャダン没、作曲家(* 1768年)
1969年4月11日 - ルドヴィク・イルゲンス=イェンセン没、作曲家(* 1894年)

 

※ 日高市吹奏楽団第22回定期演奏会のおしらせ

 

※ 演奏会のご案内⑬ ダンシングフルートVol2

 

※ 演奏会のお知らせ⑭ 翡翠トリオピアノ三重奏の夕べ

 

 

MSOCH603

パンペアーナ・No.2(アルベルト・ヒナステラ)(チェロ+ピアノ)【Pampeana No. 2】

 

パンペアーナ / 銅銀久弥, 林絵里

銅銀久弥 、 林絵里

【曲目】
1. A.ヒナステラ:パンペアーナ 第2番 作品21
2. A.ピアソラ:ル・グラン・タンゴ
3-8. M.deファリャ:スペイン民謡組曲
9. N.パガニーニ:カンタービレ 作品17
10. G.フォーレ:エレジー 作品24
11. G.フォーレ:夢のあとに 作品7-1
12. C.サン=サーンス:白鳥
13. C.ドビュッシー:美しい夕べ
14. M.T.von パラディース:シチリアーナ
【演奏】
銅銀久弥(チェロ)
林絵里(ピアノ)