ホルンの出番です369 「木管八重奏変ホ長調」作品103 | 翡翠の千夜千曲

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Beethoven - Wind Octet in E-Flat major, Op. 103 - Flanders Symphony Orchestra

00:00 - Intro 

00:07 - I. Allegro 

07:40 - II. Andante 

13:13 - III. Menuetto: Allegro 

16:24 - IV. Finale: Presto 

 

Korneel Alsteens, oboe 

Pieter Jaspers, oboe 

Daniel Mourek, clarinet 

Tom Daans, clarinet 

Koen Coppé, bassoon 

Simon Van den Broecke, bassoon 

Adam Howcroft, horn 

Frank Clarysse, horn 

Recorded 20.08.2020 at Muziekcentrum De Bijloke Gent door Acoustic Recording Service

 

Beethoven String Quartet No 4 Op 18 in C minor Alban Berg Quartett

 

ベートーヴェン:弦楽五重奏曲変ホ長調 作品4 (スコア付き)

作曲年代:1795年 演奏:エンデリオン四重奏団

00:00 第1楽章 Allegro con brio (変ホ長調) 

10:42 第2楽章 Andante (変ロ長調) 

18:16 第3楽章 Menuetto: Allegretto - Trio I & II (変ホ長調-変イ長調) 

24:03 第4楽章 Finale: Presto (変ホ長調) 

「弦楽五重奏曲変ホ長調 作品4」は、1792年の「八重奏曲変ホ長調 作品103」を1795年にベートーヴェン自身が改編したものです。しかし、2つの作品には違いがあります。例えば、第2楽章で主題が変更されている、第3楽章で第2トリオが追加されているなどです。

 

 

 

 作曲家が同じ曲を編成を変えて編曲することはよくあることです。解説などによると「使い回し」などという表現も時折見かけます。しかし、なぜそうしたかという目的を知ればそうした表現は自ずと控えられることになるでしょう。どうやら、ベートーヴェンは様々な組み合わせによる響きを研究していたと見られます。 

 さて今日は、そのベートーヴェンの比較研究をしたいと思います。ホルンの日なので「木管八重奏曲 変ホ長調 」Op.103が主になりますが、少し研究していきたいと思います。「管楽器のための8重奏曲」変ホ長調 Op.103は、1792年に作曲され1793年に改変された作品です。
ベートーヴェンが22~3歳ごろの作品と言うことになりますが、作品番号でいえば1番とか2・3番あたりの番号になるはずですが、どういう訳で103番なのか疑問が残ります。

 実はこの曲はベートーヴェンが亡くなった後の1830年に出版されたためにこの作品番号が付いたという訳です。改変された作品を弦楽5重奏に書き改め、1796年に「Op.4」として出版しています。弦楽5重奏という新しい試みを開拓するべく試みた所産とも言うべき実験的な曲の素材として作品103を使用したと言うことになります。
 さらに1806年、ベートーヴェンの友人の一人であったフランツ・クラインハインツが弦楽5重奏からピアノ3重奏曲に編曲し、ベートーヴェンが承認したためOp.63として出版されています。森永製菓ではないですがあのフレーズみたいに、それぞれ味わいが違うのを感じ取ってみてください。さすがにベートーヴェンと言わざるを得ません。 
 今日聴く編成はオーボエ・クラリネット・ファゴット・ホルンが各2本で、この編成はモーツァルトの管楽セレナーデと同編成なので、何らかの啓示を受けたのかもしれません。青年ベートーヴェンの溌剌とした青年時代を思わせる軽やかで明るく爽やかな4つの楽章で構成されています。録音状態や音量の問題もあるでしょうが、弦楽合奏は力強く木管の合奏は柔らかく聞こえてきます。

 実はもう一つの情報がありますので、当時のウイーンを覗いてみましょう。ベートーヴェンの作曲した室内楽では一番大きい編成であるこの八重奏曲は、1770年代から80年代を通してウィーンで大変に好まれた管楽合奏のアンサンブルで、特にベートーヴェンがこの作品で設定したオーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴット各2管の編成はハルモニー編成とも呼ばれたものなのです。モーツァルト音楽の擁護者であるウィーンの神聖ローマ皇帝ヨーゼフ2世が特に好んで、宮廷楽団の中にハルモニー合奏団を常設していた位だったのです。それなのに、当時のベートーヴェンはこれを発表しなかったのは、それなりに理由がありそうですがあまり無責任なことは言えません。真相や如何に?

 

※ 演奏会のご案内⑫

 

変ホ長調 Op103(木管8重奏)/Octet Op. 103

  • ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン

ベートーヴェン:八重奏曲 Op. 103/モーツァルト:セレナード第11番、第12番(パリ・バスティーユ木管八重奏団)

BEETHOVEN, L. van: Octet, Op. 103 / MOZART, W.A.: Serenades Nos. 11 and 12 (Paris-Bastille Wind Octet)

 

アルバン・ベルク・カルテット - ベートーヴェン:弦楽四重奏... - アルバン・ベルク・カルテット CD XGVG