アーン「ルール・ブリタニア」前古典派の音楽23 | 翡翠の千夜千曲

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Rule Britannia! - Aida Garifullina & Rock Choir (Proms in Hyde Park 2019)

    

       

 

 

 先ずは、この歌をお聴きなさいな。たとえ、まずいイギリス料理を食べながら、アメリカ人を奥さんにして日本の家に住むのがステイタスだなんて嫌味を言われても、この歌を歌っている彼らを見たらイギリス人もそう捨てた奴らではないかと思えるかもしれません。

 これを作曲したトマス・オーガスティン・アーン(Thomas Augustine Arne,1710年 – 1778年)はイギリスの作曲家です。イギリスの愛国歌「ルール・ブリタニア」の作曲者として有名です。ご覧の通り、この曲は現在でもしばしば歌われています。BBCでは毎年やるらしいです。何か見ているこちらも笑顔になってしまうではありませんか。

 アーンはロンドンで室内装飾業の家庭に生まれました。イートン・カレッジで教育を受け、若くして音楽に興味を持つようになります。父親のトマス・アーンはアーンを弁護士にしたかったようですが、ヴァイオリンを学ぶことは許しました。そのうち息子がステージで活躍するのを見ると、父親は息子が音楽家になることを認めます。

 アーンはジョン・フレデリック・ランプ、ヘンリー・ケアリー (Henry Carey (writer)) らと協力して、1732年にイギリス・オペラを結成した。イギリス・オペラはまず3月にランプのオペラ『アメリア』によって開始された。このときに妹でアルト歌手のスーザナ・マリア・アーン(のちに1734年に結婚して、シバー夫人(Mrs. Cibber)と呼ばれるようになる)を歌わせて成功した。ついで5月にヘンデルがかつて作曲した仮面劇『エイシスとガラテア』を海賊上演した。アーン本人はイギリス・オペラのために英語オペラ『ロザモンド』や『オペラの中のオペラ』を作曲・上演している。

 1737年に声楽家セシリア・ヤングと結婚。セシリアは、ランプと結婚した歌手イザベラ・ヤングと姉妹であり、アーンとランプは義兄弟となった。

 イギリス・オペラは1734年に本拠をドルリー・レーン劇場に移した。1738年にはミルトンにもとづく仮面劇『コーマス』 (Comus (Arne)) を上演した。この作品は長期に渡って人気作品となった。

 アーンのオペラと仮面劇は非常に有名になり、英国皇太子フレデリック・ルイスの庇護を受けた。1740年にクリヴドンの東宮御所で仮面劇『パリスの審判』と『アルフレッド』 (Alfred (Arne opera)) が初演されている。有名な「ルール・ブリタニア」は『アルフレッド』の中の曲だが、この曲がロンドンでの公開初演されたのは1745年のことだった。

 アーンは、オペラだけではなく宗教曲や交響曲なども作曲しています。交響曲は、サンマルティーニのシンフォニアとほぼ同じタイプの作品で、私たちがいずれ出会うハイドンの形まではもう少し時を待たねばありません。

 

    

          Thomas Arne - The Morning, Cantata

May the 18th, 2018 Schola Cantorum Basiliensis (Basel, Switzerland) Soprano: Anastasia Terranova Recorder: Emile ter Schegget

 

    

         Thomas Arne Four Symphonies, Adrian Shepherd

Thomas Arne Four Symphonies 1. Symphony No. 1 in C Major 2. Symphony No. 4 in C Minor 8:38 3. Symphony No. 2 in F Major 22:58 4. Symphony No. 3 in E-Flat Major 32:29 Cantilena Adrian Shepherd, Conductor

 

 

 

Sym.1-4: Shepherd / Cantilena

Arne, Thomas Augustine (1710-1778)