R.シュトラウウス「ツァラトゥストラはかく語りき」 | 翡翠の千夜千曲

翡翠の千夜千曲

音楽を学びたい若者で困難や悩みを抱えている人、情報を求めている人のための資料集

 この本を読んで、交響詩に書こうなどと考えるのは、おそらくリヒアルト・シュトラウスにしかいないだろうと考えるのは、私だけではないと思います。何しろ、茶の間の夫婦の話からサロメのようなものまで書いてしまう人間でなければこの曲を書こうと言う発想自体が生まれないはずです。 ロマン・ローランはシュトラウスの音楽を「手慣れて、見事な腕前だが、求心性がなく自己中心的だ」と痛烈な言葉を投げかけていると、万霊節に書きましたがおそらくはこういうことなのでしょう。

  冒頭の部分だけを使って多くのコマーシャルや、2001年宇宙の旅などの映画でも有名になりましたから、多くの人に馴染みはあるでしょうが、逆に最後まで聞いたことがないと言う人も多いはずです。

  「ツァラトゥストラはこう語った」(ドイツ語: Also sprach Zarathustra) 作品30は、リヒャルト・シュトラウスが1896年に作曲した交響詩で、「ツァラトゥストラはかく語りき」とも訳されますが、私は後者の訳で読みました。フリードリヒ・ニーチェの同名の著書にインスピレーションを得て作曲されたと言いますが、原作の思想を具体的に表現したというより、原作のいくつかの部分を選び、それらを描写的に表現したものなのでしょう。

  聞いていくためには、本書を読まないとなどと考えなくてもよろしい。下手に手をつけてはいけません。(もちろん読みたい方を止めることはしません)むしろ、下の資料を参考に音楽を辿る方が良いかもしれません。以下は、ウィキペディア

 

        

   Strauss: Also Sprach Zarathustra / Nott · Gustav Mahler Youth Orchestra · BBC Proms 2009

 

 全体は9部からなり、切れ目なしに演奏される。基本的には自由な形式をとるが、主題の対立や展開、再現などの図式を含むことからソナタ形式の名残を見ることもできる。演奏時間は約33分である。
Einleitung(導入部)
  "Sonnenaufgang"(日の出)とも。C音の保持音の上に、トランペットによって “自然の動機” が奏される。後述の通りの非常に有名な場面である。
Von den Hinterweltlern(世界の背後を説く者について)
  「自然」を象徴する導入部のハ長調に対し、「人間」を象徴するロ長調に転じ、低弦のピッツィカートに上行分散和音を基本とした “憧憬の動機” が提示される。ホルンによってグレゴリオ聖歌「クレド」の断片が提示され、キリスト教者が暗示されると、ハ長調とロ長調のどちらからも遠い変イ長調によって、20以上の声部に分かれた弦楽を中心に陶酔的なコラールが奏される。
Von der großen Sehnsucht(大いなる憧れについて)
  既出の動機や聖歌「マニフィカト」の断片が並列される短い経過句に続き、「世界の背後を説く者」のコラールと、“憧憬の動機” から派生した低弦の激しい動機が拮抗しながら高まっていく。
Von den Freuden und Leidenschaften(喜びと情熱について)
  2つの新しい動機、比較的狭い音域を動くものと十度音程の跳躍を含むものが提示され、活発に展開されていく。展開の頂点においてトロンボーンに減五度音程が印象的な “懈怠の動機” が提示されると、徐々に音楽は静まっていく。
Das Grablied(墓場の歌)
  「喜びと情熱について」と共通の動機を扱うが、そちらとは異なりしめやかな雰囲気を持つ。弦楽パートの各首席奏者がソロで扱われる書法が試みられている。
Von der Wissenschaft(学問について)
  “自然の動機” をもとにした12音全てを含む主題による、低音でうごめくようなフーガ。それが次第に盛り上がると、高音を中心とした響きになり “舞踏の動機” が提示される。“自然の動機” と “懈怠の動機” による経過句が高まり、次の部分に移行する。
Der Genesende(病より癒え行く者)
  「学問について」と共通の主題によるフーガがエネルギッシュに展開される。徐々に “懈怠の動機” が支配的になると、“自然の動機” が総奏で屹立し、ゲネラルパウゼとなる。
  “懈怠の動機” “憧憬の動機” による経過句を経て、トランペットによる哄笑や、小クラリネットによる “懈怠の動機” などが交錯する諧謔的な部分に入る。“舞踏の動機” や “憧憬の動機” を中心にクライマックスが形成されると、フルート・クラリネットによる鈴の音が残り、次の部分に移行する。
Das Tanzlied(舞踏の歌)
 全曲の約3分の1を占める部分であり、ワルツのリズムを基調に、全曲における再現部の役割も果たす。独奏ヴァイオリンが非常に活躍する場面でもある。弦楽(ここでも執拗に分割される)を中心にしたワルツに始まり、“自然の動機”、「世界の背後を説く者」のコラール、“舞踏の動機”、「喜びと情熱について」の諸動機が次々と再現される。その後は、既出の動機が複雑に交錯する展開部となり、壮麗なクライマックスを築く。
Nachtwandlerlied(夜の流離い人の歌)

 真夜中(12時)を告げる鐘が鳴り響くなか、「舞踏の歌」のクライマックスが “懈怠の動機” を中心に解体されていく。音楽がロ長調に落ち着くと、「大いなる憧れについて」や「学問について」で提示された旋律が極めて遅いテンポで再現される。終結では、高音のロ長調の和音(「人間」)と低音のハ音(「自然」)が対置され、両者が決して交わらないことを象徴する。

 

 

 

 

『ツァラトゥストラはかく語りき』 メータ&ロサンゼルス・フィル
シュトラウス、リヒャルト(1864-1949)