カステルヌオーヴォ=テデスコ「ギター協奏曲」第1番 | 翡翠の千夜千曲

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Castelnuovo Tedesco Concerto op 99 (complete) for guitar and Orchestra Marco Salcito guitar

M. Castelnuovo-Tedesco Concerto op. 99 for guitar and Orchestra. 

Orchestra Sinfonica Abruzzese Marcello Bufalini Conductor, 

Marco Salcito guitar.

 Live recording (complete) January 2016 

Ridotto del teatro L'Aquila, Italy.

 www.sinfonicaabruzzese.it www.

marcosalcito.it Marco Salcito plays a guitar by Enzo Guido 

www.enzoguido.com 

Francesco Apolloni Sound ingeneer Nicola Cinquina video recording

 

 

 

 人生の中で誰と出会うかはとても重要だと何度も書いてきました。カステルヌオーヴォ=テデスコにおいてもそれは同じでした。彼がセゴビアと出会ったことによって、この「ギター協奏曲 第1番」が生まれ、その後100曲にもわたってギターの曲が生まれました。これらはギター界にあっても重要なレパートリーとなりましたから二人が出会ったことは、他の人間にとっても意味のあることと言えるのです。

 それは、何も巨匠に起こることでは無く、今あなたがそこにいること自体が意味のあることで、貴方と出会う誰かが貴方に何をしてくれるかではなく、貴方がその人にしてあげることかもしれません。或は、貴方が出会うべき人は、行きつけの飲み屋で偶然隣に座った人かもしれません。その出会いの意味は、損得ではなく、ストンと心に落ちる出来事かもしれません。或はその時には気づかなかったことが後になってその意味を知るかことも知れないのです。

 それは1932年のことです。その年の国際現代音楽協会(ISCM)ヴェネツィア大会で、カステルヌオーヴォ=テデスコはスペインのギタリスト、アンドレス・セゴビアと初めて出逢うのです。この出会いに触発されて「ギター協奏曲 第1番」が生まれました。これによってカステルヌオーヴォ=テデスコは、20世紀におけるギター音楽作曲の大家として名声を得ることになります。ほかにも「世紀を越える変奏曲」、ギター・ソナタ「ボッケリーニを称えて」などの作品が有名です。

 しかし、その後誕生するファシズムの政権によって、カステルヌオーヴォ=テデスコは活躍の場を失い、ユジン知人たちの助けによってアメリカへ活動の場を移していくことになります。この出会いは、実に悪しき出会いでした。

 

※ 以前の記事

○ フルートの出番です233 カステルヌォーヴォ=テデスコ「ソナティナ」

○ ホルンの出番です338 カステルヌーヴォ-テデスコ「コラールと変奏」

 

※ 演奏会のご案内⑬ ダンシングフルートVol2

 

※ 演奏会のお知らせ⑭ 翡翠トリオピアノ三重奏の夕べ

 

 

【輸入楽譜】カステルヌオーヴォ・テデスコ, Mario: ギター協奏曲 第1番 ニ長調 Op.99/セコヴィア編 画像はIMSLPによるものです

 

 

ロドリーゴ:アランフェス協奏曲/ヴィラ=ロボス:カステルヌーヴォ=テデスコギター協奏曲(クラフト/ウォード)

RODRIGO / VILLA-LOBOS / CASTELNUOVO-TEDESCO: Guitar Concertos