N.ロータ作曲 フルートとハープのためのソナタ
今日は、映画音楽の巨匠ニーノ・ロータの作品を聴きたいと思います。1937年の作ですからまだ若い頃の作品です。気取りのないシンプルで分かり易い構造の作品です。
ニーノ・ロータ(Nino Rota, 1911年 - 1979年)は、イタリア生まれの作曲家です。クラシック音楽と映画音楽で活躍しました。本人は「本業はあくまでクラシックの作曲であり、映画音楽は趣味にすぎない」と言っていましたが、映画音楽の分野で多大な業績を挙げており、死後クラシックの作品も注目を浴びるようになりました。
北イタリアのミラノ出身。11歳でオラトリオ、13歳でオペラを作曲し、ミラノ音楽院、サンタ・チェチーリア音楽院[1]で学んだ。その後米国に渡り、カーティス音楽学校に学んだ。帰国後ミラノ大学に入学し、文学と哲学を並行して専攻。
大学卒業後は音楽教師となり、その傍らクラシック音楽の作曲家として活動を開始。1942年以降、映画音楽の作曲も始めた。1951年、当時新進映画監督として注目を集めたフェデリコ・フェリーニと出会い、その後フェリーニの映画のほとんどの音楽を手がけることになった。
フェリーニ監督以外の映画音楽も多数手がけ、1968年にはフランコ・ゼフィレッリ監督の『ロミオとジュリエット』の音楽を担当した。同作品の「ワット・イズ・ア・ユース」はグレン・ウェストンが歌っている。フランシス・フォード・コッポラ監督の『ゴッドファーザー』の音楽はロータの代表作となり、「愛のテーマ」は多くの人々に親しまれた。
ウィキペディア
紛れもなく優れた映画音楽作品を数多く書きました。メロディストで、旋律の美しさは絶品です。このフルートとハープのソナタはシンプルで古風なスタイルで書かれています。技術的にも難曲ではありませんが、それだけに、音自体の透明感や美しさを追求してほしいものです。
アンネレーン・レナエルツ、エマニュエル・パユ、アドリアン・ペルション&ブリュッセル・フィルロータ、ニーノ(1911-1979)
ロータ:
1. ハープと管弦楽のための協奏曲
2. フルートとハープのためのソナタ
3. サラバンドとトッカータ
4. 映画『ゴッドファーザー』より組曲(愛のテーマ/ワルツ/マイケルのテーマ)
5. 映画『ナイル殺人事件』より『ナイルの旅』
6. 映画『甘い生活』より組曲(甘い生活のテーマ/ヴェネト通りにて/ノットゥルノ/貴族たちの甘い生活/甘い生活のブルース/フィナーレ)
7. 映画『ロミオとジュリエット』より『愛のテーマ』
8. 映画『じゃじゃ馬ならし』序曲
アンネレーン・レナエルツ(ハープ)
エマニュエル・パユ(フルート:2)
ブリュッセル・フィルハーモニー管弦楽団(1,4-8)
アドリアン・ペルション(指揮:1,4-8)
アンネレーン・レナエルツは1987年ベルギー生まれ。2008年からブリュッセルとパリの音楽院でハープを学び、23ものコンクールで様々な賞を受賞。その中にはハープ奏者にとって最高の栄誉である「リリー・ラスキーヌ国際ハープ・コンクール」でのグランプリ(最高賞)も含まれています。その後様々なヨーロッパ中のオーケストラと共演。2010年12月からはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の首席ハープ奏者を務めています。
すでに2枚のアルバムを発売していますが、今回は映画音楽の巨匠ニーノ・ロータの作品を演奏。ニーノ・ロータは、映画音楽ばかりでなくクラシック音楽の分野での人気ももちろん高く、どちらの分野でも素晴らしい音楽を書いています。1947年作曲の『ハープ協奏曲』は一聴自然でわかりやすいメロディですが、実際はハーピストにとっては非常にテクニックを要する作品。ニーノ・ロータ独自の作風ですが、そこにはなんとなく懐かしさが感じられるものです。1937年の初期の作品である『フルートとハープのためのソナタ』では、フルートのエマニュエル・パユが参加。内面的な対比により哀愁、憂鬱、新しい生命感が吹き込まれ、まさに映像を必要としない物語といえましょう。
1. ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958):グリーンスリーヴズによる幻想曲(1934)
(J.グレイディ編)
2-6. ポール・リード(1943-1997):「ヴィクトリアン・キッチン・ガーデン」組曲(1991)
(C.ゴダールによるフルート・パート編曲)
I. Prelude
II. Spring
III. Mists
IV. Exotica
V. Summer
7. F.クープラン(1668-1733):恋のうぐいす(1772)
8. F.クープラン:勝ちほこるうぐいす(1772)
9. ショーソン(1855-1899):鳥たち(1889)(J.マッケイブ編)
10. ハッセルマンズ(1845-1912):泉 Op.44(1898)
11-13. ニーノ・ロータ(1911-1979):フルートとハープのためのソナタ(1937)
I. Allegro molto moderato
II. Andante sostenuto
III. Allegro festoso
14. オルウィン(1905-1985):ナイアード - フルートとハープのための幻想曲 - ソナタ(1971)
15. ウッダール(1873-1952):セレナード(1907)(E.グッドマン編)
16. エルガー(1857-1934):朝の歌 Op.15-2(1899)(D.ソーシン編)
17. マーソン(1932-2007):フルートとハープのための組曲(1993) - イチゴとクリーム