ホルンの出番です381 ラリオーノフ/ミシェル編曲「カリンカ」 | 翡翠の千夜千曲

翡翠の千夜千曲

音楽を学びたい若者で困難や悩みを抱えている人、情報を求めている人のための資料集

Kalinka

Kalinka · Ivan Petrovitsch Larionov · Ivan Larionov 

Four Corners! 

℗ 2011 Gebr. Alexander GmbH 

Released on: 2011-11-07

 

Ivan Petrovič LARIONOV: Kalinka

 

 

 

 

 樹木の寿命は人間よりも長いものが多いようです。数百年を超えたものは、ご神木などとと言われて日本では信仰の対象になったり、神社や仏閣などでシンボル的な地位を占めるものもあります。それでなくても、草や木は物言わぬ隣人であり、道端の花や緑の葉にふと慰められることはいかほどありましょうか。今は、正に山笑う時。無機質の様な枯れた枝ばかりに見えた山々の木々は、若い淡い葉を開き始めて「緑」という範疇に納まりきれない数えきれない数の緑色を生み出します。木肌に近い茶色を放つものあれば、つつじやもみじは赤みを帯びることもあり、ダケカンバや唐松などは黄みを帯び、針葉樹に近いものは黒みを感じるほどです。

 北原白秋は、「からたちの花」「橡(つるばみ)」「黒檜」「桐の花」「からまつ」など多くの木や花を歌っています。その中の一つが「海の向こう」と言う詩に書かれたさんごじゅです。

 

北原白秋「海の向う」


さんごじゅの花が咲いたら、
さいたらといつか思った、
さんごじゅの花が咲いたよ。

あの島へ漕いで行けたら、
行けたらと思った、
その島にけふは来てるよ。

あの白帆どこへゆくだろ、
あの小鳥どこへゆくだろ、
あの空はどこになるだろ。

行きたいな、あんな遠くへ、
あの海の空の向こうへ、
今度こそ遠く行こうよ。

 

 今日聴きます「Kalinka 」とは、日本で言う「さんごじゅ」のことなのです。

和名サンゴジュ(珊瑚樹)英名sweet viburnum
サンゴジュ(珊瑚樹、学名: Viburnum odoratissimum または Viburnum odoratissimum var. awabuki)は、ガマズミ科ガマズミ属に属する常緑高木である。暖地の海岸近くに生え、珊瑚に見立てられた赤い果実がつき、庭木、生け垣、防風・防火樹に利用される和名サンゴジュは、盛夏から秋に真っ赤に熟す果実が柄まで赤く、この姿をサンゴに見立てたのが由来となっている。
 標準学名の Viburnum odoratissimum var. awabuki は、中国名で「日本珊瑚樹」とされ、APG体系でガマズミ科・レンプクソウ科、クロンキスト体系・新エングラー体系でスイカズラ科に分類される。広義の学名は Viburnum odoratissimum で、中国名で「珊瑚樹」とされる。

 

 カリンカは、ロシアの愛唱歌ですが、「カリンカ」とは、ロシアで代表的な種はセイヨウカンボクのことで、ロシア語「カリーナ」(калина)の指小形です。簡単に言えば「ガマズミさん」「ガマズミちゃん」といった意味です。この歌は、長い間ロシア民謡と考えられていましたが、実際には、作曲家で作家そして民謡研究者のイワン・ペトローヴィチ・ラリオーノフが1860年に作詞・作曲した作品です。この歌の初演は、ラリオーノフが音楽を書いたサラトフのアマチュア劇団の芝居で、舞台上で歌われたものです。

 初演からまもなくして、ラリオーノフの友人で自ら設立した合唱団も擁していた、歌手のドミートリー・アレクサンドロヴィチ・アグレネフ=スラヴャンスキーの依頼に応じ、スラヴャンスキーのレパートリーにこの歌を加えることにしました。スラヴャンスキーの合唱団のレパートリーとなってから、「カリンカ」は人気を集め始めた。日本語詞では、井上頼豊の訳詞や楽団カチューシャによる詞知られています。

 イヴァーン・ペトローヴィチ・ラリオーノフ( Ivan Petrovich Larionov, 1830年1月23日 – 1889年4月22日)は、ロシア帝国の作曲家・作家・民謡研究家。ペルミの貴族の家庭に生まれ、モスクワで音楽を学びました。今日は、何回か紹介したベルリンフィルのメンバーによる「フォーコナーズ」のCDから紹介します。

 そう言えば、シベリウスは「樅の木」を書き、シューマンは「ミルテの花」、シューベルトは「菩提樹」を書いたように、多くの詩人や作曲家が、花や木の曲を多く書いています。あなたは、幾つ思い出すことができますか。

 

 カリンカ

1.
Калинка, калинка,калинка моя!
В саду ягода малинка, малинка моя!

カリンカ(ガマズミ)カリンカ
私のカリンカよ!
庭には私のマリンカ(エゾイチゴ)が
マリンカの実がある

Хэй! калинка, калинка, калинка моя!
В саду ягода малинка, малинка моя!

ヘイ!カリンカ カリンカ
私のカリンカよ!
庭には私のマリンカが
マリンカの実がある

2.
Ах! Под сосною, под зеленою,
Спать положите вы меня.
Ай люли, люли, ай люли, люли,
Спать положите вы меня.

ああ!マツの下で 緑の下で
眠らせてくれ
アイ リューリ リューリ
アイ リューリ リューリ
眠らせてくれ

3.
Ах! Сосёнушка ты зелёная.
Не шуми же надо мной!
Ай люли, люли, ай люли, люли,
Не шуми же надо мной!

ああ!緑の若いマツの木よ
私の上で さわめくな
アイ リューリ リューリ
アイ リューリ リューリ
私の上で さわめくな

4.
Ах! Красавица, душа девица,
Полюби же ты меня!
Ай люли, люли, ай люли, люли,
Полюби же ты меня!

ああ!美しい人よ 若い娘よ
私を好きになっておくれ!
アイ リューリ リューリ
アイ リューリ リューリ
私を好きになっておくれ!

Хэй! калинка, калинка, калинка моя!
В саду ягода малинка, малинка моя!

ヘイ!カリンカ カリンカ
私のカリンカよ!

庭には私のマリンカが
マリンカの実がある

 

ロシ語のところは「カリンカ カリンカ カリンカ マヤ」日本語では「カーリン、カカリンカカリン、カマヤ」のように歌っています。

 

※ 日高市吹奏楽団第22回定期演奏会のおしらせ

 

※ 演奏会のご案内⑬ ダンシングフルートVol2

 

※ 演奏会のお知らせ⑭ 翡翠トリオピアノ三重奏の夕べ

 

 

フォー・コーナーズ! ベルリン・フィルハーモニー・ホルン・カルテット

01ベスト・オブ・ザ・ウェスト (名作西部劇より)

02オールマン・リヴァー

03ベサメ・ムーチョ

04コンドルは飛んでいく

05コラレーラ

06アリア・カンティレーナ (ブラジル風バッハ第5番~第1楽章) (ヴィラ=ロボス)

07「三角帽子」~粉屋の踊り (ファリャ)

08パリの空の下

09フォー・コーナーズ (イングランド・アイルランド・ウェールズ・スコットランド各民謡より)

10アニトラの踊り (グリーグ)

11ソルヴェイグの歌 (グリーグ)

12山の魔王の宮殿にて (グリーグ)

13ピツィカート・ポルカ (J.シュトラウス2世、ヨーゼフ・シュトラウス)

14フニクリ・フニクラ

15誰も寝てはならぬ (プッチーニ)

16カリンカ

17ライオンは寝ている

18ワンタン・ホルンズ (チャイニーズ・キッチン・ドリームズ)

19ずいずいずっころばし

20東京地下鉄ポルカ (または「西高島平」)

21ワルツィング・マチルダ

22ブラームスの子守唄 (ブラームス)