ロンビ「北国のシュトラウス」 | 翡翠の千夜千曲

翡翠の千夜千曲

音楽を学びたい若者で困難や悩みを抱えている人、情報を求めている人のための資料集

Hans Christian Lumbye "Champagner Galopp"

 

V6 Hans Christian Lumbye Railway Galop

 

 

 

 

   「憧れるのはやめましょう」そう言ったのは大谷翔平ですが、ロンビは憧れて成功した人と言えます。勿論大谷が言ったのは普段は憧れている選手に打ち勝とう、今日は貴方が憧れられる人になりましょうと言った意味だったかもしれません。憧れは、誰をも勇気づけ、夢を与えてくれるものです。私も貴方もいつの頃だったか何かに憧れて今があるのではありませんか?

 ハンス・クリスチャン・ロンビ( Hans Christian Lumbye, 1810年5月2日 - 1874年3月20日)は、デンマークの舞曲の作曲家です。姓は「ロンビー」「ロンピュー」「ルンビー」などと発音するようです。

 1843年から1872年までチボリ公園の楽長ならびに専属作曲家を務める、と資料にありますが最近まで上岡敏之が首席指揮者を務めていたコペンハーゲン・フィルハーモニー管弦楽団 という名前でも知られるチボリ交響楽団を指します。サマー・シーズン中はチボリ公園内にあるチボリ・コンサート・ホールを本拠地とし、チボリ交響楽団という名前で演奏を行なっています。

 そのロンビはデンマーク国内での人気は高く、コペンハーゲンの住民はロンビを尊敬するあまりに、ヨハン・シュトラウス2世のことを「南のロンビ」と呼んでいたそうです。正に逆転現象です。1820年代にヴァイオリン奏者やトランペット奏者として活動を始めますが、1839年にウィーンでヨーゼフ・ランナーやヨハン・シュトラウス1世の作品に接して感銘を受け、それ以降は彼らのような舞曲の作曲家に転向したのです。ですから「北国のヨハン・シュトラウス」と呼ばれたロンビハは、オーケストラのためのワルツやポルカ、マズルカ、ギャロップと言った作品を遺しています。

 その作品は、軽音楽的存在として有名で、その多くは様々なものを描写していて、「シャンパン・ギャロップ」は「シャンパンのコルクを抜いたときのはじけた音」に始まり、「コペンハーゲン蒸気機関車のギャロップ」は、列車が駅から走り出して次の駅に停車するまでを忠実に音楽的に再現している。チボリ公園の楽長及び専属作曲家を務めていたためチボリ公園に関する数多くの作品を残した。有名なシャンパン・ギャロップは1844年にチボリ公園の開園1周年を祝うために作曲されたものである。他にも多くの作品を残しており、現在もチボリ公園内にはロンビの銅像やレリーフが置かれてある。

 

 

 

※ 演奏会のご案内⑬ ダンシングフルートVol2

 

※ 演奏会のお知らせ⑭ 翡翠トリオピアノ三重奏の夕べ

 

 

 

ロンビとその時代の響き

ラルス・ウルリク・モーテンセン 、 コンチェルト・コペンハーゲン

【曲目】
1. ハンス・クリスチャン・ロンビ(1810-1870):シャンパン・ギャロップ Op. 14(1845)
2. ロンビ:アンダンテ・カンタービレとタランテッラ(1843)*
3. ヨーゼフ・ランナー(1801-1843):ワルツ「モーツァルト党」 Op. 196(1842)
4. ヨハン・シュトラウスI世(1804-1849):シャンパン=ワルツ Op. 14(1828)
5. ロンビ:Ekko fra de gamle guder pa Tivolioen チボリ島の古き神々からのこだま(1844)
6. カール・ミカエル・ベルマン(1740-1795):Solvbryllupsvals ワルツ「銀婚式」 (1840)(ロンビ編)*
7. ロンビ:Bellmans fest pa Djurgarden ユールゴーデンのベルマンの祝宴(1844)*
8. ロンビ:Figaro Vals フィガロ・ワルツ(1841)*
9. ロンビ:ポルカ「Tivoli Bazaar Tsching-Tsching」(1843)

*…世界初録音

【演奏】
コンチェルト・コペンハーゲン(古楽器使用)
ラース・ウルリク・モルテンセン(指揮)

【録音】
2022年11月13-16日
Dronningesalen, Den Sorte Diamant(The Black Diamond)、コペンハーゲン(デンマーク)
総収録時間:65分