デュカス:交響的スケルツォ「魔法使いの弟子」 | 翡翠の千夜千曲

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         Dukas : L'apprenti sorcier, scherzo symphonique

 

 

 

 日本の漫画、そしてアニメーションは世界的になりました。手塚治虫はディズニーのアニメーションを見て自分もいずれは独自のアニメーションを作り上げようとしますが、その時こんなことを言っています。「ディズニーのアニメーションは好きだけれども、あの妙になまめかしい動きは好きじゃない」正確かどうかは不明ですがそう言った趣旨のことです。

 その、ディズニーの初期の作品を見てみると最初のミッキーは痩せていて、表情もそれほど可愛いものではありませんでした。しかし、その絵も次第に現在私たちが知っている作品のように変化していき、先に書いたような滑らかな動きに変わっていくと世界のおとぎ話にも挑戦していきます。その延長線上に連なるのでしょうか、「ファンタジア」と言った作品も生まれてきます。これはフランスの作曲家「デュカス」が作曲した「魔法使いの弟子」をアニメーション化したもので、弟子の役をミッキーが演じて有名になりました。これは、ゲーテが、サモサタのルキアノスの詩「うそを好む人たち」という作品に基づいて書き上げたファンタジーです。デュカスがそれを交響詩にしたものです。ここでは、それぞれの登場人物にワーグナーのようにライトモチーフを設けて表現しています。

 詩の内容は大体次のようなものです。

 老いた魔法使いが若い見習いに雑用を言い残し、自分の工房を旅立つところから物語が始まる。見習いは命じられた水汲みの仕事に飽き飽きして、箒に魔法をかけて自分の仕事の身代わりをさせるが、見習いはまだ完全には魔法の訓練を受けていなかった。そのためやがて床一面は水浸しとなってしまい、見習いは魔法を止める呪文が分からないので、自分に箒を止める力がないことを思い知らされる。絶望のあまりに、見習いは鉈で箒を粉々にするが、さらに箒の破片が新たな箒となり、水汲みを続けていき、かえって速く水で溢れ返ってしまう。もはや洪水のような勢いに手のつけようが無くなったかに見えた瞬間、師匠の魔法使いが戻ってきて、たちまちまじないをかけて急場を救い、弟子を叱り付けるのだった。

 

 

     

       "The Sorcerer`s Apprentice"(ファンタジア 'Fantasia' Theme song)

 

 さて、「すずめの戸締り」を水曜日に見に行きました。アイディアも映像もいかにも新海誠さんらしい作品だと思いました。相変わらず、キャラクターへの無茶ぶりは少々無理が有ると思いますが、良い作品だと思います。特に最後は、とても心動かされました。相変わらず空の描写がいいね!

 それよりと言ったら失礼でしょうか、最初と最後に歌われる女の子の歌が気になってしようがなかったことです。調べたら「RADWIMPS - すずめ feat.十明 」等言うのがそれでした。この歌、特に女の子の声にとても心惹かれました。この作品、時間がありましたらあなたもどうぞご覧ください。あ、もう観た!

 

※ 以前の記事

① ホルンの出番です56 デュカス「ヴィラネル」

② ホルンの出番です116 デュカス「ペリへのファンファーレ」

 

デュカス:魔法使いの弟子

オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団 (アーティスト, 演奏), & 2 more  Format: Audio CD

 

Fantasia DVD

Format: DVD