ラフマニノフ  幻想的小品集より「エレジー」 | 翡翠の千夜千曲

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     Sheku Kanneh-Mason - Rachmaninov, Elégie

 

  悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのだ。そういう不遜なことをいう奴は誰だったっけ。そう思い返して、調べたら居ましたねえ。ジェームズって奴ですよ。あるページにこう書いてありました。

 大学の心理学の教科書に必ずと言っていいほど登場する主張に「悲しいから泣くのではない、泣くから悲しいのだ」というものがあります。 これはアメリカの心理学者ジェームズさんとデンマークの心理学者であるランゲさんの二人により1890年に提唱されたジェームズ=ランゲ説(末梢起源説とも言われる)によるものです。 このジェームズ=ランゲ説とは以下のようなもの。 情動の体験と 表出 に関する古典的学 説 で W. ジェームズ と C.G. ランゲ がほぼ同時期に別個に提唱した。

  科学者と争う気はさらさらありませんし、それほどの論理的根拠を持ち合わせているわけではありませんが、ドラマの悲しいシーンを見て泣いたらなくから悲しいとは言わないと思うのですが。それに、私は、泣くことに対して否定的な考えは持っていません。思うだけなくことによって起きるカタルシスというものもあって、辛い思いから立ち直るには泣くことを我慢する必要はないのだと思います。エレジーの話をするのに長い前置きは、余計でしたね。

  エレジー(elegy, elegíe)は、悲しみを歌った詩などの文学作品、楽曲。日本語では悲歌(ひか)、哀歌(あいか)、挽歌(ばんか)などと訳される。元々は古代ギリシアのエレゲイア(elegeia)で、ある種の韻律、さらに死を哀悼する詩を指した。語源はギリシャ語のエレゴス(elegos)。その他、長音がどうのiがどうのuがどうの、まああるわあるわ。文学、絵画、そして音楽のエレジー、それだけで大きなコーナーが作れます。

  しかし、ここではラフマニノフの幻想的小品集(Morceaux de Fantaisie, )作品3の第1曲のエレジーを指しています。セルゲイ・ラフマニノフが1892年に完成させたピアノ独奏曲集ですが、どの楽章も、性格的小品ではあっても幻想曲には分類しがたく、したがって題名は音楽形式を指していると言うよりも、むしろ曲の空想的な雰囲気を反映していると言うべきであろう。幻想的小曲集と訳す場合もある、などと書かれています。

  第1曲悲歌・エレジーとも訳されます。原題は仏語でÉlégieと書かれています。モデラートの速度による変ホ短調の楽曲。三部形式です。ここでは、旋律をチェロで弾いています。ラフマニノフらしい、長い旋律回しが聞かれます。

 

     

       Andrei Gavrilov plays Rachmaninov Elegie op3 No1

 

<演奏者>

  シェク・カネ=メイソンMBE(1999年生まれ)は、2016年BBCヤングミュージシャン賞を受賞した英国のチェロ奏者です。彼は1978年の発売以来、コンペティションで優勝した最初の黒人ミュージシャンでした。2018年5月19日、ハリー王子のメーガン・マークルの結婚式でクリストファー・ウォーレン=グリーンの指示を受けて演奏したしています。 カンネ=メイソンは現在、1700年に作られたマッテオ・ゴフリラー・チェロを演奏しています。 
  カネ・メイソンはイギリスのノッティンガムで育ちました。6歳でチェロを学び始めた。 9歳の時に、英国で最も高い成績を持つグレード8チェロ試験」に合格し、マルグリット・スワン記念賞を受賞した。 9歳の時に、彼はABRSMジュニア奨学金を獲得し、王立音楽アカデミーのジュニアアカデミーに入り、そこでベン・デイヴィスの指導を受けました。
  彼は2016年5月にBBCのヤング・ミュージシャン・オブ・ザ・イヤー・コンテストで優勝しました。彼は、チネケの一員でした!オーケストラは、黒人と少数民族のクラシック音楽家のためにチチ・ヌワノクによって設立されました。妹のイサタ・カネ=メイソンと兄のブライマもメンバーです。チネケ!本当に感動的なプロジェクトです。かれは、たまにコンサートに行きますが、オーケストラでそのような多様性を見ることはめったにありません。または聴衆の中で。オーケストラを持つことは間違いなく文化を変えるでしょう。9月に演奏するシュヴァリエ・ド・サンジョルジュの作品のように、黒人作曲家の音楽を演奏することはとても重要です。
  Kanneh-Masonは、2016年6月にロンドンに拠点を置くブティックエージェンシー、エンティコット・ミュージック・マネジメントと世界的な一般管理契約を結び、。彼の最初のレコーディングは、彼がBBCの年間最優秀若手ミュージシャン賞を受賞した作品、ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番を特集すると発表しました。 
2018年2月初め、BBCは、カネ・メイソンのアルバム『インスピレーション』が「今年最大売り上げた英国デビュー」であり、18位のイギリスアルバムチャートに入り、イギリスのクラシック・アルバム・チャートで1位となり、Spotifyで250万本のストリームを獲得したと報じています。 
 

  アンドレイ・ガヴリロフ(1955年生まれ)は、ロシア出身のスイス人ピアニストです。1961年にモスクワ中央音楽学校に入学し、アレクサンダー・ゴールデンワイザーと一緒に学んだタティアナ・ケストナーの元で学びました。彼はモスクワ音楽院で別のノイハウスの弟子、レフ・ナウモフとの研究を完了しました。18歳までに、コンサバトリーで1学期を過ぎると、1974年にチャイコフスキー国際コンクールで優勝し、同じ年のザルツブルク・フェスティバルでスヴィアトスラフ・リヒターの代役を務め、国際的な名声を得た。1979年まで、ガブリロフは、大学での研究を続けながら、年間90のコンサートを行う世界のすべての主要な音楽センターで演奏しました。これは、若い頃の演奏ですね。 

 

 

  

ラフマニノフ:ピアノ作品集
アシュケナージ(ウラディーミル) (アーティスト, 演奏), ラフマニノフ (作曲)  形式: CD